他人の手柄を自分のものにするとちょっと心苦しい
「魔王城復活もそうだけど。 ファー兄って今日やることないの?」
あっ、イノシシの討伐があるじゃん。すっかり忘れていたな。……どうするかな。
「その顔。 やることあるんだね。 手伝うよ」
……さすが僕の妹だな。よく顔を見ただけで分かるな。
「……イノシシの討伐があるんだよね」
「もしかして。 冒険者ギルド?」
「……そうだよ」
やっぱり魔王城を壊しただろう組織に加入するのは……やっぱり不謹慎だったかな。
「へー。 なんかファー兄。 変わったね」
……そうだろうか。まだ3日ぐらいしか経ってないんだけどね。
「シロ。 ちょっと来て」
「なんだよ。 今野菜の切り方教わってんだけど」
シロという男は地味にエプロン姿になっている。……地味に似合ってカッコイイとは思うけど。僕からすると誰得なんだと思うなぁ。
「ちょっとイノシシ狩ってきて」
「お。 やっぱりイノシシにハマったか。 ちょっと待ってろ」
するとシロと呼ばれる男は直ぐに飛び出して行った。
「……僕も行こうか?」
「いや。 多分10分もかからないよ」
僕は肉弾戦……ってか1人じゃ戦えないけど多分凄いんだろうな。
「急に飛び出して行ったけど、どうかしたの?」
「イノシシ狩りを頼んだの」
「イノシシ狩り? ……あっ! フニル! 忘れてた!」
「……やっぱり行こうか」
「あー。 もう遅いかな」
「帰ったぞ」
シロと呼ばれる男は片手に1匹ずつイノシシを持って帰ってきた。
……10分ってか1、2分じゃん。
「ほらこれ。 後ファラクの兄貴の分だ」
「……ありがとうございます」
「別に私の分は要らないけど」
「捌いてくるから待ってろ。 兄貴の分はどうする?」
兄貴って……なんかシロさんが子分みたいだな。
「……いや。 大丈夫です」
「そうか。 分かった」
そう言ってシロさんは奥の方にある部屋に入っていった。
「じゃあファー兄。 シロが来る前にそのイノシシ。 ギルドに持っていったら」
「シロさんにありがとうって言っといてもらってもいい? ファラクさん」
エレナさんが"さん"付けしてるなんて……珍しいな。
「……じゃあまた今度」
「ん。 じゃあね」
僕達は妹の家から出た。
「はい。 クエスト完了です。 お疲れ様でした」
僕達はシロさんから貰ったイノシシをギルドに預けて報酬金を貰った。……200ゴールド。まぁなにもしてないから高いのか低いのかよく分からなかった。
「あっ終わった? なら帰ろっか」
エレナさんは朝市の時に買った食料を持って来た。やっぱりどうやったらそんなに持ってるのか分からない程の量だな。
「それでは。 お疲れ様でした」
リナさんは頭を下げて僕達にそういった。相変わらず業務的だな。




