表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
239/517

・・・世の殿方は足を使うって本当ですの?

ごめんなさい、この話ではムフフはありません。

次の話であるかと言われたら・・・・、頑張ります。


「・・・ねえ、ハルネ。」

「はい、レイラお嬢様。いかがなさいましたか?」


病室のベッドの上で横になっているハルネ。

今現在、彼女は錬金術師らが作った高品質のポーションに浸してある包帯が傍に置いてあり、その浸してある包帯を患部に当てるように巻かれている。


今そこにあるのは代えの包帯だろう。

1日に6時間ごとに交換しているとのことで、レイラ同様重傷であることは明白だった。


そんな彼女は今、もうすぐで交換する時間なので起きていたとのことだった。


「その・・・」

「・・・?」

「こ、今夜・・・、わたくしはあの人にこの身を捧げようと思うんですの・・・!」

「ぶっ!?」


突然の宣告にハルネは思わず吹き出してしまい、そのせいで全身の痛みを誘発したようで呻いている。


「ちょ、ハルネ・・・!?大丈夫ですの!?」

「ぐぅ・・・!レイラお嬢様・・・!少々お待ちくださいませ・・・!」

「え?ハルネ?一体何を・・・ちょっとハルネ!?」


とハルネは突然上半身を起こし、固定されていた肩の石膏ギブスを外し始める。


「何をしているんですの!?あなたの傷はかなり酷いんですのよ?!お医者様にも暫く絶対安静にって言われていたんじゃなかったんですの?!」

「レイラお嬢様の、今世最大の最重要イベントが行われるというのに、ただベッドで安静になんてしていられません・・・!!!今からレイラ様の自室へ参りましょう。ヨスミ様、聞いておられるのですよね?さあ、今すぐに私とレイラお嬢様を自室へ移動させてくださいませ。」

「ハルネ!?ちょっとハルネ!?」


レイラの言うことを一切無視し、どこかに向かって話すハルネ。


だがその言葉はしっかりとヨスミに届いていたようで、次の瞬間にはレイラとハルネはレイラの自室へと<転移>で移動させられた。


「【八傀螺旋ノ鎖蛇(ヤマタノオロチ)】!!」


ハルネは腕を動かすことができないため、腰から<鎖蛇(オロチ)>を8体全て出現させる。

初っ端から全力を出したハルネにレイラはただただ慌てる事しかできなかった。


「ハルネ!?落ち着いてくださいですの!それだとあなたの傷が・・・」

「私の傷なんてしょーじきどうでもいいのです!これからレイラお嬢様に訪れる一大イベントが何よりも大事なのです!もしもこれで私の命が尽きるのならば、それこそ本望です!!」

「そんなことを本望になんてしないでくださいましぃ!」

「レイラお嬢様!そんなこととはなんですか!あなたが口に出して発言したその言葉がどれほど重いかお分かりなのですか!?さあ、こんなところに立ってないでまずは入浴から始めます!」

「わたくしはハルネの命が大事なのですわぁ!!」


と狼狽しているレイラの服を<鎖蛇>によってあっさりと剥ぎ取られ、素っ裸にひん剥かれた。

可愛らしい悲鳴を上げた後に胸と局部を両手でそれぞれ覆い隠しながらその場にしゃがみ込む。


「ちょっとハルネ!?いきなり何をするんですのぉ!?」

「私を前に何を恥ずかしがっているのですか!?レイラお嬢様はこれ以上の恥ずかしさが伴う重要で神聖な儀式がすぐ控えているのですよ!?さあさあ、そんなところにしゃがんでいないでさっさと行きますよ!」

「え?いやぁー!ハルネぇー、正気を取り戻してくださいですのぉ~!!」

「私はガンギマリ(正気)です!」


<鎖蛇>でレイラの両腕と腹部を巻き付けるとそのまま持ち上げ、自身も<鎖蛇>を使って移動していく。


レイラの自室の奥の扉を開け、そこに広がる大きな浴室。

その浴槽にすぐさま<鎖蛇>を伸ばして口を開くとお湯が流れ出し、浴槽へお湯を溜め始める。


その間にレイラを下ろし、<鎖蛇>の口からお湯をシャワー状に出してレイラの体を濡らしていく。

そしてそれぞれの<鎖蛇>には布、そして花の爽やかな香りのする肌に優しい成分たっぷりのヴァレンタイン公爵家でのみ作られたレイラ専用の石鹸を取り出すと布を使って泡立てていき、レイラの傷だらけの体を優しく摩っていく。


