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正直者

──クリーン星中心地。王城の内部。王室一部崩壊により、ゲーム部員一行と王様、その場を離れ──書斎へ。

現在──嘘つきを先に撃ち殺すゲーム。通称嘘つきゲームのため、準備が進行中。

参加者──秋と王。その他四体のロボットたち。

審判──唯一の通常ロボット。サターン。


「ねぇーまだ始まんないのー秋ぃー」

暇そうに欠伸をしながら問いかける冬を。

「仕方ないだろ。銃以外にも、さっきの電光掲示板とか嘘つきを決める道具とか色々必要な訳だし」

なだめる秋も、内心、早くしろよ。と感じていた。

「まぁまぁ。ここはエリートである僕の顔に免じて許してくれよ。マドモアゼル」

「お前の顔にどれほどの価値があるんだよ」

どこから取り出したのか分からない薔薇の花を口にくわえながら、ポーズを決めたかと思うと、その薔薇を冬に差し出したジュピターに。

秋の鋭いツッコミが入る。


「そこのぼーやも、そんな怖い顔しないで、私と楽しいことし な い?」

胸をやたらと強調しながら、今度はヴィーナスが秋に近寄る──。

「あのな。お前は色っぽいというよりただ下品なだけだぞ」

──が、またもゴミを見る目をしながら吐き捨てる秋。

「エリートである僕の価値が分からないなんて……可哀想な貧乏人だね」

「私の美貌は、お子ちゃまには理解できないみたいね」

何を言われようとも、まるでへこたれる様子が微塵もない二人。

むしろ同情するかのように切り返す。

「ナルシストも、ここまでくると才能だな。いっそ付き合ってしまえ、お似合いだぞお前たち」

鼻で笑う秋と。呆れてものも言えない冬たち。


「では、用意が出来ました」

そう言って割って入って来たサターンが手にしていたのは、数枚の紙と一つのペン。それと四季の時に使ったタイマーだった。

「制限時間はどう致しますか?」

サターンが、秋と王と交互に見る。

「何時間でもいいぜ? 一時間でも、一時間半でも」

口を動かすだけでなく、サターンが持ってきたタイマーをいじりながら秋。

タイマーの表記が、1:00や1:30に変わっていく。

四季の時とは違い、長時間の設定になるが、問題はないようだ。

「まぁ、ちょっと長いけど、これぐらいでいんじゃない?」

そう言って秋が設定したタイマーには、2:30の数字。

「うむ。妥当な時間じゃな」

「ちなみに、この時間内だったら、再ゲームを申し込めるってのは、どうだ?」


へらへらと笑いながら提案する秋の真意を、王はどれだけ把握することができただろうか。

推し量ることさえ困難な、隠れた駆け引きの中、王も苦笑して答える。


「よかろう」

「サンキュー。で? こっちは?」

笑顔でお礼を言って。サターンが持ってきたもう一つの道具を指差す秋。

「原始的ではありますが、嘘つきと正直者をこの紙に書いて、引いたものをそれぞれの配役にしていただきます」

驚き、そして落ち込んだ様子の秋が口を開く。

「せめて、せめてルーレット……」

どうやら、もっと未来的な機械を見ることができると期待していたらしい。

嘘つきのカードが一枚と、正直者のカードが五枚、合計六枚のカードがサターンの手で作られる。


「早う席につかんか」

準備に予定より時間がかかったことで、苛立っている王の怒号が、書斎の全域まで響いた。

ピシッと姿勢を直し、おちゃらけていたジュピターとヴィーナスも、慌てて席に着く。

全員の着席を確認して、サターンがカードを配り始めた。

幾度となくシャッフルされた六枚のカードが、伏せられた状態でそれぞれの前に、一枚ずつ置かれていく。

もはや、どれが嘘つきのカードかを知るものはいない。

そのはず……。

最後の一枚が、マースの前に配られた時。書斎は一気に静まり返り。

サターンの言葉が、沈黙を破る。


「ゲーム開始です」


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