表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/53

p.25[それはねぇよ]

 神々は最初の人型の生き物としてエルフを生み出しました。

 エルフはとても思慮深く、無益な殺生をせず、長い年月を生きれる様に生み出されました。その様に生まれたのは神が自分に似せたからだと言われています。

 争いは発展には欠かせない要素ですが、エルフは争いをすることは決してありませんでした。神に滅びはありませんが、生き物にとって停滞は滅びの一歩。進化する事の無い生物を神々は悲しく思いました。

 自分に似せて作ったのでとても他人事とは思えず、何か、他の生き物を創って滅びを回避させようとしました。

 こうして、私たち人間や他の種族は生まれました。


 ですがある日、エルフ以外の違う価値観を持ったそれぞれの種族は互いに対立し、戦いが起こってしまいました。

 神々は反省しました。そこで神は共通悪を創りました。

 モンスターと呼ばれる存在です。

 オークにゴブリン。互いの種族が困難に立ち向かい、工夫してい互いに進化をしていきました。

 神々は喜びました。子供たちが競い合う事で進化をしていくのを。


 ある日、人々は大きな蝙蝠のような翼を備えたトカゲを見つけました。

 人々は困りました。その生き物を倒すことが出来なかったのです。

 人が進化したようにモンスターも進化をしていたのです。

 負けないように強く。固く。賢く。

 そうして進化したその生き物は、魔法を使い、どの種族にも勝りっていました。


 そのトカゲは考えました。どうして攻撃されるのか。人を襲わなければ攻撃されないのではないか。人を救えば攻撃されないのではないか。

 そう考えたトカゲはさっそく試してみました。すると人々は攻撃をやめトカゲを称えました。

 トカゲはドラゴンと呼ばれるようになり、人々に知恵と魔法を授けました。

 ドラゴンの魔法は精霊を使った魔法でした。人は精霊と仲良くなり、また進化をしました。


 進化した人は何時かドラゴンを恐れる様になりました。

 いつかドラゴンに殺されるのでは無いか、そう考えた人々はドラゴンを殺そうとするのです。

 ドラゴンはそれを深く悲しみ山の奥深くへと消えていきました。

 ソレを見た神は魔法を封じようと精霊を別の空間に封じました。





 「この話はドラゴンが神格化されていく元になった話です」

 「どうしてそれをカゼノさんが?」

 「生前知り合ったドラゴンに教えて貰いました」


 昔話を話し終えたカゼノさん。彼女の顔はどこかスッキリしていた。


 「私は山の奥深くへと消えたドラゴンを探していました。長い年月が経っていたためドラゴンの事は『魔法の祖』と呼ばれるようになり、世界の壁(マジックミラー)越しでも長い年月を掛けて精霊と繋がりを持った魔法使い達の目標となっていました」


 「ドラゴンにあんな酷い事をしておいてです」吐き捨てる様に言葉を付け加え、珍しく表情が目に見えて歪んだ。


 「そして私はドラゴンを見つけることが出来ました。断崖絶壁に空いた謎の大きな横穴、そこを進んでいくと大きな池、いいえ、湖がありました。ドラゴンは湖の中で眠りについて居たのです。私はその時使徒になりました。そしてその時魔導書を頂きました。一番適性のあった風の神の使徒になった私はアネモイ様にこう頼まれました『彼は過去の出来事でとても疲れているわ。彼を救って欲しいの』」


 使徒になった時に魔導書を貰ったって事は当時は魔導書が無かったってことか。

 あれ?カゼノさんはかつてアネモイ様の使徒で魔法使いだったって事はだ。

 魔力を感じるのに早くて十年、変換に早くて十年。合わせて二十年。

 魔法を習い始めたのが十五歳からだっとしても三十五歳・・・。今の見た目と全然違うんですがソレは?


 「最初は湖から出てくれなかった彼も私が何度も尋ねる内に心を開いてくれるようになっていきました。そこで過去に何があったのかを聞くことになりました。私は絶句しました」


 俺の疑問を口に出したら大変なことになるのは分かり切っているから、お口チャックで話を聞く。


 「ある日湖に行くとソコにドラゴンの姿は無く一人の青年が居ました。私は焦りました。丁度その時、街でドラゴンの肝を飲めば不老不死に成れるという噂が流れていたからです。警戒する私を余所に彼は笑ってこう言いました。『人化の魔法を使ったんだ』私は思わず彼に抱きついて居ました。彼は私の大切な人になっていました」


 なんで俺がカゼノさんの惚気のろけ話を聞かされなきゃいけないんだろうか。

 さっきまで俺を励ましてくれる様な流れだったじゃん!?もう俺、使徒辞めちゃうよ!?

 俺の内心を無視して話は続く。


 「ですが私がドラゴンに会っている事がバレてしまいました。彼の肝を目当てに各地から魔法使いが集まり戦闘が始まりました。私も善戦したのですが数の暴力により力尽きてしまいました」

 「死んだんだ・・・。で、肝心のドラゴンは?逃げれたの?」

 「私は彼を逃がすために戦っていたので彼の行動は分からないのです」


 それじゃあダメじゃないか。


 「結局、石碑と何の関係があるんだ?話が見えてこないんだが」

 「最初のお話しですよ。神が創った人が神の赤子であるならば、神が創ったモンスターも神の赤子という事でしょう?」

 「必要悪として創ったのにソレはどうなんだ。理屈的には会ってるが・・・」


 子供(人とモンスター)を対立させて競い合わせると考えるとそれっぽくなるが、エルフが神を真似て創られ建って部分だけでもうoutだろ。平等じゃないしな。


 「最終的にはそこらへんのバランスは変わらなかったようですよ?容姿の替わりに力を。知性の替わりに肉体を。みたいな感じで」

 「ああ、そう。で、結局何が言いたかったの?」

 「あの石碑はアネモイ様が私の為に置いてくださった石碑ですから、ツバサさんは気にしなくていいんです。って言うお話です。アネモイ様が私にそう言っていましたから間違いありません」


 彼女は彼女なりに考えてくれていたようだ。少々強引だけど・・・それでも気が楽になった。

 疑問も増えたが。


 「大体の話ってさ。そうやって大切な人を殺されたから暴れてるんじゃないのか?」

 「え、あ!?」


 うわ~。最悪だよ。絶対ドラゴンが暴れた理由それじゃん。

 本人気付いてなかったっぽいし、アビーさんが言ってた伝記『一人の女性に捧げる、その後』って、完全にカゼノさん充てにその後の真相を書いた本で間違いないだろ・・・。


 元凶が身内ってどうよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