接触③
俺はゆっくりと公安の男に向かう。
当然周囲の隊員が発砲するが弾丸は当たらない。
「うわああああ!!」
公安の男が向かってくる俺に対して小銃を打ち込むが、弾丸は当たらない。
男は相当焦っている様子で、空になったマガジンを装填したまま、カチカチと引き金を引き続けている。
「いただきまーす」
俺は口をカバのような形状に変態させ、公安の男の頭を丸呑みにした。
すると昔からそうであったように、忘れごとを思い出したかのように、男の記憶情報を瞬時に理解する。
今回の作戦「人型未確認飛行物捕縛作戦」の実行部隊員数は総名28名、上の部屋に4名、階下に4名、ベランダに3名、部屋内に11名、外の廊下に5名、公安の男を入れてちょうど28名。
隊員達は目の前で起きた出来事を理解できず硬直しているか、恐怖の限界にきたのか発泡を続けている奴もいる。
「ハハッ!全員連れてくるとかバカかよ!指令室くらい作ってもっと念入りにやれよ」
俺が住んでいるアパートの中に全隊員がいる。
全員処理するのは面倒と思ったが手短に済みそうだ。
俺は窓ガラスを破って外に飛び出し、アパートの上の空気を思い切り圧縮し、そのまま叩きつけた。
悲鳴を上げる暇すらなく27人がぺしゃんこだ。
追手もいないことだし、公安の男の記憶を頼りに、俺の情報を知っている奴らを処分することにした。
意外と数は少なく公安調査庁内部部局調査第一部は5名、第二部は0名、公安の上に存在する政府直轄の秘匿部隊のことまではわからなかった。
俺は公安の男に擬態し彼が乗ってきた車で公安庁舎に向かった。
そこからは簡単だった。認証カードもある。指紋認証もクリア。調査第一部の室内に入る。
ラッキーなことに俺のことを知っている人間が全員いた。
すぐに上司が来て「どうだった!?」と興奮気味に成果を尋ねてきた。
「さようなら」
俺は室内の酸素濃度を7%まで下げ全員を昏睡させた。5分も経てば全員あの世行きだ。
ついでに上司を捕食して秘匿部隊について探ってみる。
どうやらこちらからコンタクトをとることはできないようになっているようだ。構成員数も不明だ。
しかし組織名は知ることができた。
《バビロン》
国内の障害は、こいつらだ。




