04 焼熊
不定期更新です。
PVか100いきました。
ありがとうw
「ちょっ! おいっ!!」
うむ、琥珀同様甘味がある。
氷砂糖の様に甘い。
「琥珀の様に甘過ぎず、丁度いい。少し塩味もする。塩飴に近いか? うん、46点」
慌てて生熊と男の周りに集まり、生熊を食べる男を観察する。
「マジで食っちまったのか?」
「食べる振りして懐にしまったんでしょ?」
「私としては助かったから何でもいいんだけどね」
「確かにな」
冒険者パーティーの3人が話しをしているのに気付いた。
「あ、食べる?」
「いや~生はちょっと……」
魔法使いがひきつった顔で遠慮する。
「焼きたいけど火は無いしな」
「あら、なら助けてくれたお礼に焼きましょうか?」
「マジか? いや~助かるわ」
「いや、助かったのは俺らな。マジで」
「ホント。こんなところで爪熊に出くわすなんて思って無かったもの」
3人が自己紹介をしてくれた。
「俺はマークス=ブレイド。見ての通り戦士なんだが……」
「見ての通り? 折れた剣で戦う戦士なんて珍しいわよね?」
「折れたもんはしょうがねぇだろ?」
「私はチィ=キザクラ。魔法使いよ。好きに呼んでちょうだい」
「ボクはキョウ=タケミカヅチ。後衛でサポートに回る事が多いかな。みんなはキョウって呼んでる」
焼く為の火起こしはチィが魔法で火を着けた。
「自己紹介ありがとう。俺は暗威 魔来だ。俺もチィと同じだ。好きに呼んでいいぞ」
マークス、チィ、キョウの家名は後ろだ。
暗威は気付かず、日本人として家名が前で名乗った。
「それにしても、クライさん強いな」
「そうかい? 俺は食べたいだけで他は考えてないからなぁ」
「その食欲も、かなり異常よね」
「ボク、生きたままの魔物を食べる人、初めて見ました」
「俺はあるぜ」
「ホントかよ? マークス」
真剣な顔で「あぁ」と頷き。
「海で良く獲れる水晶魚の踊り食い」
「それならボクもあるよ。そう考えれば普通なのかな?」
「一緒にしちゃダメよ」
「なぁ、クライさんは何で生で食おうと思ったんだ?」
「いろんな味を探求したくてな」
「味の探求で生きたまま生でいくのか……スゲエな」
「今の所、あの魔石とかいうのが美味いな」
「本当に食べたの? 懐にしまったんじゃなくて?」
「懐にしまって何の意味がある」
「いや、ギルドに売ればいい」
「売れるのか? あんな石ころが?」
「本気で言ってる?」
「本気だよ。俺はこの世界を食べに来ただけだからなぁ」
「……今、この世界を食べに来たって言った?」
「いやいや、この世界に食べに来た、だろ?」
「この馬鹿二人! 論点はそこじゃないでしょ? この世界に来たって事は渡界者!?」
「トカイモンって……あぁ、そういや女神さんがそんな事言ってたか」
「女神!? てことは本物!?」