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第七十六話 カラフルな大勢のモヒカン

 子供たちとフサ子さんは、賑やかに砂場へと向かった。私と秋月くん、ジョージくんはそんな姿を見守りながら、少し離れた東屋のベンチに腰を下ろす。


「楽しそうだねぇ」


 と、ジョージくん。彼は砂場でフサ子さんを中心に自然な輪を作る子供たちを、微笑ましそうに眺めている。


「……そうか? まあ、理乃と真麻は遊んでもらえて嬉しそうだが」


 秋月くんが言う。


「フサ子さん、バブバブ言わされてる……。とっても顔が引きつってるよ。大丈夫かなぁ」


 上司に見張られながら幼児達と本気のおままごと(赤ちゃん役)をするというのは、どんな心境なのだろう。ちょっと心配だけど、今はあの中に加わるよりも、ここで見守っていたい気分だった。


「フサ子ちゃんは、地球の可愛いものに揉まれて丸くなった方がいいんだよ。ただでさえレプレプ星人は刺々しい性質なのに、彼女は輪をかけて酷い。若さのせいもあるんだろうけどね」


 ヨネ子ちゃんが理乃ちゃんと真麻ちゃんとの縁を望んだのは、地球の“可愛いもの代表”との触れ合いによって、フサ子さんを鍛えるためだったのか。


「レプレプ星人って、そんなに怖い人が多いの?」

「うーん、まあ…………全員ではないよ。ヨネ子さんみたいな人もいる。穏健派の人は柔らかめだよ。けど僕は、レプレプ星人って聞くと、やっぱり身構えちゃうなぁ。レプレプの人は外見も威圧感強めだからねぇ」


 そこまで言うと、ジョージくんは秋月くんのモヒカンをまじまじと見つめた。


「何だよ?」


 怪訝な顔で訊くモヒカン男。


「うん、そうだな。秋月くんみたいな感じ。レプレプの男の人たちの威圧感。素の頭の形もまんまこうだし」


 ジョージくんの言葉に、私の好奇心がそそられる。


「そんなに似てるの?」

「うん。擬態解いたら皆モヒカンだよ」

「色は?」

「カラフルだよー。だから集団でいると迫力があるんだよ。あれは視覚への暴力だね」

「へえ!」


 私も先程のジョージくん同様、秋月くんのモヒカンをまじまじと見つめた。


「何だよ?」

「秋月くんはそのままの格好でレプレプ星人に混ざれるのかなぁって」

「……」

「ああ、行けるかも! バレないと思うよ」

「そーなの? 秋月くんすごいね‼」

「……混ざる予定ねーよ」

「きっと綺麗だよ。色とりどりのモヒカン」

「混ざる予定ねーからな」

「じゃあ、想像するだけ」


 カラフルな大勢のモヒカン。文字にするとシュールな感じもするが、映像としてイメージを浮かべると、何とも美しいのだ。


「ふふふ。モヒカン、好きだなぁ」

「……そーかよ」


 妄想しながらつぶやいた私の一言への秋月くんの返しは、ちょっとだけ小声になっていた。

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