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SLAP ASSEMBLE

SLAP01

作者: 隼 メイ

 貿易自由化だとかTPPだとか、なんだかんだで、オレたちの国はいつのまにか、拳銃輸入大国になっていた。

 数年前に出来た新銃刀法によって、今じゃ国民の五人に一人は何かしらの銃を持っている。

 ま、当然ながら犯罪は激増、おまわりさんは足りない、さらに悪い奴がイキってるって、悪循環。

 そこで、去年急遽、捜査特別報奨金制度が改正された、指名手配犯や現行犯の確保、逮捕協力者に対して報奨金が支払われる、まあ簡単に言えば賞金首制度だな。


 で、オレたちみたいなのが、治安維持のために、そう治安維持のために働くわけだ、まあ賞金目当てだけどな。


 昨夜、隣のばあちゃんの家に押し入ろうとしたガキが五人いた。

 物音に気が付いたばあちゃんは二人を返り討ちにしたが、三人が逃げた。

 ばあちゃんの大声に気が付いたオレはこいつらを追っかけて、残りを仕留めた、まあ、当てたのは相方なんだが。

 で、今朝、ばあちゃんとオレたちで、こいつらを仕留めた賞金を山分けした。

 ばあちゃんは愛用のワルサーPPK/Sを見せながら、「昨日はぴーちゃんの機嫌がよくてねえ」とか言っていた。

 よく手入れされている感じの銃は、グリップに手編みの毛糸カバーがかかっていた。

 ばあちゃんは「あんたたちが三人であたしは二人しかやってないのに、半分もらっちゃって悪いわね」なんて言いながらカボチャの煮つけをくれた。


 ・・・ばあちゃんもオレたちも、誰も殺しちゃいないから、勘違いすんなよ。

 オレたちが撃ったのは、超高質量衝撃可塑性エラストマー弾頭(UHMIE弾)、通称エラダマだ。

 こいつは金属並みの質量を持っていながら、着弾の衝撃でゴムのような弾性に変化する護身用の弾だ、当たった瞬間に×点型に開くので貫通力はほぼない。

 連中はこれに撃たれて、衝撃で昏倒したり、足がもつれて倒れたりしただけだ、一応病院送りになったが、まあそのうち出てくるだろう。


 たいした儲けにはならなかったが、カボチャは美味かったのでまあいいか。

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