02.巫女の預言
「陛下っ!御前失礼します!」
余命宣告を受けた直後、部屋を訪れる者があった。
その声を聞きながらザイアスは、眉を顰める。
「こんな時に何奴だ!」
1人の兵士が、1人の巫女を伴い部屋に入ってきた。
「アレクシス王に申し上げます。危急の伝達があるとの事で、神殿の巫女をお連れ致しました。」
巫女は入室し、礼をしながらも告げる
「先ほど、女神より預言を授かりましたので、至急で参りました。御前を失礼致します。
預言をお伝えします。
『あなたの名が歴史に刻まれるためには、第三王子を次の王としなければなりません』
預言は以上となります。それでは失礼致します。」
巫女は要件を済ますと足早に去って行った。
3人は呆気に取られていたが、預言の内容を噛みしめながら、それぞれが思考していた。
アレクシスは困惑していた。
「なぜユリウスなのだ……? 私の築いた国を継ぐには、エドワードやアンジェリカのほうが適任ではないのか……?」
王には様々な資質が求められる。
武勇・知勇もさることながら、時には非情な決断をする勇気も。
事実、自身はそうやって一歩一歩、王としての実力をつけてきたと自負していた。
それが何故、若く、控えめで、国への関心が薄い第三王子なのか。
王は決断を求められていた。