四章 全面戦争
南砦の戦い
「これで終わりだー世界樹監獄ー」
「やっぱり、規模はすごいな」
「それよりも、早く記憶処理してくれないか」
「はいはい」
これで制圧は完了するーーはずだった。敵が消えた。
「今度はこちらの番だ」
こいつ、どこから現れたんだ。
「気をつけろ、悪魔使いだ」
「ガキが、なぜわかった？」
「俺は相手の心が読めるんでね」
「ならお前から死ね」
「ー世界樹ー」
「ちっ」
「焦りすぎですよ。鷹山さん」
「うるせえ、風野」
「久しぶりですね。市村さん」
「無視するな！」
久しぶり？ 記憶にないが。
「いじってないぞ」
わかったから、黙っててくれるか。
「まあ、あの時はこの姿ではなかったですしね」
「いいからやるぞ」
さて、やるしかないか。
「俺は戦闘向きじゃない。任せたぞ」
「ー悪魔召喚ー」
「任せるわよ。鷹山」
北砦の戦い
「ー加具土命ー」
「ー雷霆ー」
ほぼ敵は全滅。すこし拍子抜けすぎじゃないか。
「強いのね」
「貴様が大将か」
「この部隊のね」
「なら、倒させてもらう」
「無駄ですよ」
「ー雷霆ー」
「口ほどにもなかったな」
「これで全滅か」
「みたいだな」
東砦の戦い
「ー念動力ー」
「なぜ、ばれたかな」
「ー八岐大蛇ー」
「くっ」
「倒す前に名前を教えなさい」
「天ノ川 篝だ。敵意はない」
「信じると思うの？」
「これが証拠だ」
人だった。
「俺は、機関を潰すために潜入してたんだ」
「信じるには足りないわね」
「信じなくてもいい。すぐに立ち去る」
言葉通り、すぐに消えた。
「いったいなんだったの？」
「さあ」
西砦の戦い
「限界……」
「あっけない。数ばかり集めたって、この土方さまには勝てないぜ」
「あっちも勝負がついたみたいだぜ？」
「最後に、名前を教えてくれないか」
「冥土の土産か、いいぜ。俺は竜胆 神魔、貴様を殺すものだ」
「竜胆 神魔か。ありがとう」
「それが遺言か」
「竜胆 神魔ー封印ー」
「ぐっ、なんだーー」
そして、竜胆は消えた。
「封印完了だ」
あともう一人か。
「同じ手は効かないぜ？」
「なっーー」
「この土方さまにかかればこの程度だ」
その後、西側から大量の敵がなだれ込んできた。
本陣
「あっけないですね。私一人に負けるとは」
「なにが一人だよ……」
「やっちゃいなさい。みんな」
南砦
「全滅……」
「逃げるぞ、真樹」
「でも、」
「ここにいるメリットはない。僕らだけでも生き延びよう」
「逃がすかよ。悪魔達」
「ー世界樹ー。先に行け、晶」
「あとで来いよ」
「ああ」
いくさ。意地でもな。
「安心しろ。あの世で合わせてやる」
北砦
「もう、無理だな。どうする、靖浩」
「逃げるしかないだろ」
「そうだな」
東砦
「まずいわね」
「逃げましょう」
「でも、他の所でまだ戦ってるかも」
「だとしても、助けるのは無理よ」
「でも……」
「つべこべ言わない。逃げるわよ」
南砦
「なかなかやるな」
「仲間の所に戻らなきゃいけないからな」
「まだ、行けると思ってるのか」
「そこまでよ。鷹山」
突然、謎の女が現れた。
「あんたは、あの時のーー」
謎の女によって、鷹山とかいう男は殺された。
「貴様はなんだ」
「私は機関のリーダーです」
「何が目的だ」
「あなたに力を与えに来たのよ」
力だと？
「あなたにはやってほしいことがあるからね」
「やってほしいことだと？」
「詳しいことはいずれ話すから、今は立ち去りなさい」
そう言い残して、謎の女は消えた。
「無事だったか、真樹」
「ああ」
「それでどうなったんだ」
「色々な」
次回、完結編。
次回で終わらせます。
