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20〈アメリア〉


私は兄と共に研究を続け、ある樹の樹皮から痛みを緩和させる成分を発見した。

それと実際に怪我の治癒に役立つ効能の成分と合わせ一つの薬にしていく。

ただそれだけの事が時間がかかる。私にも後輩というものもできて兄と2人だった共同研究もチームが組まれた。


殿下との交流は続いている。

殿下は辺境伯になることが決定されていてここ何年も王都と辺境を行き来している。その中で私と会うなんて本当に一瞬の事だ。だけどその瞬間が愛しくて大切で私のやる気の源のひとつだ。

その日も久しぶりに殿下がいらしたがいつもと様子が違ってまっすぐ私を見たまま何も話さない。

「殿下?なにかあったのですか?」

「…アメリア嬢」

「はい」

「王太子の婚約の話は知っているか?」

「はい」


ノイス国の王女とエドワード殿下の婚約は国民中が知っている。それは大体祝いの言葉と共に語られる。

王女は雪のような白い髪をした美しい姫らしい。


「この婚約で我が国とノイス国とエスト国と調和は崩れる。いや我々が崩したと言うべきか。これを最後の争いにしたい。アメリア嬢。私はしばらく王都へは戻らない。戻ってきたら君に伝えたい事がある。…待っていて欲しいんだ。その、できれば結婚せずに」

「はい。どうかご無事で」


驚くほどすんなりと言葉が出た。

私は勿論殿下も驚いていて同じ顔をして2人して笑った。

だけど心の中はときめきとは別の不安な気持ちでいっぱいだった。


「未来もわからぬ俺が年頃の令嬢にこんなことを頼む私は最低だろう。わかっている。だがどうしてだろうな」


自嘲しながら苦しそうにする殿下に思わず泣きそうになるがぐっと堪える。


「殿下必ず帰ってきてお話を聞かせてくださいね。必ずですよ」


「…必ず」


去っていく殿下を見つめる。乙女な自分が結婚せず待てなんて言葉に動揺してる。それでもまとわりつく不安で殿下にすがりついて行かないでと泣きわめきたい。

わけのわからない気持ちのまま殿下の無事を祈るしかなかった。


「兄様に謝らなくちゃね」

自分を鼓舞して私は私のできることをするしかないんだ。


久しぶりの投稿になりましたが、ここまで読んでくださった方ありがとうございます。評価してくださった方、ブックマークしてくださってる方本当にありがとうございます。やる気の源です。

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