三章 動き出す時
プロローグ
あれから、二年の月日が流れた。漫画とかにある、修行編的な感じだ。まあ、そんなんでみんな強くなった。わけではない。能力を消滅させる薬が出来たからだ。そもそも能力というのはーー
「本編入る前に、長々と話すのはやめましょう、真樹」
「だから、しゃべってないことに反応しないでくれ」
「いいから、本編に行きますよ」
「わかったわかった」
一日目
二年もたてば世界は変わる。能力についての研究も、原因と対処法を見つけられるほど研究は進んだ。そして、能力者は激減した。今では、この学園と、機関、その二か所にしかいないと言われている。俺もその薬を飲んで、普通に戻るはずだった。だが、効果はなく、いまだ能力者としてこの学園に在籍している。
「いいから、進めましょう」
さっきからいるが、こいつは姫島 晶。いつも俺についてくる。
「友達なんだから、いいじゃないですか」
いつのまにかな。それに、声に出さなくても会話になるのは楽だし。
「そこなのか。それよりも、全校集会に行きますよ」
「今日か」
「今日です。ほら、はやく」
「わかったよ」
さて、さっきも言ったが能力者は激減した。全校生徒といってもたかが知れてる。ので、紹介でもしよう。ちょうど全校集会だしな。
「誰にだよ」
「誰かにだよ」
まずは、中学から同じやつ。
木山 悠。まあもう細かい説明はいらないや。
「振られたからだね」
「黙っててくれないかな」
「はいはい」
中富 靖浩。今じゃトップクラスだ。
「人としてでも能力でも、負けた相手だね」
もういいや無視しよう。
「ひどいな。僕は補足してるだけだよ」
高堂 利幸。今は学園の生徒会長だ。
「カリスマ性があったんだね」
次は、学校破りの時のやつ。
姫島 晶。こいつだ。
「もうちょっと、なんかないのかい」
記憶操作能力で、学園で起きた問題をかたずける。
「君には、やったことないけどね」
黒羽 九朗。俺があの時倒した奴だ。
「今やったらどうなるかな」
神崎 雷弦。ランク一位のやつだ。
「彼は、最初から異才を放ってたよ」
八木 真尋。長身だが年下だ。
「確かに、見掛け倒しなとこはあるね」
守谷 獅子。ランク三位のやつだ。
「彼は、人一倍正義感が強くてね。真面目すぎともいうね」
大上 信二。よくわかんないやつだ。
「一匹狼ってやつだよ」
志熊 ねね。学園の副会長だ。
「もともとは会長だったけどね」
モスカ。本名は誰も知らない。
「俺の記憶操作も効かないしな」
以上、俺も含めて十二人だ。と、言ってるうちに始まるようだ。
生徒会長と副会長から話が出された。
「さあ、今日集まってもらったのは他でもない。機関から連絡が来た」
「三日後までに降伏しなければ、攻めてくるのよ」
その後話し合いが行われ、徹底抗戦ということで決まった。
四日目
「さあ、全面戦争だ」
こちらは、高堂を大将として黒羽、八木、大上が守護。学園の東西南北の砦に、それぞれ二人ずつが守護についてる。俺は南砦に、姫島と一緒にいた。
南砦
敵が見えてきた、大群だな。会長の読み通りなら、それほど強くはないはずだが。
「決めてくれよ。真樹が頼りなんだからな」
ああ、わかってるさ。
「ー世界樹ー」
俺の力は、範囲は広いが威力は弱い。だからこそ、こちら側を任されたのだから。
北砦
北砦は、中富、神崎の二人である。
「敵が見えたぜ、雷弦」
「そうえすね、靖浩」
「会長の予想通り、少数だな」
「精鋭かはわかりませんがね」
「いくぞ」
「ああ」
東砦
東砦は木山、志熊の二人である。
「来ませんね」
「おかしいわね」
「どうしますか?」
「待機よ」
西砦
西砦は守谷、モスカの二人である。
「敵が来ました。任せますよモスカさん」
「………」
「あの?」
「ー人形劇ー」
「……任せますね」
さあ、次回から戦闘開始です。
ほぼ中身がないですが、次回から最終決戦です。