表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

EP8 頑張れ北本!

おはようございます!

お付き合いいただきましてありがとうございます。

瀬戸隆平です。

きょう一日、肩の力を抜いて乗り切っていきましょう!

 ソフィアにしつこく迫ってきた東大島鷹志。

 辻獅堂(しどう)はとっさにロシア語で話しかけ、ソフィアを逃がす。

 そのままソフィアをかばいながら中庭まで走った。


 なんとか逃げ切れたが、2人とも息が乱れている。

 獅堂は近くのベンチにソフィアを座らせる。

 ソフィアは、うつむきながら言う。

「ありがとう」

 しかしすぐに獅堂の顔を見ながら、きっぱりと言い放つ。

「でも私、これであなたに、なびいたりなんかしないから」

 獅堂は苦笑いする。

 そして言う。

「ちぇっ、残念だな。それを狙って助けたのに」

 それを聞いたソフィアは獅堂をきつく睨む。

 獅堂は気にせず続ける。

「でも、もう教室で一人でいるのは止めておけ。メイチェンがいるときは一緒にいてもらえ。いないときは俺にロシア語で話しかけろ。仲のいいふりくらい、しておいてやるから」

 ソフィアはうつむいて、小さくうなずいた。


「ところで…」

 獅堂の去り際、ソフィアが聞く。

「なぜあなたはロシア語を話せるの?」

 獅堂は聞こえないふりをして立ち去る。


 教室に戻ってきた獅堂。

 すぐに一人の男子生徒が寄ってきた。

 前の席にいる北本倫也だ。

 アイドル風の金髪に二重の目。だが鼻は低くハンサムではない。

 それでも頑張ってイケメン風を装っている。

 北本が言う。

「おまえ、超おいしいな」

 獅堂は自分を指さして言う。

「俺がか?」

「ああ、おまえだよ!」

 北本がこう続ける。

「ロシアン美女を助けて礼を言われちゃうし、隣の女の子ともすぐ仲良くなっちゃったし」

「女のことばかりかよ」

「そうだよ! 俺なんか、一人も仲のいい女の子できてねえぞ。ああ、死ぬほど彼女が欲しい」

 それを聞いて獅堂は大笑いした。

「なんだよ!」

 北本が憮然として言う。

「悪い悪い!」

 獅堂が謝る。

 そして続ける。

「俺だって女の子に馬鹿にされ鼻で笑われて、情けないもんだよ」

 すぐさま北本がすねる。

「俺なんか笑われさえしてねーし」

 そしてこう続ける。

「それにお前、ロシア語も話せるしな。武器持ってるのってカッコいいよ」


 なぜロシア語を話せたのか。

 それが獅堂にもわからない。


 4月9日。

 入学からまだ4日だ。

 獅堂が朝、教室に入ると、生徒たちの姿がほとんどいなくなっている。

 だがカバンなどの荷物はある。


 教室にいるのは、穏やかな笑顔の小寺孝雄だけだ。

 クセ者だらけの6組にあって、珍しく人格者の小寺孝雄。

 クラスメイト達から親しみを込めて「タカさん」と呼ばれている。


 獅堂は小寺に聞いてみる。

「タカさん、何かあったのかな?」

「うん。4組の生徒が何か大変みたいなんだ。みんな、それを見に行ってる。辻君、一緒に行ってみようよ」

 確かに廊下の向こうから、ざわめきの声が響いてきている。

お読みいただいてありがとうございます。

次回は本日夕方投稿の予定です。

引き続きよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