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わたくしはあの人を心から愛しているんですの。

詳しい性的な描写はNGということを忘れていたのでカットしました!

なので大変申し訳ありませんが、どうかご了承いただければ幸いです。


・・・助かったぁ


浴槽から出て壁に掛けてあるタオルを手に取り、濡れた体を優しく吹いていく。

その後、ハルネが用意してくれていた薄く透き通っているネグリジェが目に入る。


その編み目は細やかなレース状の模様になっており、一目見てそれは世の中でいう殿方の殿方を反り立たせるための大事な勝負服であるということはレイラでも察することができた。


これに似たものを娼婦の方々は来て相手をしているんですのね。

そ、それにしては生地も薄すぎやしませんこと・・!?


お胸の部分は細やかな装飾品のような模様状になっているけれど隠れていませんし、袖やワンピース部分はほぼほぼ透明に近いですわ・・・!


こんなもの・・・、こんなもの・・・!


「・・・あっ」


生地の肌触りがとても心地よいですわ。

とても高品質な下着ですのね・・・。


「・・・。」


そして次に手に取ったのはほぼほぼ紐状の下着。

唯一、三角状に生地が広がっている部分はあるがその部分は局部ではなく、前方部分の方を覆い隠す様にある。


つまり、大事な局部は一切隠さず、ただそこにほぼ紐に近い生地で微かに隠れているだけに過ぎない。

ほんの少しでもずれてしまえば、レイラは丸見えになってしまう。


「本当に・・・本当にこんなのを着るんですの・・・!?」

(レイラお嬢様、そのネグリジェならばヨスミ様もイチコロ間違いなしで御座います!)

(ハルネ!?まさかわたくしの脳内に直接・・・!?)


意を決してそのひも状のパンツに足を通すとゆっくりと腰まで紐を上げる。

腰のくびれ部分まで紐を上げ、彼女の局部を微かに覆い隠す。


「・・・パンツを履いた感じが全然しませんわ。もうほぼ丸出しではありませんの!」


顔を真っ赤にしながらもアタフタしながらその黒いレース状のネグリジェを着終え、化粧台の前に座る。


鏡に映る自分の姿に改めてこれからヨスミとしようとしている営みの事を想像させ、またもや顔を真っ赤にさせながら、両手で顔を覆い隠す。


「・・・ダメですわ。この調子じゃ、あの人をいつまでも待たせてしまいますわ・・・!」


これで何度目かはすでに忘れてしまったが、改めて意を決して化粧台に置かれたとある小さな入れ物を手に取り、蓋を取って中に入っている白いクリームを指でなぞり、鼻、頬、額などに丁寧に塗っていく。


満遍なく塗り終えたら、今度は別の入れ物を手に取り、蓋を開くと花の蜜と薄い薬草の爽やかな匂いが漂う薄いピンク色のクリームを指でなぞって手に取ると首を塗り、薄いネグリジェの生地を捲って腕や腹部、そしてすらっと伸びた両足に隈なく塗っていく。


全てを塗り終え、使ったクリームは蓋をして元に戻す。

その時、鏡に映る自分の嬉しそうな笑みを浮かべる表情が目に映った。


「・・・うふふ。他の令嬢の方々も、意中の御方を部屋に招き入れ、事に及ぶ際にはこんな風に相手の方を思いながら準備をしているのかしら。とても幸せですわ・・・。すっごく胸が躍りますの・・・!」


