EP14 竜虎相搏つ
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第三体育館に呼び出され、覆面の男たち5人に囲まれた辻獅堂。
2人を打撃で倒す。
すると3人目の男は獅堂を掴んで抑えようと、体ごと飛び掛かってくる。
だが獅堂にとっては対応可能なスピードだ。
突進をかわしながら、敵の上半身の下に潜り、右のボディブローを入れる。
顎が下向きに下がったところを左のアッパーでとらえる。
そして右のオーバーハンドフックで頭を打ち下ろした。
男は大きな音を立てて床に這いつくばる。
すぐに横に移動する獅堂。
とにかく動きを止めてはいけない。
残りは2人。
すると、フェイスマスクのリーダー格の男が、手下に言う。
「全滅して捕まるわけにはいかない。俺がこいつと戦うから、おまえは倒れた3人の意識を戻して逃亡させろ」
命じられた男が答える。
「わかりました!」
獅堂は、その手下の男の返事に聞き覚えがあった。
1年6組の東大島鷹志の声だ。
フェイスマスクをかぶった東大島は、床で気絶している男たちを起こし始める。
一方のリーダー格の男。
さっきまでの男たちのように、うかつに飛び込んでこない。
獅堂と睨みあったまま、間合いと隙を探っている。
格闘技の心得、あるいは豊富な実戦経験を持っているのだろう。
そしてその正体は、おそらく1年5組のクラス委員・平手大樹だ。
獅堂はステップを踏みながら、敵の体重移動を観察する。
だが体幹が崩れる気配はなく、攻め込む隙がない。
強引に攻めたら、こちらがやられる。
おそらく両者の力は拮抗している。
相当に厄介な相手だ。
対する平手も、それをわかっている。
飛び込んでくる気配がない。
動きなく対峙したまま、じりじりと時間だけが過ぎていく。
すると東大島が声をかける。
「3人とも逃がしました!」
平手が言う。
「おまえも今すぐ逃げろ!」
東大島は体育館の出口へと走り去る。
それを確認すると、平手も素早くターンして全速で逃亡する。
獅堂は大きなため息をつく。
そしてつぶやく。
「逃げ足だけはみんな早いんだな」
そのとき、校舎側の影あたりに、すうっと走り去る小さな影があった。
どうやらその人物は、この秘かな騒動の様子をうかがっていたらしい。
その後ろ姿を獅堂はしっかりととらえていた。
1年6組のクラス委員・緑川綾乃であった――。
次回は明日朝の予定です。
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