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閑話休題「海の向こう側で」
男「だからぁ、やめとけって言っただろ!?」
相手「……」
男は受話器の向こう側に諭すように告げた。
受話器の相手はしばらく黙っていると小さな声で告げた。
相手「わかりました。上には私から話します。
くれぐれもこの件は内密に。
ちゃんと墓場まで持っていってくださいね。
でないと天間さん…」
天間「わかってるよ、じゃぁ切るからな(ブッ)」
天間は、しばらく窓から見える青空を見た後、何も言わずに電話を置いた。
「あーぁ、こういうのは苦手なんだよなぁ。
しのぶ、ほんと、ごめん!」
その日、アトランタの秋空は何処までも高かった。
その澄みきった空の下で、天間の心は揺れていた。