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これが一目惚れ・・・!!


おおおおおおおお・・・!


見たことのない植物・・・、見たこともない動物たち・・・!!

そして、あそこに見えるは・・・見えるのはああああ・・・!!!


ふと気が付けばすでに上空を遥かに飛んでいた翼竜の群れの一匹に瞬間移動していた。

突如、群れの中に現れた人間に翼竜たちは何が起きたのか理解できなかった。


「ほほー、この鱗は流線的でなめらかだな。空をより効率的に飛ぶために風の抵抗を軽減するための形状に変わっているのか・・・!甲殻のような部位は見当たらないから、竜というよりは蛇に近いんだな。足の筋肉もある程度退化していることから、地上に降りることはほとんどないということか?それにその翼の形状からすると飛ぶというより・・・そうか、急降下か!そしてその頭の形状から察するに・・・」


背中や翼、足や首などありとあらゆる部位を優しく撫でる様に触り、感触を確かめる。

未だに何が起きているのか翼竜たちは理解できずにいるのか、先ほどから無礼なほどまでに撫でまくっている人間にくぎ付けになっていた。


また触られている翼竜は途中から触られている嫌悪感から、だんだんと気持ちよくなっていったのか、飛ぶ余力が抜けていき、そしてとうとう脱力しきってそのまま地面へ落ちていった。


「おっと、このまま墜落して怪我でもさせてしまったら大変だ。」


死ぬことはないだろうけど、怪我を負ったドラゴンを見るのは見るに堪えない・・・!


落下する翼竜よりも先に地上へ移動すると周囲に生えていた木々を幾本かその場から落ちてくる翼竜の落下地点へと”移動”させ、クッション代わりとする。


そしてその後すぐに翼竜が丁度良く落ちてきた。

目論見通りに木々たちがクッション代わりとなり、ほとんど無傷で着地することになった。


「よし、なんともなさそうだね。よしよし」


落ちてきた翼竜の顎した部分を掻くように優しく撫でながら、翼竜の状態を見渡す。

撫でられた翼竜は気持ち良さそうに撫でられたまま、低く呻る。


が、はっと我に返ったのか撫でてくる人間へと顔を向ける。

そしてすぐさま敵意を剥き出しにし、鞭のような尾で人間を打ち付ける。


裂ける様子も見せず、そのまま直撃したのか大きく吹き飛んでいく。


「かはっ・・・!!」


巨木に体を打ち付けられ、地面へと落下して叩きつけられた。

腹部に感じる痛み、そして喉元から何かががせり上がり、咽る様に血を吐き出す。


「ああ・・・いい・・・!これ、が・・・翼竜の、鞭尾による、打撃・・・か・・・」


明らかに瀕死の傷・・・、たった一度の攻撃でこれほどとは・・・。

あの敵意からして、殺すつもりではなかったみたいだけど、それでもこれほどの威力なら・・・


「本気で、あれば・・・、きっと胴体は切断、していただろうなあ・・・。いいねえ・・・。ゴホッゴボォ・・・」


ポタッポタッ・・・。

ああ、もう少しこのダメージ感覚を味わっていたいが、さすがにそろそろ死ぬな。

不死身の設定にしているわけじゃないし、あっさり死ぬのは不本意である。


「もったいない・・、が・・・仕方が、ゴホッゴホッ・・・。」


と、自らの境地を脱そうとスキルを発動しようとした時、突如として全体が薄緑色の優しい光に包まれ、体中を走る激痛が急に和らぎ、動けるようになっていた。


自分の手を動かし、完全に癒えたことを確認した。

そして暗くなった原因を確認するために、周囲を見渡すと遠くの方に明らかに幾人かの人たちの姿が見え、そのうちの1人がファンタジーでよくある魔法を発動していた。


「回復魔法ってやつかな・・・。」

「大丈夫か、そこの黒髪の青年!今すぐ助けるからな!」


リーダーらしき人物が他2人に声を掛け、そのうちの1人が弓を構え、狙いを定めている。

そして、少しの間を置かずに矢を3本放ち、それが全て夜澄の後方にいた翼竜に直撃するが、そのなめらかな流体に突き刺さることなかったが、痛みはあったようで翼竜は悲鳴のような鳴き声を上げる。


