絶望への一歩
この章で物語は破滅へと向かいます。
でも、次の章までぜひ次の章も読んでください。
その日は、雲一つない晴れた天気だった。
メラニーとデートの約束をしていた俺、エリック・ブラウンは、何時間も悩んだ末に結論を下した服装で町を歩いていた。
メラニーは、最近とは急激になかよくなった。
彼女の行く場所全部をチェックし、次にどんな行動をするか予測し、先回りして遭遇率を高めたおかげかもしれない。
決してこの行為はストーカーではない。偶然という名の運命によって二人が遭遇しているだけだ。
宝石屋にを行き、彼女にネックレスをプレゼントしよう。宝石屋は、確かこの辺りにあるはずだ。メラニーのためなら、いくらでもお金を使ってあげたかった。
愛しのメラニー。
そう心の中で、呟いただけでも俺の心は破裂してしまいそうなくらいドキドキと音を立てる。
自分がこんなにも人を好きになれるとは思っていなかった。
早く君に会いた……。
頭に考えていたことがぶっ飛んだ。
その時、女の子が空から落ちていくのが見えた。
……。
え?……。嘘だろう……。
大丈夫なのだろうか?
俺は、少女が落ちた辺りに行ってみることにした。
そこにいたのは、血だらけの少女だった。
銀色の髪に、アメジストの瞳。助けを求めるように、手がかすかに動いている。
俺はこの少女を知っている。
俺が殺すべき女、ノエル・ハルミトン。
俺は、ためらいなくノエルを足で思い切り踏みつけた。
少女は、絶望的な瞳で俺を見ていた。
ざまあみろ。バカにするような笑顔を浮かべてやる。
とても、いい気分だった。
どうして今までこんな少女を守ろうとしていたのか少しも思い出せなかった。
ノエルはメラニーを傷つけた最低の女だ。
メラニーを傷つけた奴は、全員皆殺しにされないといけない。
俺の世界はメラニーを中心に回っているのだから。
もしも時間があったなら、まずノエルの手足を切り刻んでいただろう。それから目を抉り取って二度と世界を見えないようにする。ああ、口の中に火を突っ込むというのもいいだろう。耳もちゃんとそぎ落とさなければいけない。最終的には、金属バットで殴りながら殺すというのもいいだろう。
何回か踏み、蹴るとだいぶ殺意が弱まった。ノエルには、アザが何個かできていた。
悶え苦しみながら死ね。
メラニーを傷つけた罰だ。
じわじわと痛みと共に死んでいくのか、この最低女にはお似合いだ。
これからメラニーとのデートだ。
遅れないようにしないといけない。
そういえば、靴が汚れたな。
新しい靴をすぐに買いに行くとしよう。
死にかけたノエルを放置し、エリックは歩き出した。
彼は気が付いていなかった。
自分が絶望への一歩を踏み出していたことに。
読んでくださりありがとうございます。