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07.第二王女の試練Ⅰ


私は社交などというものからほど遠い存在だった。

憧れるのは騎士や将軍といった、普通の婦女子では到底考えられないものだった。

かっこいいという理由で憧れることはあっても、それになりたいと考える女性は少数派だった。


そんな数少ない女性の中で、更に王族で目指すものは今まで一人も居なかった。


「私にドレスを着ろってことですか?」


先日、王より通達があった。

「皇后に伴い外交に出向き、他国との交渉を学べ」と。

今まで剣以外のことは、からっきしだった。それで良いとも思っていたし、それしかないとも感じていた。

いつかは第一王子が王の跡を継ぎ、私は軍務を預かる身として、第一王子を支えていくのだと。


それがなんだ。急にドレスを着て、母上と共にお茶しに行けとは!

今まではやりたい事をやらせてもらっていた手前、強くは言えないが、それにしても畑が違いすぎる!


私は怒りをあらわにしながらも、母上に従って、外交の準備を進めた。


「母上、このドレスってやつは動きづらくって仕方がない。どうにかなりませんか」

「あら、でもよく似合っているわよ」


母上は嬉しそうに微笑んでいるが、私としては窮屈で仕方ない。

母上のよりもシンプルで、体にフィットしたドレスではあるが、普段着ている軍服と比べればその差は歴然である。


「はぁ~、それで母上、本日はどの国とのお茶会でしょうか?」

「あらあら、アンジュちゃんには、()()()お茶会に見えているのね~。今日は東のお隣のハマーン帝国の侯爵夫人との会談よ~。なんでもご主人が、外交官と話している間お暇だそうで、その相手をすることになったのよ」


結局お茶会ではないか。私は憂鬱な気持ちになりながらも母上の後をついていく

「でもねアンジュちゃん。今からここは戦場になるわ。私の一挙手一投足を見逃さないようにね」

「は?」


そういって庭園のガゼホへと私と母上は足を踏み入れた。

私はこんな平和な場所が戦場に?と母上の言葉を疑っていた。

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