EP16 ランチタイム
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翌日の昼休み。
辻獅堂は夏川美穂との約束どおり、松葉杖の彼女を連れて中庭へ歩いていく。
ベンチまで着くと、美穂の松葉杖を抱えて彼女を座らせた。
「予告通り、弁当、作ってきた」
肩にかけたリュックを外す獅堂。
そこから2人分の弁当を取り出す。
美穂の瞳から涙がこぼれた。
「どうして…」
美穂がつぶやく。
「…どうして、私を助けてくれたの? 【SCORE】をあんなに譲渡して…」
獅堂が言う。
「誰かが夏川をハメようとしている。誰かの都合で変な圧力がかかっている。それが気持ち悪かったんだ」
「言ってることがよくわからない」
美穂が言う。
「俺にも、よくわかっていない」
獅堂が苦笑いする。
それを聞いて美穂は、ため息をつく。
そして、うつむいたまま、言う。
「せっかく助けてくれたけど、次のテストでも、私、同じような点数しか取れない。だから結局、退学になっちゃうかもしれない」
獅堂が言う。
「それでいいのかよ?」
美穂が獅堂に向かって言う。
「悔しいけど、仕方ないよ」
それを聞いた獅堂は両手で頭を掻きむしる。
「仕方なくない!」
さらに獅堂がこう続ける。
「夏川、これから勉強するぞ!」
美穂は思わずのけぞりながら、
「えっ、何言ってんの!?」
と聞き返す。
「勉強して、おまえのテストの点を上げるって言ってるんだよ」
美穂が言う。
「そんなこと、できるわけないじゃない」
「やってみなきゃ、わかんないだろ!」
獅堂が突っぱねる。
まっすぐに美穂を見つめる。
「やるんだよ。見返してやろうぜ」
獅堂のまなざしに、美穂はまた目をうるませながら、うなずく。
「わかった。やる!」
美穂の目に涙が伝う。
獅堂は彼女の頭をなでる。
美穂は声を弾ませてに言う。
「おなか、すいてきちゃった。お弁当、食べていい?」
その顔には笑顔が浮かんでいた。
ふたを開けると、シンプルなおにぎりが二つに、おかずが並んでいる。
卵焼き、唐揚げ、ウィンナー、ブロッコリー、レタス、ミニトマト。
「今まで食べた中で、いちばんおいしいお弁当だよ」
美穂が目を閉じながら、つぶやいた。
次回は明日の予定です。
引き続きよろしくお願いします!




