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#1-6 未来への第一歩





『お疲れさまでした』


 再び真っ暗な場所で女神様とご対面。


「まったく、女神様は最初から最後まで説明不足過ぎるよ。初めから全部教えてくれていたら、もっとスマートに助けられただろうに」


 不満そうにぼやく俺を見て女神様は苦笑する。


『これ以上に手を貸しちゃうとムチャクチャ怒られるんですよ。不可抗力ということで勘弁してください』


「不可抗力ねぇ」


 まあ、うっかりで俺を地獄行きにしそうになったり、謎のビームで幼女にダイレクトアタックして証拠隠滅を謀ったりとかなりムチャをやってたし、これ以上不祥事を増やすのは大変マズいのだろう。


『そもそもコトの始まりは、それまで一度も神を信じたことの無かったはずの貴方が最期のあの瞬間、神に祈りを捧げたのがきっかけだったのですよ?』


「へ……?」


『自堕落でダラダラと生きていたクソッタレな駄目人間が、どうして自分の命が果ててでも目の前の女の子を救いたいと願ったのか……と』


 言い方ァッ!! ……って、まあ間違ってないというか、完全に事実なんだけどさ。


「よく覚えてないけど、あの時はそう思ったんだよ。それに普通は目の前で子供が倒れてたら、そりゃ自分よりその子に助かってほしいと願うもんだよ、たぶん」


 俺の返事に、女神様はとても満足そうだ。


『……と、答えると思いますよ、って最初からお偉いさん達に説明してたのに、どうにも納得してくれなくてですね。んで、実験も兼ねて今回ヨネスケさんにチャンスを与えてみよう……といった感じで御協力頂いた次第なのです』


「メイスケな」


「『………』」


 いや、だから何で最後までこの空気になっちゃうんだよ!?


『いっそのこと改名しません?』


「おおおおいっ!!」


『ふふふ、冗談ですって』


 この方が言うと1ミリも冗談に思えないから困る。


「さて、桐子ちゃんも助かったし、これで思い残すことは無いよ。ありがとう女神様」


 俺の言葉に女神様はニヤリと怪しく笑う。

 どういう意味だ???


『この度は神々の身勝手な御願いにも関わらず、ご協力頂きありがとうございました』


「いやいや、結果的に桐子ちゃんが助かっただけでも十分だよ!」


 正直なところ、事故現場の近くで突っ立ったまま「桐子ちゃんを助けなかった俺」があの後どうなってしまうのか少し気になるところではあるけど、既に自分とは別人なのだから気にしてもしょうがない。


『そして、貴方にお伝えする事があります』


「はい?」


『貴方の勇気に感銘を受けた神々より、オファーが複数届いています』


「オファーって、どゆこと???」


 首を傾げる俺の前で女神様は書簡を取り出しながら微笑む。


『再び転生しても良いという特例ですよぅ』


「えっ! マジでっ!?」


 まさかの超展開キター!!!


 そして俺の目の前に虹色のゲートが4つ現れると、女神様が書簡の内容を読み上げ始めた。


『デデンッ! 第一の門。異世界ソードアンドソーサリーにて、最強チート能力で世界を救う任務』


「おおっ」


 でも、デデンッ! って効果音を口で言っちゃうのはどうかと思うよっ。


『第二の門。異世界ワンダーワールドにて、お姫様を護る王子役』


「うおおおっ!」


『第三の門。異世界リトルスターライトにて、妖精世界で大冒険』


「うおおおおおっ!!」


 どれもこれも確実に超優待遇確定ルートっ!

 やった! これで勝つる!!


 あああっ、でも迷うなー! 妖精の世界が気になるけど、チート能力で無双もオタクの憧れだからな~!


「4つ目はっ!?」


『第四の門は現世行きで、これといった特典はありません』


「なんで急にショボくなったの……」


 一番最後にスカを読み上げるとか、この女神様のセンスがよく分からない。

 だが、いぶかしげな顔で首を傾げる俺を見て、女神様は嬉しそうにニヤリと笑った。


『第四の世界では一匹のにゃんこさんが魂を失い、もうすぐ天に召されようとしています』


「!!?」


『先程はこれといった特典は無いと言いましたが訂正します。今ならもれなく、可愛い女の子からギューっと抱擁されるスーパーチケット付きです』


「うははははははっ!!」


 女神様の説明に俺は思わず爆笑。

 まったく、良い性格してるよなっ!!


 一頻ひとしきり笑って満足した俺は、真っ直ぐに目的のゲートへ向かって歩く。


 今度は振り返らない。


 今度は迷わない。


 俺の道は最初から決まっている。

 振り向かずに、俺は右手を握り拳にして振り上げた。


「それじゃ、行ってくるよ!」


『はい、行ってらっしゃいませ。ご多幸を♪』


 女神様に見送られ、俺は晴れ晴れしい気持ちと共に、ゲートへ一歩踏み出した!!






――― もしもこの世界のすべての猫が転生組だったなら「塩谷米輔の場合」

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