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prologue
貴方を想うこの気持ちが伝わってしまうのならば、想いよ、果ててしまえ。
咲くならば溢れるように染まる桜の如く。
枯れるのならば一瞬にして凛と我を終える椿の如く。
それでも美しく、誰かの隣で咲いていたい。そう望むのはいけないことでしょうか。
揺れ動く心なんていらない。
真実の愛も虚像の愛もいらない。
ただ、夢を見たいだけ。
夢を見させてくれる“誰か”が欲しいだけ。
“夢”という快楽の中で貴方と眠りたい。そんなことを夢見る私はいけない子でしょうか。