ルール
ゲーム内容──花言葉しりとり。
ルール──現在不明。
発案者──秋。
対戦者──四季。
観覧者──王様。夏。春。冬。
賭けるもの──人権。
天井に付けられたシャンデリアが王室を明るく照らす。
そのシャンデリアの真下に向かい合った椅子が二つ。
用意させた五つのうちの残りの三つは、二つとは離して横一列に並べられた。
これだけ広い城に、だが使用人も誰もいないのか。
準備を始めた四季を秋たちが手伝った。
「他に用意するものはなんじゃ」
終始王座に腰掛けていただけの王が、まるで自分が用意したかのように、次を聞いてくる。
「いや、それだけでいい」
その言動に怒りの視線を向けながら、秋が返す。
「ちなみにぃー四季たちは花言葉って知ってるのぉー?」
「アスパラガス……いえ、苧環ですか?」
謎の解答に、笑うように表情を変えたのは、夏と秋だけ。
「へぇー。問題無さそうだな」
花言葉を知ってるかという問いに。
──私が勝つ。断固として勝つ。
そう花言葉で返す。
知っていると返すより、挑発的で効果的。
だが──その意味を瞬時に理解した秋もまた、何やら企んでいるようだった。
対面する二つの椅子に同時に腰掛けて。じゃあ──と。四季と秋。
「ルールの説明と行こうか」
先に口を開いた秋。それに合わせて、四季が頷く。
立ったまま近くにいた三人も。
それじゃあわたし達も。と、自分たちの席に着いた。
「普通のしりとりと一緒で、相手の言葉の最後と自分の言葉の最初を繋げていく」
──ふむふむ。ともう一度頷く四季。
それに対して。
にっこりと満面の笑みを浮かべて。
秋は楽しそうに訳のわからない言葉を続けた。
「だが、縛りをする。使っていいのは──花言葉とそれ以外だ」
はぁ? と意味が分からず首を傾げる四季に。
聞いていた夏が、ふふっ。と笑って口を挟む。
「でも、花言葉以外を口にしたとバレたら、負け」
さすが。と、秋が笑って再び話を代わる。
「ルール上相手の負けだと思った時、ダウトとコールする。ダウトが成功すれば、した方の勝ち。失敗したら負けだ」
四季が、頭の中で作戦を組み立てながら、何度か頷く。
だが、もう少し詳しく知りたいと。
「どうなりましたら負けか。厳密にお願いします」
「そうだな──」
頭を下げた四季に。親指から順に指を曲げながら秋。
「花言葉以外を使用する。架空の花等の花言葉を使う。一度出た花を復唱する。一分以内に回答しない。繋げられない回答をする。明らかな反則行為をする。あと、何の花言葉か知らずに回答すること。これぐらいかな?」
──なるほど。
花言葉の部分以外は、ほとんど普通のしりとりと同じというわけですか。
やはり鍵となるのは花言葉と──。
「でしたら、タイマーも必要では?」
顎に手を当てて何やら考えていた四季が、ふと口にする。
あぁ。と忘れていたような表情で秋。すぐに用意させる。
数分後、四季が円卓と小さな電光掲示板を運んできて、秋と四季の椅子の間に、それらを置いた。
掲示板には既に、赤い光で1:00と表示されていた。
「じゃあ、そろそろ」
「ええ。楽しいゲームをしましょうね」
目の奥をギラつかせながら、明らかに作り笑顔で笑い合う二人。
それを見ながら。
「どっちが勝つかなー夏ぅー」
「秋が負けたら、わたし達奴隷になるのよ? 勝ってもらわなきゃ困るわ」
「夏の……せい……」
予想を話し合う三人。
王様は、その光景も含めて、全てを見通し、不敵に笑った。




