ここはどこですか?
大きな木々が生い茂っていて、少し歩くと透明な池がある。そして、耳を澄ますと小鳥や小動物などの鳴き声が聞こえる。人の気配なども無く旅行に来るのだったらとても素晴らしい所だろう。
しかし、僕は今魔王城からテレポートされてこの美しい自然の中を1時間ほどさまよっていた。幸い父さんから貰った杖があったので歩く疲れは少しだけ楽だった。
あー。もうなんだよー。杖があっても歩くの疲れたし。…頑張ったし少しだけ休憩しよ。
そう思って僕は太い切り株の上に座った。そして僕はボティスに貰った白い封筒のことを思い出し、開けてみることにした。もしかしたら地図などが入っているかもしれないという期待もあった。
しかし、中には"ガンバレー"と言う文字と微妙に上手い僕の似顔絵が書いてあった。
…はぁ。アイツらしいと言えばそうなんだけどなぁ。……ちゃんと逃げたかなぁアイツ。
期待するようなものは入っていなかったが少し彼女から元気を貰った。
そして僕は切り株から立ち上がりまた歩き出すことにした。すると、生い茂る木々で見えなかったがまだ人が住んでいそうな小屋を見つけた。
あっ…どうしよう…人間が住んでたらやばいしな…でももしかしたら僕と同じ亜人が住んでるかもしれないし…
僕は木陰に隠れながら家の様子を探っていた。中には人影のようなものが見えるので家の中に人か亜人かがいることは確定していた。
あんまり歩きたくはないし…1回尋ねてみようかな…
僕は手に持っている杖をギュッと握って木陰から出た。ドアの前に立ち大きく深呼吸をして呼吸を整えた。ドアをノックしようとした時。いきなり目の前のドアが勢いよく開いた。そのせいでドアに顔を思いっきりぶつけて尻もちをついてしまった。
「いた…」
痛い!なんでこんなことばっかり…あぁ、人間だったら僕、殺されるのかなぁ。
僕は恐る恐る目を開けるとそこには、男の子のような短い短髪で胸の膨らみがなければ女の子ときずかないようなエルフがいた。しかし、エルフの特徴である目の色が緑であることや耳が尖ってはいるのだが、髪の毛の色が薄い黄色ではなく黒色と珍しかった。
「あっ…大丈夫です?」
そう言って彼女は僕に手を差し伸べてくれた。
うわぁ。知らない人の女性の手を触るの…嫌に緊張するな…
僕は土の汚れと手汗を服で取り払ってから彼女の手を掴んだ。
「あっと…大丈夫です…ありがとうございます」
そして僕は落としてしまった杖を拾い上げた。彼女は僕のことをマジマジと見てきた。
「あの。 その髪色といい目の形といい…多分人間じゃないよね?」
「ええっと…はい、そうです。…でも君も人間じゃないですよね?」
すると彼女も僕が亜人と分かってホッとしたのか、小さなため息が聞こえた。もしここに住んでるのが人間だったらどうしようかと思ったが要らない心配だったようだ。
「ねぇ。 もし良かったら上がってかない? 私、エルフ以外の亜人と初めて会うから色々話聞いてみたくてさ」
そういうのと同時に彼女は僕の腕を掴んで彼女の家の中に連れてこまれてしまった。
初めて女の子の家に入ったな…




