1/17
告白と決断と
桜の木がつぼみを付け始める別れの季節。
僕は隣にやってきた男装系女子に言った。
「皆のところに行かなくていいの?」
「うん、後でまた行くから」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「どうしたの、優羽? 何か用事?」
「うん」
優羽はとん、と僕の方を向く。
僕はつられて手元のライトノベルから視線を優羽に向ける。
「わたし、旭陽の事が好き」
「え・・・・・・」
生ぬるい風が二人の間を吹き抜けて、つぼみを付けた桜の枝が揺れる。
僕は女装をすることにした。