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3〈アメリア〉

「おはようアメリア」

「おはようございます。…オルセード兄様」


オスセードさんを兄様と呼ぶと胸がくすぐったい。

オルセード兄様はいつも眼鏡をかけているその奥の目は普段はニコニコしているけど切れ長で綺麗だ。

「今日も僕は研究所にいくからね。午後からは先生が来るからしっかり学ぶようにね」

「はい!」


母はみていてくれるだろうか?立派な淑女になるために私には先生達がつけられた。

貴族の子供は家で基本をしっかり学んで15歳になると学園に入るそうだ。

私はまず文字が母の絵本にある分しか読めなかった。オルセード兄様はその絵本をみて驚いた。オルセード様がはじめに文字を覚えたのもその絵本らしい。きっと父が文字を知らなかった母にプレゼントしたんじゃないかなって。それを聞いて本当に家族なんだなって。嬉しい気持ちでいっぱいになった。

兄様は領地を収めることは代理人を立てその人と共同で行なっており、普段は国が経営する植物、特に薬草などの研究所に勤めている。研究について夢中で話す兄様が好きで早くもっと理解できるようになりたい。


×××


「今更そんなミスをして。あなたは本当に覚えが悪いですね。母親が母親だもの。その髪色と瞳がなければ身持ちの悪いあの女の子供なんてこの男爵家にははいれなかったのですよ。優しいオルセード様に感謝しなさい」


マナーの先生は間違えるたび嫌味を言って来る。もう3年以上経つのに飽きないなあ。なんて傷つく気持ちを隠す。マナーとは相手を不快にさせないためのものだと思うのだけど、あなたはどうなの?なんて嫌味を考えて自分を慰める。最初怒られた時は悔しくて悲しくて泣いてしまった。

「そうやって泣けばすむと思っているの?さすが恥知らずの娘ね。その醜さが母親にそっくりよ」

そう言われた日から意地でも泣くもんかと思った。絶対に絶対に諦めない。その気持ちだけだった。


文字がわかるようになったら勉強はとても楽しかった。

何も知らなかった私は知識をつけることが喜びだったし

たまにオルセード兄様が褒めてくれるのが嬉しかった。


「来年には学園に入るんだね。早いなあ」

「本当にありがとうございます。貴族の学校に入れて頂くなんて」

「勿論。国にも認められた君は正式な僕の妹だよ。アメリアは勉強が好きみたいだからね、きっと楽しいよ」


私はまだ見ぬ学園生活に期待を膨らませた。

読んでくださってありがとうございます!引き続き読んでいただけたら嬉しいです。

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