鏡を見ながら何度も何度も嬉しそうに笑う。


こんなにも乙女な気持ちになれるなんて、思ってもみませんでしたわ・・・。

これからわたくしはあの人と繋がれるんですの。


今まで勇気が出なくて、手を握ったりするだけでしたけど・・・。

でも、もうそんな弱虫な自分とはおさらば致しますわ。


あの人になら、わたくしの全てを捧げられる。

わたくしの全てを受け入れ、愛してくれると信じられる。


そんな人とわたくしは恋仲で、恋人で、そして・・・愛する旦那様なのですわ。


その手を取って、どこまでも走っていける。

あの人の隣に立って、どこまでも一緒に歩いて行ける。


それがどれほど幸せか。

それがどれほど幸運か。


そんな人と出会えたことが、わたくしが生きてきた中で一番の幸運だと断言できますわ。

これがまさに、運命の出会い・・・というものかしら。


もう、わたくしに迷いはない。


そう覚悟を決めた瞬間、扉がノックする音が部屋に響く。

それがヨスミであるとすぐにわかった。


その瞬間、胸の鼓動が一気に高まるのを感じる。

うるさいとさえ感じる自分の心臓音は、浴室でハルネに使用された専用の石鹸の効果も相まって体の火照りを加速させていく。


レイラは立ち上がると、扉の前にやってきた。

扉の向こうには愛しいとさえ感じるヨスミの気配があった。


「レイラ?僕だよ、ヨスミだ。そろそろかなと思って君のいる部屋に来た、んだ・・・けど・・・」


ヨスミが小さな声で話している最中に、レイラは扉の鍵を開けてゆっくりと開く。

彼が最後まで言い切る前に、彼の赤い瞳にはレイラの妖艶な姿が映し出されているのが反射して見えた。


彼がすぐさま顔を背けるが、確かにヨスミの頬が赤く染まっているのがわかった。

それだけでどれほど気持ちが昂ったか、彼は知らないだろう。


自分のこの傷だらけの体を見て、ヨスミは確かに欲情してくれたのだ。

服を着れば【完璧な淑女】であるが、服を脱げば【路地裏に棄てられた娼婦】のような自分の体。


他にも魅力的な女性の体はいくらでもいる。


だがその中で彼は確かに自分の体を魅力的だと思ってくれているのだ。

それだけでどれほど自身の自尊心が癒されたか、彼は知らないだろう。


「あなた・・・。」


自然と涙が零れ、微笑みを向ける。

ヨスミはそんな彼女の様子に気が付き、照れくさそうに微笑み返した。


「レイラ、すごく綺麗だ。とても美しいよ。」

「うふふ・・・、ありがとうですわ。さあ、こちらにいらして・・・。」


レイラはヨスミの手を取り、部屋の中へと入れる。

ヨスミはそのまま扉を閉めると鍵まで掛けた。


そのままレイラを抱き寄せ、キスをした。

まるで彼女の口を貪るように何度も何度も甘いキスを交わし、腰に手を回して彼女の姿勢を楽にさせる。


そのヨスミの気遣いだけでも彼女の気持ちの高まりは十分に昂らせてくれる。

すぐ横の壁にレイラを押し当て、ただひたすら甘く深いキスを続けた。


あまりにも夢中になりすぎたのか呼吸を忘れるほどまで続けてしまい、互いの息遣いが顔にかかる。


とろんとした目でレイラはヨスミを見上げ、ヨスミは堪らずレイラの腰に回した腕に力を入れて彼女を持ち上げた。


「もう、いきなり持ち上げるなんて驚きましたわ。それに鍵まで掛けるなんてビックリですの。」

「今夜は誰にも邪魔されたくないからね。」

「まあ、それほどわたくしを求めてくださっているのですの?」

「当たり前だ・・・。そんな君の姿を見せられたら我慢なんて出来ないよ。それにこの甘い香りだって、僕の理性を簡単に壊してくる・・・。」

「だって、そのつもりなんですもの。うふふ」

「全く、君という人は・・・。」

「あの、わたくし・・・その、こういったことは初めて、なんですの。だからその・・・や、優しくしてくださいまし・・・。」


上目遣いをしながら、とても不安そうな表情でヨスミの顔を見上げてくるレイラの姿に、ヨスミは生唾を飲み込みながら、震える息でため息を吐いた。


「もちろんだよ。ただ、その・・・僕の理性が抑えきれず、もし君に粗相な真似をすることがあれば・・・」

「大丈夫ですわ、あなた。わたくしの全てを受け入れてくれたあなたにならどんなことだって受け入れますわ。いえ、受け入れいたいんですの・・・。だから、いっぱい可愛がってくださいまし・・・。」

「・・・ははっ、こりゃあとことん僕の理性をぶっ壊す気だな?」

「うふふ。・・・さあきてくださいまし、ヨスミ・・・。」

「ああ、レイラ・・・。」


レイラをベッドに降ろすとキスをしながら押し倒し、手が絡み合うように握る。

ヨスミはレイラの耳、首に軽く口付けをすると彼女から甘い声が上がり、その反応を見ながら出来るだけ傷痕に痛みが行かぬよう優しく体に触れていく。


彼が見せる気遣いとどこまでも深い愛情が全身から伝わってくるのがわかった。

その度にレイラはとめどなく溢れてくる幸福感に心が満たされていく。


そして二人は何度もキスを交わし、手を繋ぎ合い、そして2人にとって決して忘れられない初夜を迎えた・・・――――――。






「ねえ、あなた。」

「ん?どうしたんだい?」


2人は共にお風呂の浴槽に入っていた。

レイラの背後からヨスミが彼女を抱きしめるような形で入っており、レイラはヨスミへ自分の体を預けるように傾けていた。


「前に言っていた、あなたの昔の事が聞きたいですの。」

「そうだね。それじゃあせっかくだし、話そうか。」


その時、ヨスミの方から手を絡めるように握ってきたことに若干驚いたが、彼の話の邪魔をすまいと表情には出さずにいた。


「まず君に伝えないといけないことがある。僕は転生者、異世界から転生して来たんだよ。」

「異世界?転生者、ですの・・・?」

「ああ。そこはこの世界にあるような魔法なんてものはなく、ドラゴンや魔物だっていなかった。ただ鉄でできた自動で動く乗物、天高く聳え立つ大きな建物が連なり、インフラだってこの世界とは比べ物にならないくらい発達していた。そんな世界から僕は来たんだ。」