続けざまに大斧を持った巨漢が一気に飛び上がり、そのまま大きく振りかぶる。

それを尾で綺麗に受け流し、攻撃をいなし、大きな隙を見せた巨漢を鞭尾で打ちつけ、吹き飛ばす。


だが、後方で魔術を詠唱していた術死が杖をかざし、


「<炎の槍(フレイム・ランス)>!!」


槍の形をした炎を翼竜へ向けて放ち、それが胴体へ直撃し、翼竜は大きく仰け反りながら倒れた。


「青年!今のうちにこっちに来るんだ!いそい、で・・・ヒッ?!」


リーダーらしき人物が必死にこっちに手招きをする。

が、手招きしている手が止まり、そこで初めてリーダーは自分が今から助けようとしている青年の顔が見えた。


僕は一体どんな表情をしていたのかはわからないが、おそらくそれほどひどい顔をしていたんだろう。

なんせ、私の目の前で大事な大事なドラゴンを攻撃したのだから・・・。


例えそれが僕を助けようとする行動であったとしても・・・


「おい貴様ら、よくも僕の目の前で愛しいドラゴンちゃんを傷つけたな?」

「え?いや、それはだって君を助けるためであって・・・」

「そ、そうよ・・・!疾蛇竜(サーペントワイバーン)が相手なのよ!?」


ほう、疾蛇竜というのか。

やはり名前の通り、蛇よりの竜ってことか・・・。実に素晴らしい・・・!


だが、


「お気持ちは感謝するが、僕はそんなこと頼んだ覚えはない。これ以上、あの子に危害を加えるなら容赦はしない・・・」

「「「「ヒィッ!?」」」」

「ぎゃう・・・!?」


攻撃の手を止め、その場をゆっくりと後退りしながら逃げるように走り去っていった。

取り残された疾蛇竜は明らかに様子が変わった人間に恐怖を覚え、痛む体に後退りする。


人間がしてはいけないような恐ろしい表情で傍までより、自らの死を覚悟した瞬間、胴体に感じていた痛みが瞬時に消え、体中が楽になった。


「よし、これで大丈夫だよ。怖い目に合わせちゃってごめんね、ほら群れにお戻り。」


そう語り掛けてくる人間の表情は先ほどとは打って変わり、慈愛に満ちた優しい眼差しにさっきまで恐怖で埋め尽くされていた心がすっかり抜け、どこかくすぐったいような甘い心情が沸いてきた。


「きゅるるぅ・・・」

「こらこら、くすぐったいぞ。ふふふ」


疾蛇竜は感謝の意を込め、そっと舐めた後に翼を広げ、群れへと戻っていった。


その後ろ姿をその目に焼き付け、姿が見えなくなったころ、胴体に走る強烈な痛みに膝から崩れ落ちる。


「はあ・・・はぁ・・・、くそ、目が霞んで・・・スキルが、うまく、はつ、どう・・・」


そのまま地面に倒れ込む。

薄れいく意識の中、ふと視界の隅に見えた淡いピンク色の体色を持った巨大な何かが近づいてくるのが見えた。


(あのシルエットは、ドラゴン・・・に間違いない・・・。

こんなところで、意識を失う、わけには・・・あの、ドラゴンを・・・ああ・・・)


『あなた、は・・・!?しっか・・・して・・・だ・・・!』


ああ、美しい声・・・。人語を解すドラゴンなんて・・・

シルエットから・・・明らかにその御身も、美しいはずだ・・・。


ああ、これが、一目惚れ・・・なのか・・・。


それを最後に、夜澄は意識が途切れた。



~ 今回現れたモンスター ~


竜種:疾蛇竜(サーペントワイバーン)

脅威度:Aランク

生態:空を飛ぶことに特化したドラゴン。飛ぶことに特化しているため、体重が限界まで軽くなっており、両翼は滑空しやすいように収納しやすいように鋭く尖っており、また足が大きく退化しており、小さな翼のような形状をしている。

彼らは5~7匹の群れで空を飛んでおり、空から滑空して獲物を捕食する。主に魚を主食としており、滅多に人間たちを襲うことはない。が、脅威が迫ると群れをもって、その素早い滑空で敵を切り刻む。

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