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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
三章 少女修行~in Gensokyo.
46/67

43 勧誘~Dreams really do come true.

※お使いの電子機器は正常です。ここは東方魔法録43話のページになります。



私だ。作者だ。先日、“ヤツ”が現れた。


その日、私は友達数十人と海に行った。言わいる穴場と呼ばれる場所で人は少なくて、天気は若干曇りと絶好の海水浴日和だった。

日陰が殆ど無かったり、休憩所を使用するには一人千円払わなければならなかったり(高過ぎだし、商売魂胆見え見えだったから使わなかったが)、バーベキューをするのに私しか火を起こせなかったりすること以外は特に不満は無く、楽しい時間だった。が、そんなことはこの場ではどうでもいい。


その帰りに私は買い忘れと機会が無くて買えなかったジャンプSQを買って家に帰った。バーベキューで腹一杯なのに通常通りの夕食の量を食べ、風呂に浸かった後、心うきうきとジャンプSQを読んでいた。終わりのセラフ面白いよなーと思っている時、ふと、視界の端で動くものを見た。なんとなしにその方を向いた。


黒く、カサカサと動き回り、殆どの人類は生理的に嫌悪するであろうおぞましき生き物。名前を呼ぶのも憚れる“ヤツ”がそこにいた。そう、通称“G”だ。


「うわぁぁあぁあ!!!?」


私は柄にもなく叫んでしまった。だが、私はそこそこ“G”の姿を目撃している。のに関わらず私はビビってしまった。何故か?それは“G”があまりにも大きかったからだ。

触覚の長さを含めると7cmはあった。これはデカイ。通常の3倍…とまではいかないが2倍はある。そんなものがリラックスして漫画を読んでいる時に現れてみろ。マジでビビるから。


私はちょっとだけパニックになり、虫網を取りに行ってしまった。しかし、それは悪手だった。虫網を取りに行っている間に“G”を見失って閉まったのだ。

部屋から出たとは考えにくい。私は殺虫スプレーを取りだし、右手に殺虫スプレー左手に虫網を装備して“G”が出た部屋を徹底的にあらった。


なかなか出てこない。現れたところを中心に徹底的に虫網で突いた。“ヤツ”は“G”にしては厚みがあった。家具の裏に入ることは出来ない。なればベットの下かカンプラの箱の隙間か。

ベットは質素なので“G”はベットに隠れるには下しかない。だが、“ヤツ”は居なかった。だったらカンプラの箱の隙間か本棚の場所か…。

決して諦めずガンプラの箱をしつこく突き続けたそのときだった。


―ガサガサガサ!


「うおっ!」


“ヤツ”がやや不意討ちぎみに現れてきえた。またしても見失ったが、場所はわかった。再びガンプラの箱をつつくこと数分。“ヤツ”に殺虫スプレーおみまいするには丁度いい場所に躍り出た。私は右手の殺虫スプレーを武器の如く構えスプレーを噴射した。


「くらえぇぇぇえ!!!」


―シュウゥゥウ!


見事、スプレーは“ヤツ”に命中。生命力に定評がある“G”であろうと、化学合成物には敵わなかったらしい。次第にその動きを止め、停止した。


「うっしゃあぁぁあ!!!」


だが、私はそれだけでは安心出来なかった。追い討ちに殺虫スプレーをこれでもかと噴き掛けて満足したあと、ビニールに一旦入れた後に外に捨てた。

後で調べて分かったことだが、“G”は知能が高く死んだふりをすることがあるらしい。よって私が追い討ちを掛けたことは間違うどころか正しい行為だったようだ。


長く辛く厳しい闘いだった。ようやく“G”を駆逐し終えた私は安心してジャンプSQを読んだのだった。

皆様も“G”の姿を見掛けたら諦めずに倒すように。でなければ安心して漫画も読むことも出来ないから。






茶番失礼しました。m(_ _)m

デカかったんです“G”が…。

これからが本編ですよw

その前に、この物語ではガールズラブはしません。そんな感じになってもそれまでです。苦手な方でも多分安心して読めます。

「遠い異国に一人旅~♪そんな貴方は異邦人~♪」

「すると貴女は異教徒ね。誰?貴女」


突然金髪の女が現れた。


「突然の訪問失礼。レミリア・スカーレットさん。ワタクシ、八雲紫と申しますわ」


八雲紫はスカートを摘まんでお辞儀をした。美鈴の名前に似てるけど、名前の響きからして明希の父親と同じところ…ジパングと言う所から来たのかしら?


