EX:思春期超えてるけど…やっぱり今日あった異性の家に泊まるのはもはや怖い
こないだ1章終わりと言ったのですが…
読み直したら描きたいところができたので…
ちなみにこの話は本編に重要な関わりはありません!
僕は今岩で作られた1人が入るのが精一杯の露天風呂の中にいる。ここに来るまで色々と……いや今も色々と苦労をしているのだけれど…
時間はエレナさんと出会って数時間後。エレナさんの家で夕食を食べ終わって、僕が皿洗いをしている時だった。
「へぇー、魔王様って皿洗いとかできるんだね」
エレナさんが意外そうな顔で僕のことを見てくる。まぁ僕は部下というか…お付の人が1人しかいなかったし、自分のことは自分でやりたい派だった。だから自分で料理とか皿洗いとか、一般的な家事はやろうと思えば出来るのだ。
「……えぇ、まぁ一応。」
「じゃあ皿洗いは頼むね! 私はお風呂でも入ってくるから」
そう言ってエレナさんはパジャマなど諸々を持ってドアノブに手をかけた。
「そうそう。 私の家のお風呂は外にあるんだ。 いくら丸見えだからって覗いちゃだめだよ」
僕のことを試すような言い方をして外に出ていく。……まぁ僕にそんなことをする勇気なんてないし……何より出ていけとか言われたらシャレにならないからな。
それから30分ぐらい経った後、エレナさんが風呂から帰ってきた。長時間入っていたせいか湯気が体から出ている。それに顔がほんのり赤く少しのぼせているような気がした。
まぁ女子の入浴時間は長いと聞いていたけど…本当みたいだな。僕がそんなことを考えているとエレナさんが僕のほっぺをつまんできた。 ……痛い痛い!僕は何をしたって言うんだ!!エレナさんはなんだか怒っているように見えた。それに少し涙目になっている気がする。
「なんで覗きに来ないの! 色々な迎撃方法考えてたのにー! おかげでのぼせちゃたじゃん!」
素晴らしいまでの逆ギレだった。……というか逆ギレというのか、これ?
「……なんか、すみません」
「はぁ、まぁいいよ」
エレナさんは少しガッカリしているようだった。まったくこれだから乙女心(?)は分からないな。
「あっ次入っちゃっていいよ。 着替えは……あった! これ使って」
大きなクローゼットの中に男の成人服と見られる服が何枚か入っていた。この家ってエレナさんの他に誰か住んでたのかな?
「…ありがとう、ございます」
僕は適当にシャツとズボンを取って外にあるという風呂場に向かおうとする。
「お父さんとまったく同じ組み合わせだ…」
エレナさんが何か呟いたような気がしたが…まぁ気のせいにしておこう。
「あっ外に出て左に行ったらあるよ!」
今僕は考えている。この風呂って…エレナさんが使ったお湯がそのままって……………あぁ、いやいやいや。こういうのは良くないな。うん。
僕は自宅から1歩も出たことがない。もちろん異性の家に泊まりに行ったことなど1度も無い。それゆえというか……18歳にもなって彼女の1人もいない。そんな喋ることに耐性もなく、まして異性と接することにはもっと耐性がない僕。……この状況はなんとも……気恥しい……。
きっとエレナさんとはずっと一緒にいるパーティになると思う。だからいつかはこういう耐性も付けてかなきゃならないのか……先は長いな。
今度こそ1章終了です!
ここまで付き合ってくれた方々ありがとうございます!
そしてこれからもよろしくお願いします!!