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EP11 運命の小テスト

 おはようございます!

 瀬戸隆平です。

 お読みいただきありがとうございます!

 4月14日、夏川美穂のケガが判明した翌日。

 担任教師・富樫由美は朝の朝礼の最後に言った。

「夏川さん、昼休みに職員室に来てください」


 午前中授業終了のチャイム。

 美穂は松葉杖をつきながら職員室に向かう。

 それを横目で見ている辻獅堂(しどう)


 10分後。

 彼女が担任教師の富樫由美に手伝われながら、松葉杖で職員室から出る。

 ドアが締まる

 美穂は元気なくうつむいている。


 歩き出そうとするがその目から涙があふれる。

 美穂は壁に頭をつけ、泣きじゃくる。


 反対側の廊下の柱の影。

 獅堂は身を隠しながらその様子を見ていた。

 ポケットに手を突っ込みながらつぶやく。

「ああ、めんどくせぇ…」


 その翌日は4月も半ば過ぎの15日。

 各科目で小テストが行われる日だ。

 登校してきた美穂。

 うつむいたままで、いつもの毒舌もない。

 口を開くことなく、強張った顔だ。


 その様子を獅堂も黙って横目で見ている。


 すると美穂の席の前に東大島がやってきた。

 後ろには金髪とスキンヘッドの取り巻きを2人連れている。

 おそらく隣の5組の生徒だろう。

 

 美穂は彼らを睨みつける。 

 東大島はまったく動じない。

 両手を腰に当て、仁王立ちする。

 ニヤつきながら、こう言う。

「夏川美穂、おまえ、退学させられそうなんだってな?」

 美穂は真顔になり、

「どうして、それを…」

 と、つぶやく。


「蛇の道は蛇だ。情報くらい、簡単に入るんだよ」

 東大島が爬虫類のような冷たい目で美穂を見おろす。

 そして続ける。

「今日の小テスト、赤点が出たら、もう終わりだ。今までは陸上部での実績に救われてきたが、そのケガではインターハイ予選も出られるわけがない。スポーツ加点はこの先、数カ月ゼロだ。おまえの【SCORE】は学園設定の在籍可能最低ラインを割り込む。懲戒退学決定だ」

 美穂は口を真一文字に結んで、うつむく。

 髪で覆われた顔が、真っ赤に染まっている。

 東大島が、長い脚を振り上げ、美穂の机の上に乱暴に載せる。

 大きな音が響き、美穂がビクッと背中を丸める。

 東大島が見栄を切るように言う。

「ケガをした運動選手なんて人間の価値はゼロなんだよ!」

 とりまきの2人が拍手しながら大笑いする。

 東大島も腕組みしながら高笑いする。


 美穂が突然、席から立ち上がる。

 松葉杖を手に取り、ぎこちなく足を引きずりながら教室を出ていく。

 その目からは涙がこぼれている。


 もう一人、女生徒が立ち上がる。

 クラス委員の緑川綾乃だ。

 東大島を睨みつける。

「なんてひどいこと言うの!」

 と言い捨てるや、すぐに美穂の後を追って、教室を出る。


 それを見て数人の女生徒が、その後を追った。


「けっ、無駄なことを」

 東大島が獅堂の席の横を通り抜けながら吐き捨てる。


 獅堂は何事もなかったように微動だにしない。

 その顔には怒りも哀れみも、感情のかけらさえも浮かんでいない。


 約10分後。

 美穂が、綾乃や女生徒たちに付き添われて戻って来た。

 女生徒たちに支えられながら席に着く。

「私は大丈夫」

 とハンカチで顔を覆いながら彼女たちに言う美穂。

 

 しかし獅堂の目はとらえていた。

 美穂の顔色は血の気がなく青白くなっている。

 泣き腫らした目は真っ赤に充血。

 その瞳の焦点はどこにも合っていない。

 次回は今日夕方の予定です。

 引き続きよろしくお願いします!

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