第1章 悲恋 ~ ③ 別れ
いつか、その日はやってくる。
深い悲しみを連れて・・・
「 願 い 」
行かないで・・・
もう少し
ここに居て欲しいの
そうやって
明日も
あさっても
まっすぐに
私を
見つめて欲しい
君のその
やさしい眼差しで
いつまでも
私の心を
あたためて欲しい
・・・こわいの
とてもこわい
いつか
予感している
別れが来たとき
私は
どうなってしまうのか、
ひとときも
私の心から消えない君を
失った時私は
その空虚に
耐えられるのか
こわいの
だからお願い
私を置いて
行かないで・・・
・・・決して
伝えることを許されない
私の
願い・・・
「 サヨナラのために 。」
ツラく
苦しかった恋が
終わりを迎えようとしてる
ずっと
ずっと追いかけてきた夢が
叶わないまま
消えようとしている・・・
君が別の場所へ行く事を
知ってしまった私
君の口から
伝えてくれないのは
やさしさ?
それとも・・・
もうすぐ
君のその背中も、
真剣な横顔も、
少し照れるように
笑う瞳も、
見れなくなる
消えてしまう・・・
・・・伝えられない恋
だから もう
終わっていい
この苦しみから
やっと解放される
そう思えば
涙はとまる
・・・って
そんな自己暗示
全然 効きやしない
だって・・・
それなら何故
私たちは出逢ったの?
彼に出逢って
恋をした時には
すでに障害があった
すでに叶わぬものだった
それでも
彼を追いかけて
優しくされて
夢を見て
そうして過ごした日々が
何事もなかったかのように
もうすぐ
終わってゆくの・・・?
・・・突然、
突きつけられた別れ
残された時間はわずか
答えが見えないまま
今日も私は
笑顔を作る
せめて最後は
彼とキレイに
サヨナラするために・・・
「 サヨナラ 」
終わったんだ
本当にこれで
もう会えないんだ
大好きだった
君に・・・
明日からきっと私は
君の居ない場所に
君の幻を探すだろう
ため息をついては
涙をこらえ
立ち尽くすだろう
・・・君は
わかっていたのだろうか
言葉にできなかった
私の想いを
最後に差し出した君の
暖かい
手の温度だけが
今、
私の心を支えている
ありがとう・・・
君との時間は
私が「生きて」いた
大切な 想い出
そして、
最後に叶えてくれた
キレイな
サヨナラ。
読んでくださり、ありがとうございます!
次回は<第2章 悲しみの迷宮>に入ります。
よろしくお願い致します!