EP8 頑張れ北本!
おはようございます!
お付き合いいただきましてありがとうございます。
瀬戸隆平です。
きょう一日、肩の力を抜いて乗り切っていきましょう!
ソフィアにしつこく迫ってきた東大島鷹志。
辻獅堂はとっさにロシア語で話しかけ、ソフィアを逃がす。
そのままソフィアをかばいながら中庭まで走った。
なんとか逃げ切れたが、2人とも息が乱れている。
獅堂は近くのベンチにソフィアを座らせる。
ソフィアは、うつむきながら言う。
「ありがとう」
しかしすぐに獅堂の顔を見ながら、きっぱりと言い放つ。
「でも私、これであなたに、なびいたりなんかしないから」
獅堂は苦笑いする。
そして言う。
「ちぇっ、残念だな。それを狙って助けたのに」
それを聞いたソフィアは獅堂をきつく睨む。
獅堂は気にせず続ける。
「でも、もう教室で一人でいるのは止めておけ。メイチェンがいるときは一緒にいてもらえ。いないときは俺にロシア語で話しかけろ。仲のいいふりくらい、しておいてやるから」
ソフィアはうつむいて、小さくうなずいた。
「ところで…」
獅堂の去り際、ソフィアが聞く。
「なぜあなたはロシア語を話せるの?」
獅堂は聞こえないふりをして立ち去る。
教室に戻ってきた獅堂。
すぐに一人の男子生徒が寄ってきた。
前の席にいる北本倫也だ。
アイドル風の金髪に二重の目。だが鼻は低くハンサムではない。
それでも頑張ってイケメン風を装っている。
北本が言う。
「おまえ、超おいしいな」
獅堂は自分を指さして言う。
「俺がか?」
「ああ、おまえだよ!」
北本がこう続ける。
「ロシアン美女を助けて礼を言われちゃうし、隣の女の子ともすぐ仲良くなっちゃったし」
「女のことばかりかよ」
「そうだよ! 俺なんか、一人も仲のいい女の子できてねえぞ。ああ、死ぬほど彼女が欲しい」
それを聞いて獅堂は大笑いした。
「なんだよ!」
北本が憮然として言う。
「悪い悪い!」
獅堂が謝る。
そして続ける。
「俺だって女の子に馬鹿にされ鼻で笑われて、情けないもんだよ」
すぐさま北本がすねる。
「俺なんか笑われさえしてねーし」
そしてこう続ける。
「それにお前、ロシア語も話せるしな。武器持ってるのってカッコいいよ」
なぜロシア語を話せたのか。
それが獅堂にもわからない。
4月9日。
入学からまだ4日だ。
獅堂が朝、教室に入ると、生徒たちの姿がほとんどいなくなっている。
だがカバンなどの荷物はある。
教室にいるのは、穏やかな笑顔の小寺孝雄だけだ。
クセ者だらけの6組にあって、珍しく人格者の小寺孝雄。
クラスメイト達から親しみを込めて「タカさん」と呼ばれている。
獅堂は小寺に聞いてみる。
「タカさん、何かあったのかな?」
「うん。4組の生徒が何か大変みたいなんだ。みんな、それを見に行ってる。辻君、一緒に行ってみようよ」
確かに廊下の向こうから、ざわめきの声が響いてきている。
お読みいただいてありがとうございます。
次回は本日夕方投稿の予定です。
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