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シィーラ  作者: 赤紫
3/7

二勝 学校破りー結末ー

「あなたで決めてください。高堂さん」

「決めてやるさ」

「お願いします。八木さん」

「かしこまりました」

「ー筋骨隆隆マキシマムー」

「ー重力無視アンチ・グラビティー」

「一発で決めてやるさ」

「当たりません」

「くそ」

「脳天踵落し」

炸裂。

「一発でしたね」

二対三、まだ大丈夫だ。

「仕方ない、姫島さん」

「無駄ですよ? ねえ姫島さん」

「無駄ですよ」

「どういうことだ」

「スパイってやつですよ。記憶操作能力なので」

「さあ、不戦勝だな」

三対三に、もつれこんでしまった。

「俺が決めてやる」

「大将戦で決まるとは、ドラマチックじゃないか」

「ー蒼焔ブルー・フレイムー」

「ー雷帝弓矢サンダー・アローー」

「焔とともに、舞い踊れ」

「雷撃の前に散れ」

なんとも、凄まじい戦いである。舞い踊る焔、飛び交う雷電。力と力が交差する。

「けりをつけよう。ー雷霆ケラウノスー」

圧倒的……それしか言いようがない。その絶対なる雷撃により、勝敗が決した。

「我々の勝ちだ。学校は渡してもらうぞ」

「くっ……」


学校破りの勝利により、学校は乗っ取られた。そして、能力者だったものたちは、新たな学校へと移動させられることとなった。


十二日目


「よく来ました。能力者の皆さん。ここは能力者学校、わが校のエージェントに負けた、能力者を集めた学校です」

……ここが善か悪かはわからない。だが、ここから逃れることはできそうにない。

「皆さんの身の安全だけは保証します。では、素敵な学園生活を」


十九日目


ここに来てから、一週間が経過した。ここでの生活は思ったよりも快適であった。個人の部屋が与えられ、欲しいと言えば、ある程度のものは手に入る。通常の授業のほかに、能力対戦実習と言うのがある。そこでの戦績によって、ランクが与えられ、それによって生活の質が上がるそうだ。


「相変わらず遅いな、利幸」

「あなたが早いんですよ」

「さあ、能力を使え」

「ー筋骨隆隆マキシマムー」

「さあ、その状態で追いついてこい」


「何やってんのよ? える」

「見つけないでよ、悠」

「逃がさないわよ」

「いやよ」


「今日こそは勝ってやる、雷弦」

「無駄ですよ、靖浩さん」

「ー蒼火焔ブルー・ブレイズー」

「ー雷霆ケラウノスー」


ずいぶんと変わったものである。今では名前で呼び合い、よく練習試合をしている。

「まあ、僕が記憶操作したからっていうのもありますけど」

……相変わらず、心声を読んで返事をしてくる奴だ。

「それは僕の潜在能力さ。それに友達のことならなんでもわかるよ」

「友達になった覚えはない」

「僕は君が気にいった。それでいいじゃないか」

まあ、なんだかんだいって、こいつと一緒にいるのは事実だが。

「なあ、いい加減名前で呼んでくれないか、真樹」

「気が向いたらな」


みんながみんな、形は違えどこの地に馴染んでしまったようだ。結局、善か悪かはわからないが。


次回からは、新章突入です。

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