ドッペルゲンガー殺人事件 第三号〜第十五号
2023年1月1日 22:00
ドッペルゲンガー連続殺人事件対策本部
「一体何がどうなってやがる!」
ダンッ、と震える拳を机に叩きつける本部長。
怒りと動揺を隠せないのもそのはず。
本日全国の13の地点で頭部の欠損した遺体が発見された。
しかし全てのDNA型と一致する人物は生きている。
ドッペルゲンガー殺人事件だ。
11月2日の発生から約2ヶ月、進展のなかった事件が一気に13件も起きたのだ。
それもすべて、それぞれ関係性の全くない人たちだ。
チカラを使いたかった不完全体による行動だが、不完全体達と地球外知的生命体以外には理解のしようがないだろう。
ーコンコン
混乱で静まり返っていた捜査本部のドアがノックされた。
「失礼します」
と白人の青年が入ったきた。
近くにいた警官が「部外者以外は立ち入り禁…」と言おうとしたとき、警視総監が青年のあとに続いて入室した。
「こっ、これは警視総監殿!」
と一斉に敬礼を取る警察官達。
堂々とした振る舞いで警視総監が口を開く。
「皆ご苦労。強力な助っ人を連れてきた。さ、自己紹介を」
と青年の肩を叩く。
「皆さんはじめまして。
【リチャード・パーカー】と言います。
日本生まれのイギリス人なので、コミュニケーションは全て日本語で大丈夫です」
再度、警視総監が口を開く。
「ドッペルゲンガー連続殺人事件について、大学生探偵の彼の力を借りることにした。
一刻も早い事件解決のため、皆協力してくれたまえ」
パーカーがお辞儀をする。
ーこの男、バビロンの人間である。