「な、なんだか・・・ん、くすぐったいようで・・・あっ、ん・・・いつ以上に、とても丁寧で、ん・・・っ」


体に残った傷痕を傷つけないように優しく<鎖蛇>を使ってレイラの体の隅々まで洗っていく。

そのせいか、全身にくすぐったいような感覚とはまた違う、別の快感のような物が走る。


「この日のために、前々から準備しておりました。ヨスミ様と行為をなされている間、傷痕で痛みを感じないよう、またより感じやすいように様々な成分を配合させた私特製の石鹸です。」

「いつもと違う、んっ・・・感じがしたのは、そのせい・・・あっ、・・・ですの。」

「はい。その行為に体の傷痕が痛みを感じてしまい、レイラお嬢様にとっての思い出の中に記憶して欲しくはありませんので。後は湯船の中にも数滴垂らしてあります。ヨスミ様との行為中に効果を発揮するはずですよ。」


それからはもう隈なく、それこそ局部から、足の指の間まで丁寧に洗っていく。


「や、ハルネっ・・・そ、そこまで・・・あっ、ん・・・!?」

「我慢してください、レイラお嬢様。」

「で、でも・・・そこは・・・んっ!あん・・・だ、だめ・・・!あうっ・・・!?」


時間をかけてゆっくりと洗っていき、体を丁寧に洗うだけで30分も掛かった。

いや、もしかしたらそれ以上かかっているかもしれない・・・。


「はあ、はあ・・・。・・・ハルネ、もういいですわ。」

「いいえ、まだです。まだ足の爪が半数磨けておりません。指の間だってまだ納得のいくような出来になっていないんですよ?」

「あ、足の指の間って・・・一体どうしてそんなところまで洗っているんですの・・・??」

「それはもう、殿方の殿方を足の指で挟み、それを擦るなんて・・・」

「ちょっとちょっとハルネぇ!?あなたは一体何をおっしゃっているんですのぉ!?」

「レイラお嬢様。世の殿方にはそのようなプレイを望まれる方が多いのです。そんな時、汚れたままの足の指の間で殿方の殿方を・・・」

「あぁー!そんな言い方はおよしなさいですわ!!・・・本当に?」

「いつかレイラお嬢様にこのような日が来ることを見越し、週に1度娼館へ赴き、娼婦の方々に意見をいただいているんです。世の殿方が求める営みの嗜好は何か。その中に、娼婦の足を使って殿方の殿方をしごく行為が上位にランクインなされていました・・・!」

「そ、そうなんですの・・・!?まさかヨスミ様も・・・わ、わたくしの足で・・・ヨスミ様のヨスミ様を・・・ふわぁぁあ・・・」


いつの間にか興味津々なレイラはヨスミとの足で行う行為を思い出し、顔を真っ赤に染まり、煙が頭から登り始めている。


「その辺りの指導・・・もしたいところですが、こういったことは私に言われてやるよりもレイラお嬢様の気持ちで自然な流れで営んでいけばいいのです。さあ、体は洗い終えましたわ。次はその綺麗な黒髪を整えましょう。」

