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第九話《彼の妹との出会い》

「はぁ……」


放課後になり、約束の場所である屋上へ向かう。

俺はテストが終わった後、シンと少し話していたので渡部は先に屋上に行った。

昨日に色々ありすぎて、勉強に全く集中できなかった。

今回のテストの結果は散々だろう。

……それにしても、会わせたい人とは誰なのだろうか。

全く予想がつかないな。


「うっす」


「あ、柳くん!約束通り来てくれたんだ!」


「まぁ、約束だしな」


「多分、もうちょっとで来ると思うから待ってて」


「ああ、その会わせたい人がか?」


「うん!」


するとすぐに、屋上のドアが開いた。

渡部が会わせたいと言っている人だろうか。


「え……?わ、たべ……?」


そこから現れたのは、渡部だった。

いや、渡部は俺の隣にいるからありえないけど、姿が瓜二つなのだ。


「あ、やっと来たね。遅いよ、何してたのさ」


「ご、ごめんね……本を読んでたらいつの間にか約束の時間過ぎてて……」


「あ、紹介するね。僕の妹の香織(かおり)だよ」


「わ、渡部香織(わたべかおり)といいます……よろしくお願いします!」


「え……い、妹?」


「うん。僕と香織は一卵性の双子なんだ。でも、僕のほうが先に生まれたから一応僕がお兄ちゃんなんだよ」


「そうなのか……あ、柳悠一です……よろしく……」


なるほど。

道理で瓜二つなわけだ。

一卵性の双子の性別が違う確率は低いが有り得る話ではあるらしい。

……ん?

じゃあ、俺が初めて恋をしたのって……どっちなんだ!?

あまりに瓜二つ過ぎて、どっちなのかわかんねえぞ!?


「でね、柳くん。話があるんだけど……」


「な、なんだ?」


「今週の日曜日に香織と二人で出かけてきて!」


「は、はあ!?なんでだよ!!」


「言ったでしょ、協力するって!じゃあ、後は二人で決めてね!」


そう言うと渡部は屋上から走り去っていった……。

いや、俺にどうしろと!?


「あ、あの……すいません……兄がこんなことして……」


「あ、ああ……いや、全然大丈夫だけど……」


「兄がこんなことするのは……多分、私の為なんです。私、人とあんまり喋れないんです……だから……」


……いや、違うと思いますよ。

大方、自分のことを可愛いと思ったのなら、瓜二つな妹も可愛いと思うに違いないとでも思ったのだろう。

いや、確かに可愛いとは思うけどさ。

初めて恋をした相手がどっちなのかマジで分かんねーんだよな……


「と、取り敢えず待ち合わせ場所とか、決めますか……?」


「あ、ああ……そうだな……じゃあ、朝の十時に千葉駅の中央改札前で集合でどう?」


「は、はい……それで大丈夫です……で、では日曜日に……」


「お、おう……じゃあな」


日曜日は初恋かもしれない人と二人でお出かけか……

ん?

これってもしかしなくても……デート!?


読んでくださりありがとうございます!

次からついに、投稿頻度を高くします!

次回は八月十二日の月曜日の二十二時に投稿する予定です。

よろしくお願いします!

では、次は珍しく月曜日にお会いしましょう!

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