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ワールド=クルーズ  作者: TOTO
ハルシオン
6/14

コロシアム

それから数日後、カグヤに意思確認をしてみた。


「カグヤは嫌じゃないのか?」


「もちろん乗り気ではありませんよ。でも、あまり心配はしてないんです。」


「ん?」


「だって、マモルが助けてくれるのでしょ?マモルは強いですから、きっと助けてくれると信じてます。」


「…あぁ、もちろんだ。絶対にカグヤに嫌な思いはさせない。」


守が自分の意思を確認するように言うとカグヤは微笑んだ。


…ーバチッ


「っ!?」


「どうしました?マモル。」


「いや、ちょっとな。気にしなくていい。」


なんだったんだ?今のは。なんだか体の芯がピリッときたような…。


それからしばらくこの世界のモンスターと戦うことに慣れようとすることにした。


それから半年後。


守は王都にあるコロシアムにいた。


「守、君の強さなら問題ないと思うが気は抜くなよ。」


「わかってるよ、アンセム。」


「…あいつはな、俺にとって家族のようなものなんだ。王族とはいえ、家族を奪われるのは嫌だ。」


「アンセム…」


「でも私にその力はない。だから……頼むぞ、守。」


…ーバチッ


「っ!…任せろ。」


またか。なんなのだろう?あの感覚は。


<<それでは、これより王子の婚姻の是非を問う戦いの儀を開始する!>>


無属性音魔法で開式の宣言が響く。


<<今回挑戦者はただ1人、スイルヴェーン領主の護衛を務める無神守だ!>>


コロシアムのフィールドに出ると、スタンドが観客で溢れかえっていた。その中の貴賓席と思われる一角に王子とカグヤがいた。いつもメイド服しか見てないから、まともな格好してるのを見るのは新鮮だな。


守は、カグヤを見てフッと微笑む。


<<さあ、彼にはまず、4匹の魔物達と戦ってもらうぞ!そしてもしも彼が最後まで立っていられたら、王子が直々に相手をする予定だ!>>


アウェー感がすごいな。まあいい。守が前を向き直すと正面の扉が開いた。


1匹目、あれは…熊か?俺の知っている熊の数倍はあるが。


「いくぞ、思伝。」


熊がこちらに体当たりをしかける。速度も守の知っている熊とは比べものにならなかった。けど!


砂埃を上げて熊が守に突撃し、守のいた位置を通過したあたりでブレーキをかける。


「グォォォオオオ!!」


<<これは、一撃か!?>>


砂埃がだんだん晴れてくると守の姿が消えていた。


「んなわけないだろ。こんな雑魚相手に。」


守は熊の背後に乗っていた。その直後、熊の首が落ちていた。


観客の歓声がさらに大きくなる。


<<一撃は一撃だが、立っていたのは人間だ!>>


続けて熊が出てきた扉から大蛇が飛び出し、熊ごと守を丸呑みにした。


「シャァァァ!!」


「いきなりすぎるだろ…!」


そもそも、さっきの熊を一瞬で丸呑みにできるほどのデカさがあるのかよ。早くも大きさのバランスが潰れかかってるじゃねえか。


「グッ!……邪魔を…するなぁぁ!!!」


<<突如!大蛇の腹が爆発したあ!!こちらの観測ではあの爆発は魔力によるものだそうだ!>>


「チッ、余計な手間をかけさせるなよ。っ!」


ガンッ!!


「ホゥ、中々ヤルナ。」


「次は鬼かなんかか?」


鬼はニッと笑い、少し距離を置く。少し睨み合った後、再び鬼が金棒を振りかぶる。


「そんな間合いで…っ!?」


地面が割れた。え?マジで!?ヤバい、足が引っ掛かった。


「モラッタ!!」


ズンッ!


鬼が追い打ちをかけるも守はそこにいなかった。


<<また、また!無神守が消えた!?まさか、彼は時空属性を使えるというのか!!?>>


「転移魔法カ。ハルカ昔、オマエニ似タヤツガイタナ。タシカ、イクシズト言ッテイタ。」


「あいつもこの世界に降りていたことがあるのか。」


鬼を転移魔法で遠くの地に転移させる。4匹だったか?あと1匹だな。扉から炎が放たれる。


「『空間断裂』!!」


俺の周りの空間とその他の空間を切り離せば問題ないだろう。


<<彼は一体何者だというのか!?時空属性を使えるのはもう間違いないようだ!!>>


炎が止み、扉から最後の1匹、ドラゴンが現れた。ドラゴンは扉から出てきた直後、再び炎を吐こうとしていた。


「…させるか。『ハイパーグラヴィティ』。」


守は超重力魔法を発動しドラゴンの頭を押さえつけた。


「あまり、手間かけさせんじゃねえよ。な?」


守はドラゴンに優しく語りかけたつもりだったが、大分イライラが溜まってたらしい。ドラゴンはガタガタ震えだした。明らかに目が怯えてる。


「さてと、もうこいつに戦闘意思はないか。…おい!降りてこいよ、ホルスト=オレイズ!!」


守は貴賓席の王子を睨み上げた。






魔法の世界で魔法を使ってるやつがほとんどいない。これはどういうことだろう?次からもうちょっと設定を意識しとこう。

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