「・・・ふぁいっ」


未だに顔を真っ赤にしているレイラの体に付いた泡を<鎖蛇>の口から流れるお湯で洗い落とし、浴槽には香油が数滴垂らされ、湯船には薔薇の花弁が散らされている。


レイラは湯船の中へゆっくりと入り、浴槽の縁を枕代わりに頭を預ける。

浴槽の外に垂らした黒髪を、甘い花の香りがする香油が入った桶に浸した。


髪の毛一本一本を<鎖蛇>を使って丁寧に洗っていき、髪の毛質を傷つけないよう優しく梳きながら香油で綺麗にしていくと、どんどんと髪質が輝き始めていくのがわかる。


その間、別の<鎖蛇>はレイラの頭皮を優しくマッサージしながら香油を使用して時間を掛けながら丁寧に洗っていく。


「ねえ、ハルネ。」

「はい、レイラお嬢様。いかがなさいましたか?」

「・・・わたくし、大丈夫かしら?この体の傷痕を見て、幻滅されないかしら・・・」

「大丈夫ですよ。あの人なら、その全てを含めて受け入れ、愛してくださいます。レイラお嬢様もわかっておいでですよね?」

「・・・不安なんですの。こういったことは初めてですわ。まさかわたくしが殿方を愛し、わたくしの全てを捧げたいと思える日がくるなんて思ってもみませんでしたの。もしこうなることがわかっているなら、わたくしももっとこの体を美しく磨けたんじゃないかって・・・。」


そう不安がるレイラの頬に手を添え、自らの額をレイラの額へとくっ付ける。


「レイラお嬢様。私は今までずっと、何度も申し上げています。体の傷痕は関係ありません。レイラお嬢様の御体は美しいです。一切無駄のないプロポーション、大きすぎず、小さすぎないほど良い大きさの美乳と美尻。腹部は出ておらず、むしろ腰には綺麗なくびれがより体の美しさを際立たせています。すらっと伸びた指、浴槽に浸かれば鎖骨にはお湯が溜まり、毛の処理だって入念に行っていることもあってその無駄な毛は一切生えていないその裸体は女性が目指す完璧な体で御座います。まさに、【完璧な淑女】をその身に体現されているレイラお嬢様には逆に胸を張って堂々としてもらいたいほどです。」

「ハルネ・・・。ありがとうですわ。」

「私はずっとこの日を待っていました。ずっと・・・ずっと・・・、心から待ち望んでいました・・・。レイラお嬢様が心から誰かを愛し、その身を捧げたいと本気で思える相手に出会えたこと・・・。そしてその殿方と夜の営みを行えるほどまど愛情を育んでこれたことが・・・」

「・・・わたくしもこんなことになるなんて思ってもみませんでしたの。だからこの事をハルネ、あなたに報告できることが本当に嬉しいですわ。」

「はい・・・!私もレイラお嬢様の御体を綺麗にして送り出せる名誉・・・とても、とても光栄で御座います・・・!本当に・・・うっ・・・グフッ」

「は、ハルネ・・・!?」


突如、ハルネの体がふらつき、口から吐血しながら倒れそうになるが<鎖蛇>たちが何とか踏ん張り、ハルネの体を支える。


その腹部からは微かに血の香りが漂っていた。

絶対安静な状態なのに、こうしてレイラのために無理をしてくれたことから明らかに傷口が開いたのがわかる。


「ハルネ、もう駄目ですわ。これ以上したら・・・」

「いいえ、レイラお嬢様・・・。この日を何年も、何十年も待ち続けてきました・・・。たかが肩の骨が砕け、体中に幾つか穴を開けられ、内臓にも腐食の傷痕を受けた程度でベッドに横になっているなんてありえません・・・!」

「普通にそれ瀕死の重傷ですわ!!ってかそもそもあなた、もうすぐで包帯の交換の時間じゃないですの!」

「数時間遅れた程度で死ぬわけじゃありません。気合でなんとかなります。」

「何馬鹿な事を言っているんですの!あなた!聞こえていらっしゃいますわよね?!ハルネを今すぐ病室に戻してほしいんですの!このままじゃハルネが本当に死んでしまいますわ!」

「だ、だめですヨスミ様!今私をあんな場所に戻したら絶対に許しま」


最後まで言う前にハルネは姿が消えた。

それを見届け、レイラは安堵したかのように湯船の中に体を沈める。


ああ・・・、ハルネったら。

わたくしのためにあそこまで無理をするなんて・・・。


まあ後は髪を洗い流して出ればいいだけですわ。

そして、その後にはわたくしはヨスミ様に、この体を・・・


「・・・あ、足を使って、ヨスミ様のヨスミ様をこ、擦れば・・・よろ、喜んで・・・ふふぁぁ」


そういって顔から蒸気が立ち上がり、そのまま湯船の中に顔まで完全に沈むことになった―――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