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『私』の章

心が通じた?自分をなぞって答えを出した気になっているだけだ。

親がいない。

この異常事態も慣れるとそれが普通になる。もう8年もそうしているのだから、ベテランだ。


でも、『もう1人の比奈』がいなければ俺は挫けていた。よく言われたのが大人が好きな子供像だ。



笑顔で素直。

「須藤君、それがコツだよ」


で、お前誰なんだい?と聞いた事がある。

「……比奈の『兄』だった。胎児の時に辞めたがね」

人間は胎児と言う状態になる迄に、色々な動物の形態になるそうだ。元々、比奈は『兄』に吸収される予定であったらしく、ヒナに似た形態で成長が止まったそうだ。

ところが、俺が話しかけた時に、微弱電気を発し感情を示した。「生きたい生きたい、この子と生きたい」

それを感じ取って、

自分自身、別に生まれる事に執着がなかったから、予定を変え吸収される事にしたそうだ。


本来意識を残す予定はなかったらしいが、比奈を抱き上げる俺を見た瞬間、死神がうようよついているのが見えた。

やれやれ、こいつは死ぬ運命だ。せっかく吸収されたのに、無駄になるな。

『ヒナの希望を叶える為に意識を残そう』

ヒナって言うのは、形態を差している。ある意味『あだな』


「だから、『私』は君らが心配だ、特に離れている須藤君が心配なんだ。死んでしまったら残った意味がないからな」


ありがとう。心からそう思う。

心が通じた?自分をなぞって答えを出した気になっているだけだ。

でも、そんな勘違いで社会や家族を築いて行くんだ。

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