彼女の名
初投稿になります。よろしくお願いいたします!
あの日私は誕生祭を楽しんでいた。
楽しんでいたのもつかの間。
運命は私を巻き込み、動き始めた。
あれから8年後。
ディディナス帝国クーレカの森。
ここには、とある船団の飛行艇があった。
周りにはたくさんの兵士たちと、侍女らしき人。
そして、まるで女神のような金色の長い髪を持つ少女がいた。
その隣には、秘書のような者がいた。
「クレシア様!そのような重たい荷物は兵にお任せしてください!」
「駄目よ、兵もこの間の襲撃だくたくたのはず、私が動かなくてどうするの」
話から少女はこの飛行艇で重要な役なのだろうとわかった。
「しかし、クレシア様は女でございますし…」
少女はにらみを効かせて秘書のような男をにらむ。
「私にそのような物言い、しないでちょうだい」
秘書のような男は怯んだのか、なにも言えない。
「わかったら下がって、この荷物は私が運ぶ」
秘書のような男を遮り、少女は荷物を黙々と運んでいった。
彼女こそ、本作の主人公。
クレシア=イルーニアスである。
「お姉さまー!」
クレシアは荷物を置き、声の主の方を振り返った。
「ミリア」
「先ほど、アスディラ様と喧嘩しておられましたでしよ?」
ミリア=イルーニアス。
クレシアの義妹である。
そして、アスディラとは先ほどの秘書のような大きな体の男だった。
「見ていたの?」
「まあ、アスディラ様がよくなさることですし、お姉さまもわかっていたようでしたので」
「あら、心外ね、私が怒ると期待していたの?」
「そ、そういうわけでは…」
「嘘よ、さあ、夕食の準備をしましょう」
クレシアをよろしくお願いいたします!