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クレシア  作者: そると
2/2

あの人の夢


夕食の準備をすると、クレシアは飛行艇内にある自室に向かった。


「姉上、おいでですか?」


自室で髪をといていると、ドアを開けて青髪に青い目の少女が入ってきた。

クレシアは、櫛を置いて少女の方を向いた。


「オリシア、会計お疲れ様」


少女はオリシア=イルーニアス。

クレシアの義妹で、実は今は滅んだアクアリスタ王国の第一王女だ。


「姉上、先ほどの件聞きましたよ」

「もうオリシアにまで話が回っていたの?」


くすり、とクレシアは笑った。


「姉上も年頃の女子なのですから、もうすこし女子らしくしてくださいませんと」

「まあ!オリシアまで!」


クレシアはふぅーっとため息をついた。


「姉上、一国の姫でもあるのですから…あ」


そこまで言って、オリシアは口をつぐんだ。


「……申し訳ありません、つい」

「いいのよ、事実なのだから」


クレシアはオリシアの頭を撫でた。

そして、窓の外を見つめた。


「ディディナスの王室を出て、はや8年」


クレシアはにこりと笑う。


あの時から、毎日見続ける夢。


あの人の………夢。




「クレシア、君は素敵だね」




ハッとして我に返る。

オリシアは不思議そうな顔をして私を見ている。


「姉上?」

「なんでもないわ」


オリシアは下がり、クレシアはベッドに座る。


「そうね……あれからもう8年なのね」


そう言いながら、クレシアは肩に手を置いた。


次の回からかなり大きく進みます!

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