いきなりそう話す彼の表情は見えない。

ただ密接している彼の体から伝わる心臓の鼓動の高まりを感じた。


「さっきも言ったけど、その世界にドラゴンという高貴な存在はいなかったんだ。そういった存在は空想上の生物とされていてね。その世界の歴史から、その存在はどこにも登場しなかった。だから僕は目指したんだ。ドラゴンがいない世界に生まれてしまったのならば、ドラゴンを生み出してしまえばいいってね。」

「・・・なんだかとんでもない事を仰っているように聞こえるのは気のせいですの?」

「あははっ、今思えば確かにそうだね。本当に現実的なものじゃなかった。決してね。誰もがありえないと、狂っているとさえ罵られたこともあったよ。唯一の理解者であった妹は幼いころに自殺してしまい、手に負えないと両親からも見放され、僕はずっと天涯孤独だった。それでも、僕は決して諦めなかった。いつしかこの手でドラゴンを生み出すんだってね。必死に勉強して、勉強して・・・。生物学や歴史、医師の免許など、必要と思われることは全てやった。その頃には完全に変人扱いさ。でも、そんな中でも僕の事を理解してくれた人がもう一人いたんだ。僕を決して一人にさせず、放っておかず、常に話しかけてきた彼女は君と同じ瞳の色をしていた。」

「・・・その人が、あなたの心を繋ぎ止めていた御方ですわね。」

「そう。彼女の名前はユウリ。僕が初めて人間に興味を示した数少ない人物の1人。彼女と婚姻を結び、そして最愛の妻になった。それからは2人で龍誕計画(プロジェクトドラゴン)なんて計画を立てて世界中を飛び回りながら遺跡を調査したりして、ドラゴンの痕跡を探し続けたんだ。だけど、その最中、ユウリの幼馴染だった人物の罠によって僕が死ぬはずだったところを彼女が身代わりとなって死んだんだ。」

「・・・・・。」


その瞬間、ヨスミの鼓動が一気に跳ね上がり、握っていた手の力も微かに強くなったのを感じる。

思いっきりに握ってこなかったのはきっと手を痛めるだろうという配慮が見て取れた。


故に、レイラは逆にヨスミの手を思いっきり握り返した。


「・・・ありがとう。」

「うふふ。でもそうなるとあなたは一体何歳なんですの?妻までいたとなると今のあなたからはそのような歳には全然見えませんわ?」

「ああ。この世界にくる際、神様にお願いして今の容姿になっている。実はね、僕の精神年齢は83歳のお爺ちゃんなんだよ?」

「まあ!そうだったんですのね!」


その時、レイラが何かに納得したかのように勢いよく振り返る。

その瞳にはキラキラ輝かせており、偽っていた自分への軽蔑とかそういった雰囲気は一切なかった。


「これでようやく納得しましたわ!度々わたくしの事を子ども扱いでもしているかのように頭を優しく撫でてくるその理由はそれだったんですのね!」

「あはは・・・。つい、ね。でも嫌じゃないかい?外見は若くても中身が83歳のお爺ちゃんが相手だなんて・・・」

「あなた、わたくしを見くびらないでくださいまし。たかが中身がご高齢の方だったとしてもわたくしがあなたを思う気持ちは揺るぎませんわ。それに、世の中にはエルフ種やドワーフ種などの見た目と実年齢が一切伴わない方々がいらっしゃいますのよ?」

「・・・そういえばそうだった。」

「うふふ、たとえあなたが100歳でも1000歳でも心からあなたを愛する自信はありますわよ?」


そう言いながら彼女は嬉しそうにはにかんでくる。

その表情がとても愛おしく感じられ、自然と彼女の体を抱き寄せていた。


「でもそこじゃないんですのよね?あなたが心配している部分は。」


だが抱き寄せていたレイラから的を射たかのような発言が飛んできて、また心臓が跳ね上がる。


「あはは・・・、なんでもお見通しなようだ。」

「当たり前ですわ。なんてったって、あなたの ”良き妻” なんですもの。」


そういってどや顔を決めてきたレイラ。

その仕草さえも可愛らしく思えてしまう。


「・・・そうだね。君は本当に僕にはもったいないくらいの素敵なお嫁さんだ。」

「もうっ・・・、もったいないだなんて言わないでくださいまし!もし、その先を話すのが辛ければ別に・・・」

「いいや、君に隠し事はしないっていったでしょ?後になって聞かされて、この関係に亀裂を入れたくもないからね。言えるときに言っておかないと。」

「あなたがそういうのなら止めはしませんわ。大丈夫、わたくしを信じてくださいまし。」

「・・・ありがとう、レイラ。」


そして彼は意を決したかのようにレイラと向き合うと、ゆっくりと語り出す。

彼が妻であるユウリを失い、狂人となった彼が行ってきた恐ろしい実験について・・・―――――。



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