表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/8

第0話 お先真っ暗

「ごめんなさい!手違いであなたを死なせてしまいました……」


 目の前の美人にいきなり突拍子もないことを告げられた。

 信じられない。俺はさっきまで昼飯のために店に並んでいたはずだ。

 何の変哲もないラーメン屋で死ぬことあるか?


「俺、死んだ記憶ないんだけど、本当に死んだの?」


 女神はバツが悪そうな顔でぼそぼそと何か喋っている。


「だって、あんな惨い死に方の記憶残ってたら絶対しんどいし……記憶を消したのは間違ってないはず……」


 なんだなんだ、俺ってばいったいどんな辛い最期を迎えちゃったの。

 そこまで言われたら気になっちゃうじゃないあなた、教えなさいよ。


「現代であんな死に方…うぅ」


 なんだかイライラしてきたな、こういう時はアンガーマネジメントが大事なんだ。

 1……2……それにしてもこいつ可愛いな……

 3……俺死んじゃったのかぁ。

 3秒で怒りが消えた、アンガーマネジメントのプロかもしれない。


「それでですね、こちらのミスで死なせてしまった方は、異世界に転生させるという決まりになっていまして」


 さっきまでとは違い、はきはきとした説明が始まる。切り替えができる人間で助かるな。いや、こいつは人間じゃないだろ。

 てかルールが出来るくらいミスってんのかよ。


「ミスはたまにです! そうじゃない人もちゃんといます!! 」


 口をとがらせて反論してきた。プンプンという文字が頭の上に見えるくらいわかりやすい。

 なんだこいつ可愛いな……もっと怒ってほしい。

 だがそれでは話が進まないので、聞きたいことを聞いていこう。


「それで、転生ってもう一度日本で生まれ変われるのか? 」

「いえ、別の世界に転生することになります。俗に言う異世界転生ですね」


 神様が俗に言うなよ。


「いいじゃないですか! 日本の人はこう説明したらすぐに理解してくれるんですよ」


 それはそう。異世界送りマシーンのトラックが毎日大活躍。


「あなたの場合は違いましたが……とにかく! さっさと説明して行ってもらいますからね。次の方も待っているので」


 次がいるのかよ、どうりで転生ものが増えてるわけだ。


「さっきからうるさいですよ?! あなた心の中で思ったこと全部口に出てますからね! 」


 おっと、俺の数少ない短所No.50が出てしまった。50もあるんかーい。


「もう……転生させるのやめようかな……」

「それはミスをなかったことにするということですか? 」

「いきなり真面目になるのやめてください……あなたが向かうのは、人と魔族が争う、剣と魔法の世界です。異世界モノのテンプレートみたいなとこです。行けば分かりますです」


 説明が雑さを極めている、さすがにふざけすぎたな。すまンゴ。


「そしてあなたに与える恩恵(ギフト)は『魔力(エーテル)』です。これはまぁ……説明するつもりでしたが、誰かさんのせいでそんな元気もなくなったので割愛します」


 魔力操作か……っておい、名前だけ言われても困るぞ。

 もっとこう詳細とかスキルとかって、あれ、俺の体なんだか消えてないか?

 ちょ待てよ。俺が悪かったからもう少し説明を――


 目の前の女が冷たい目でこちらを見ている。

 いやその、なんか……ごめんなさい。

 薄れていく意識の中で静かに謝罪する。

 次の人生では人を怒らせないように生きます。頑張るぞい。


 目の前が真っ暗になる。

 転生って不思議な感覚だな、これは話のネタになるぞ。最初に消えるのはどこでしょうってね。

 まぁ、話す相手ももう会えないんだけどね。それはちょっと寂しいな。

 視界の次は手足の感覚が無くなった。そのまま全身の感覚が消えていき、意識が薄れていく。

 あとどれくらいで転生できるのだろうか。

 暗闇の中で静かに時が流れる。




 

 どれくらい時間がたっただろうか。

 自分以外の何かを感じるようになった。

 自分の体が新しいものになっていくのを感じる。

 徐々に手足の存在がはっきりとし、体が重く、質量を得ていく。

 

 体の変化が止まったみたいだ。手を握り、自分の存在を確かめる。

 やっぱり体があるというのは落ち着くな。

 それで、いつになったらこの暗闇が終わるんだ?

 もう転生は終わったみたいだけど、はやく見せてくんないかな。

 俺はその場に座り込んだ、動くの怖いし。

 異世界転生はロード時間が長い……っと、心のノートにメモしておこう。


 ……もう30分は待ったぞ。

 待てど暮らせど、ただ時間だけが過ぎていく。

 一つだけ変化があったんだ。足に何かがぶつかってきている、異世界の生き物かな?

 痛くはないから危害はなさそうだ。

 この感触でうちに残してきた自動掃除機を思い出す、元気にしてるかなぁ。


「……」


 どうやら見えないままらしいです。

 これが本当のお先真っ暗ってね。

 あーあ。

勢いで書いています、途中で止まったらごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