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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
三章 少女修行~in Gensokyo.
50/67

47 門番~PROJECT T 〜Challengers〜

なんか思い付いたら手が止まりませんでした。久しぶりの連続投稿。


今回の主役は美鈴!?パロディで構成。番外にしないのは一応あれを張っているから。物語で張るものと言えばあれしかありませんよね。大切かどうかは別として。

幻想郷妖怪山の麓霧の湖周辺。

今はとある魔法使いのせいでその建物を見ることは出来ないが、ここに真紅の屋敷がある。

門番 紅美鈴はここで従者暮らしをしている。

幻想郷でも有数の門番。

彼女の仕事は決して世間に知らされるものではない。

我々は、門番の一日を追った。我々の正体は気にしないで頂きたい。



紅美鈴の朝は早い。


Q.朝、早いですね

「はは、御嬢様方は大抵朝にお休みになられますから。その間の警備を疎かにするわけにはいきません」


日が登る前、人々が行動する前から紅美鈴は動き始める。


Q.仕事は今からですか?

「いえ、基本24時間です」


門番はどうやら厳しい仕事のようだ。


「紅魔館の方々は基本夜型なので朝から昼にかけて警備しなければならないんですよ」


格闘の達人でもある紅美鈴からは、か弱き我々が目視出来るほどの闘気が立ち上っていた。

眠っている主人達を守ろうとする意気込みはまさにプロだから成せる業だ。



Q.あれ、居眠りですか?

「いえ、仮眠です。まともに寝る時間がないのでこうでもしないと睡眠が取れません。誰か来れば気配でわかるので心配には及びません」


門の柱に寄りかかって寝る姿はどう見ても熟睡している。だが、我々の声に反応したと所を見ると彼女の言うことは嘘ではないようだ。



昼過ぎ。

時間が昼過ぎになると紅美鈴は屋敷に戻っていった。


Q.これから何をするんですか?

「これから御嬢様達の朝食…時間的には昼食ですかね?を作ります」


紅美鈴は厨房につくとテキパキと昼食の支度を始めた。その流れるような作業はとても門番の仕事の内に入っているとは思えない。


Q.貴女の仕事は門番では?

「そうですけど、メイド長がいないので私達がつくるんです」

Q.メイド長は今何処に?

「まだ居ません。御嬢様の話ではもうすぐ現れるとの話なんですが…出来るだけ早くしてほしいですね」


仕事の多さに流石の達人もてんてこ舞いのようだ。

不意に我々は黒い翼の生えた紅髪の女性を見掛けた。


Q.彼女は?

「ここの司書である小悪魔さんです。彼女が来てからは少し余裕が出来ました」

「やっほー♪映ってますかー?あ、ちょっと!直ぐにそらさな……」


今回、我々は門番 紅美鈴の密着をしているのだ。余計な物を撮る尺はない。


「あれ、おかしいですね…」

Q.どうかしましたか?

「刃物が無くなってるんです。小悪魔さん知りませんか?」

「いいえ、知りません。ピースピー…(我々に向かって)」


誰も予想しなかった完全に予想外の事態に困った紅美鈴。我々はこの困難をどう乗り切るのかと見守っていると、紅美鈴はしょうがないですねと溜め息をつきながら厨房から離れていった。


Q.どちらへ?

「パチュリー様の所です。パチュリー様は錬金術が使えるので包丁を作って頂こうと」


少々大きい扉を紅美鈴が開けると、沢山、と言う言葉ですら補いきれない程の量の本がある部屋があった。

その部屋で我々は紫髪の女性と黒髪の男性がイチャついている様子を発見した。紅美鈴はその二人のもとに向かった。我々もリア充め爆発しろと念じながら紅美鈴に着いていった。


「すみませんパチュリー様。包丁を作って頂けませんか?何故か厨房に無くて…」

「無くなった…?まあ、いいわ。……はい」


パチュリーと呼ばれた紫髪のリア充は、紅美鈴を咎めるのではなく本当に不思議そうな顔をしてからあっという間に包丁を作り上げてしまった。


「ありがとうございます。刃物一式無くなってるので、また後で頂いてもよろしいでしょうか?」

「いいわ」


紅美鈴はそれを受け取り一礼してから部屋から出ていった。紅美鈴と部屋を出る際に後ろを振り向くとリア充どもがイチャイチャしていた。爆ぜろ。と心の中で思うことは自由であると我々は思う。



紆余曲折あったが無事に昼食を作ることに成功した紅美鈴。司書の小悪魔と共に出来上がった料理を長テーブルに運んで行く。

この時、我々はここの主に出会ったので密着許可のお礼も兼ねて挨拶をすることにした。


「いいわよ別に。それより貴方達は食事は済ませた?まだなら空いている席に座って食べてもいいわよ?」


カリスマだ。ここにまごうことなきカリスマがここにおわすぞ。

我々は長テーブルの余っている端のほうに座って感謝しながら昼食を頂いた。




Q.今度は何処に?

「…いいですか絶対についてこないでくださいよ」

Q.何故?

「命の保証が出来ません。ついでに何があるのかも言えません」

Q.わかりましたが、そんな危険な所に行って大丈夫なんですか?

「少しの間なら大丈夫です。むしろ私達だから少しの間だけ大丈夫なんです」


そう言うと、紅美鈴は食事を持って厨房から続く地下室へと降りていった。

時には命を賭してまでやり遂げなければならない仕事があるのは、やはりプロならではだ。




Q.忙しいですね。次は何処に?

