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立ち入り禁止の中を進む独特な緊張感

 僕達は妹……ファラクの提案で妹の家に行くことになった。 ……妹の家って言うのも変な話だが。


 妹と隣の男は南側の魔物が出る可能性がある出入口に進んでいく。……あー、もしかしてあそこかな。


「こっちだよ」


 案の定というかファラクは街で立ち入り禁止となっている道を進んでいく。


「……進んでいいのかな?」


「とりあえず……行くしかないよね」


 僕とエレナさんは小声で喋る。まぁ街で生贄を用意するような所に進んで入りたいとは思わないし。


「一応言っとくがここから先は魔物は出ないから大丈夫だぞ」


 ファラクの隣を歩いている男が僕達に向かってそう答える。……てか誰なんだこの男。


 エレナさんはちょっと心配そうな顔をするが中に入っていく。 そういえばここ薄暗いな。だから入るのを渋っていたのか。




 僕達は奥へと進んでいく。するとだんだんと紫色の霧が濃くなってくる。


「こっちだよ。 私から離れないでね」


 霧が濃くてファラクの姿がギリギリしか見えない。……そう言えばあの男の姿が見えないな。


「あれ? フニル? なんで魔術を解いてないのに普通の姿になってるの?」


 そう言うエレナさんの方を見るといつも家の中でみる、エルフの姿になっていた。


「ここ。 魔術の妨害があるからね。 やっぱりファー兄だったんだね」


 霧の中からグイッとファラクが顔を近ずけてくる。その顔は魔王城(じたく)でいつも見ていたドラゴニュート独特な目と髪の色をしていた。


「……ファラクも無事で良かったよ」


「そりゃあね。 ちなみに他の魔王(きょうだい)も全員無事なはずだよ」


 そうか。……上の兄貴は嫌いだけどまぁ良かったな。


「なー」


 するとどこからともなく黒い猫がファラクの肩に乗ってきた。


「それじゃあ。 行こっか」


 そう言ってファラクは歩き始めた。


「……エレナさん。 早く行かないと見失いますよ」


「う……うん! そうだね」


 無理して笑顔を作っているような。……もしかして妹がいるからなのかな?




「おつかれ」


 妹に先導されること20分。距離はなかったが山を登っていくのが辛かった。エレナさんは体力的には大丈夫そうだが精神的には辛かったんじゃないだろうか。


 僕達の目の前には決して大きくはないが小さくもない古いお屋敷が現れた。霧のせいで急に現れたので妹がいなかったらビビっていると思う。


 妹がギィィと屋敷の扉を開ける。少しホラーな感じがした。


 しかし、中はと言うと電気もついていてこざっぱりとしている。よく清掃が行き届いているような感じだ。


「いらっしゃい。 ファー兄と……お付の人」


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