表があれば裏もある
だんだんキャラが増えてきた気がする。
いつか登場人物一覧とか作ろうかな。
「はい。これでフニル様は冒険者として登録されました。それでは冒険者についての説明をさせていただきます」
リナさんは"冒険者について"と書かれたボロボロの紙を出した。まぁ紙は貴重なものだからこう使い回すのは分かるけど……もう所々読めなくなってるよ。
「まず、冒険者というのは主に魔物の討伐やダンジョン攻略だけでなく。個人の依頼……例えば商人の護衛とかですね。これらの依頼を達成する人々のことを言います」
リナさんは説明しながらボロボロの紙に書かれている1という数字を指さししていた。きっとこの1番に冒険者についてが書かれていたのだろう。しかし、もう読むことが出来ないので説明を聞くしかないのだか。
「次に冒険者の心構えですね。冒険者とはそもそも………」
リナさんからの説明はおよそ30分ぐらい続いた。ちなみに隣のエレナさんは立ったまま寝るという器用なことをしている。
途中この説明いるとか言う奴もあったが……つまり冒険者をやるにあったって大事なことはこのギルドで依頼…通称クエストを受ける必要がある。
ちなみに受けられるクエストはランクを上げる事に増えていくらしい。まぁ弱い奴らが魔王城に来たところで必ず返り討ちに出来るしな。つまりそういうことだろう。で、僕のランクはFだから……まぁ薬草取りとかしかないな。危険度ゼロのクエストしか受けられないみたいだな。
「……なるほど。なら薬草取りのクエストを受注させてください」
「はい、分かりました。クエストの内容は"リカバ草"の採取です。15本のリカバ草をギルドまで持ってきたらクエスト完了です。……ほらエレナさんもついて行ってください」
「……ほえ? 終わった? よし! なら行こう!」
「……それでは行ってきます」
「ねぇフニル。今回のクエストって何?」
まぁ立ったまま寝てたからね。そりゃ聞いてないか。……しかし本当に人間の街って凄いんだな。別に魔族の街が遅れてるとは思わないけど。地面でこぼこしていないし建物一個一個が綺麗に整備されてるし。…まぁ魔物や魔族の核である魔石を街灯に使うのはちょっと思うところがあるけど。まぁ魔力を通せば光るから気持ちは分かるけどね。……あっそういえばなんでお祭りやってるのか聞いてもらうの忘れたな。
「やい! フニル! 聞いてるー!」
あっエレナさんのこと忘れてた。
「……今回のクエストはリカバ草の採取ですよ。……それよりどうしてお祭りやってるか聞くの忘れましなね」
「ああ! 忘れた! よし聞こう。……ねぇねぇそこのおじさーん」
本当よく考えないで動けるよな。まぁいい事ではあるんだろうけど。てかただの歩行人に聞くって凄いよな。普通屋台やってる人とかに聞くもんじゃないのかな。
「なんだい?お嬢さん」
白髪に白髭…猫背だし随分と歳食ってるんだろうな。将来僕もあんな感じになるのか。
「今日ってお祭りとかやってるの?」
「あぁ今日かい?……今日は生贄を差し出す日だからだよ。こうやってみんなで祝うのさ。…せめてもの償いとしてね。」
ふーん、珍しいな。生贄を要求する魔族や魔物はよく聞くしありふれたものだけど……それを祭りごとにするのか。人間ってやっぱりよく分からないな。
「……そうなんだ。……ねぇねぇどうしてお祭り事にするの?」
「……あれじゃよ。送り出される人も悲しい雰囲気よりかは楽しい雰囲気の方が行きやすいだろう……それじゃお嬢さん、わしはもう行くよ」
おじさんは渋い顔をした後にそそくさとどこかに行ってしまった。……やっぱり人間って時々狂ったことやるよな。
「……じゃあフニル。 行こっか。 リカバ草だよね? この街を出たすぐの所にあるから」
エレナさんにしては随分と暗いな。まぁエレナさんは感情も豊かだし人に感情移入しやすいのかもしれないな。…まぁ僕も何も感じないわけじゃないけど。
「……じゃあ行きましょうか」
改めて考えると人間が怖くなるな。だって生贄を捧げないと危なくて暮らしていけないような所に街を作るなんて。……今度その生贄を貰うやつの所に行ってみようかな。もしかしたら新生魔王軍ってやつの仲間に………意外と僕も新生魔王軍、乗り気になってきたな。
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