「次はお花畑に水をやりに」


お花畑ですか。紅美鈴は何でもしますね。


「何でもは出来ません、出来ることだけです」




Q.今から休憩ですか?

「門番をしながらですけどね」

Q.でも休憩しているようには見えないんですが?


紅美鈴は誰もいない所に拳を突き出したり、蹴りを繰り出したりしていた。


「鍛練です。ハッキリ言って休憩を貰っても使い道が無いんですよね。だから何時も寝るか鍛練の二択になります」


達人が達人たる理由はここにあるのかも知れない。骨の髄まで仕事のことが染み付いている。プロの鏡だ。


Q.正直辛くないですか?

「そうですね…。辛い時も確かにあります。でも仕え甲斐のある御嬢様、優しい明希様にパチュリー様、同じ従者の小悪魔がいればそんなのは何処かへふっ飛んで行きますよ」


紅美鈴は生き生きとした表情だった。それはプロの誇りであり、生き甲斐でもあった。



Q.髪をお団子結びにしてどうしたんですか?

「変装です」

Q.変装の理由は?

「今から食材を買いにいくんですが…いく先で覚えられては不味いからです」

Q.そう言えば屋敷はリアじ…魔法使いが見えなくしていましたね。それと関係が?

「私達はまだ人間に正体を覚られてはいけません。とだけ言っておきましょう。この密着も人里で公開してはいけませんよ」


どう見ても目立つし変装できてるとは思いがたいが、プロがそう言うならそうなのだろう。



店を閉めようとする時間帯、夕焼けを背に紅美鈴は人里に訪れた。


「おう、嬢ちゃん。何にしていくかい?」

「店じまいギリギリに申し訳ありません。…あれと…これとそれください。」


紅美鈴は肉屋で肉を買っていた。紅美鈴が注文したブロック肉を店員は器用に捌き清潔な布に巻き付けて渡した。

紅美鈴がお金を渡す時に肉屋は世間話をした。


「知ってるかい?また子供が刺し殺されたってな。喉を一突きだったらしい」

「そうなんですか」

「恐いよな。子供ばかり殺されているから心配ないだろうけど、嬢ちゃんも気をつけな」


Q.物騒な話ですね

「許せませんよ。子供を狙うなんて卑劣な」


武人として許せないのだろう。弱くて守るべき存在を殺すなんて。


「でも、私には解決することは出来ません。御嬢様の事が第一ですし、現行犯でなけらば捕まえられそうにありませんし」


密着して初めて見せる弱音だった。いくら達人でも出来ることと出来ないこと、優先すべきこととそうでないものは変えられない。



Q.これからのご予定は?

「そうですね。買い物が終わったら昼食に当たる夕食の支度ですね。皆さんもまた食べていってください。きっと御嬢様もそう言うでしょう」


非常にありがたい。

紅美鈴さんの料理はおいしいからいくらでも入りそうです


「はは、食べ過ぎには気をつけてくださいね」


紅美鈴は明るさを取り戻していた。

我々も彼女が戻ってほっとした。




夕食も恙無く終わり紅美鈴は浴場へ向かった。


Q.今から入浴ですか?

「ええ、美容も大切です。私だって女性ですから。……覗かないでくださいよ?」

わかってます。いや、フラグとかそんなのではなく。はい、本当に。ではごゆっくり。


「私なら覗きはあ……なんで何時もそらすんですか、私が映ら」




本当に24時なんですね。

「はい。これからは御嬢様の要望に答えたりして、御嬢様がお休みになるのを待つだけです」

Q.そしてまた日が上る前に門番の仕事につくのですか?

「そうですね。平和な時はこのサイクルで過ごします。密着はこれで?」


あ、はい。我々は流石に24時間はキツいし居られないので。




現在、幻想郷に存在する門番はおよそ紅美鈴ただ一人。

その多くはプロではなくアマチュアすらいない。

プロの門は決して広くなく、なったあとも容易なものでは無い。

それでも確かに、プロの従者はいた。

世間の影に隠れ、プライドを持って門番をするものがいる。

プロ門番。

彼女は、己の矜持を守り今日もまた、現場で働く。



その後、蝋燭と月の光で照らされたバルコニーで主の側に控えていた。そこには、従者の誇りを抱く、正真正銘のプロがいた。



門番 紅美鈴、彼女の朝はまた早い。

活動報告にあるものを加筆


スランプ………!? と、言うのは7割冗談です。忙しいので中々思うように小説を書くことが出来ない状況。構想はあるけど形にする時間がありません。


なので今月(9月)は更新できません。ごめんなさい。




それとは別に。

先週ぐらいに福岡で大⑨州東方祭が行われましたね。それについて詩を書いてみました。





汚れちまった悲しみに

今日も東方の曲を聴き続ける

汚れちまった悲しみに

今日も執筆活動を続ける


汚れちまった悲しみは

たとえばアイシクルフォール -easy-

汚れちまった悲しみは

東方不敗の拳が泣いている


汚れちまった悲しみは

福岡に住んでおきながら

汚れちまった悲しみは

大⑨州東方祭に行けなかった


汚れちまった悲しみに

いたいたしくも怖じ気づき

汚れちまった悲しみに

なすところもなく日は暮れる…




ジーザス!!マジで悔しい。次回は冬にあるそうなので絶対にいきたいですorz

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