閑話休題「兄貴の華麗な一日」
「シュッ シュッ シュザッ シャザー!!」
朝のゲレンデ。
ゴーグルを外し、眩しそうに眼下に広がる雪景色に向かって爽やかに微笑む青年は、
「涼介」と書いて「爽やか」と読むことを許されるのは、この男だけだろう。
事件の後、休暇を取得し少し早い北国のバカンスだ。
涼介「おーい、大丈夫かぁ?」
女性「もう、お兄は、は・や・い♡」
涼介「フユ、ごめんな。いろいろあって大変だったからさぁ」
フユ「例の事件の事でしょ?
女性社員の間で噂になってるよぉ。
騎士さまが現れて女性社員を救ったって。
あれ、『私のお兄』の事なんて、
フユ、みんなに自慢しそうになっちゃった♡」
涼介「まあね。でもこれは会社の極秘事項だから我慢してな。フユだから話したんだから、二人だけのヒ・ミ・ツ、な?」
フユ「も〜♪わかってるぅ♡」
涼介は新しい妹、「フユ」こと、安藤冬美と今年初のスノーボードに来ていた。
昨夜は彼女と二人、お洒落なブティックホテルで楽しい時間を過ごしていた。
当然、二人は兄妹なのでシャンパンで乾杯。何もない。
涼介「さあ、今日は思いっきり滑るぞ〜!」
フユ「お兄、待って〜♡」
新しいシーズンのスタートに、涼介は心躍らせていた。
(なんのシーズン??)