「私の名前を知ってるのね」

「勿論。この館に住む明希・ヘルフィ・水原、パチュリー・ノーレッジ、紅美鈴、小悪魔、それに貴方の妹のフランドール・スカーレットもね」


八雲紫は不適に微笑んで口元を何処からか取り出した扇子で隠した。


「…それで、用件は何かしら?」


名前は人狼に割れてるぐらいだから、ちょっと調べれば私達の名前はすぐにわかる。でも、フランはそうはいかない。普段地下に籠って、名前が広まることはないから。


「そう身構えなくてもいいわよ。今日は勧誘にきたの」

「宗教勧誘ならお断りよ。異端審問に掛けられるもの」

「貴方達。私の創った箱庭に来るつもりはない?」

「……はあ?」


何?わざわざ片田舎から海外に引っ越しの話をしに来たの?

予想外の言葉に私は毒気を抜かれた。


「十八世紀末に英国で産業革命が起きて蒸気機関や動力機械が発明され、人間は科学という言葉で私を否定し始めた」

「………」


急に真面目な話をし始めたので私は傾聴した。


「神の神域や魔物の住処を土足で立ち入るようになり、その急速に発達した技術で私達の存在を排除している。人々の記憶からは私達の存在は忘れ去られ、やがて地上、地下、海、更には宇宙すらその存在を跋扈させるでしょう。そこには私達の居場所はない」


確かに、人間は強くなり過ぎた。いや、まだ強くなっている途中か。

急速に発達した人間の技術は森を切り開き、大地を削り、水を汚染する。人間の生活は豊かになり、今に始まったことしゃないけどもそれを我が物にしようと争いが起きる。


私は争いを否定しない。争うことは生きること。生きることは争うこと。生きている限り必ず争う運命にある。じゃなきゃ皆仲良く手を繋いであの世行きね。


でも、最近の人間のそれはあまりにも度が過ぎている。

鉄砲は銃へと発達し必要以上に血を流し、爆弾や戦略で地形を変化させた。

これでは私達は生きていけない。


「私はそんなことで滅ぼされるのはごめんよ。だからといって人間を滅ぼすのは本末転倒。それに私達には人間の存在は必要不可欠よ。見られるものは見るものがいないと成り立たない」

「そこで箱庭ね」

「そう。この世界から格別された世界。それこそが非現実が生きる最後の楽園、幻想郷。どう?少しは考えてくれるかしら」


正直、非常に魅力的な勧誘ね。でもそもそも、何故私達に声を掛けたのかしら?はたまたここら一帯の妖怪に片っ端から声を掛けているだけなのかしら?しかも肝心の幻想郷とやらがどんな場所が具体的な説明が無い。さっきまでは人間がこれから私達を脅かす話に過ぎない。妖しい。けど、私は揺れていた。


「…詳しく聞かせなさい」


私が興味を示したことが嬉しいのか、八雲紫は再び嗤い口元を扇子で隠した。


「そもそも、私は魔法使いが全滅したって言う噂を聞いてこの辺りに来たの」


マロウのことね…。私はその事で後悔と責任を感じている。一時の気の迷いと気紛れとは言え大勢の魔法使いを生け贄にすることに加担してしまった。今更どうにかなるわけじゃない。だからといって全てを忘れてのうのうと生きるほど、私は落ちぶれてはいない。せいぜい、忘れないことと懺悔することしかできない。


「全滅したのは流石に尾ひれが付きすぎてたけど、あれじゃ魔法使いの世界は壊滅したもどうぜんね」


八雲紫は意味ありげな目配せで私をみつめた。


「それに来てみれば人狼も皆殺し状態じゃない。調べると貴方達が中心にいたわけ」


私ったら名探偵♪と八雲紫は嘲ながら言った。


「…喧嘩売ってるの?」

「落ち着きなさいな。私は貴方達を咎めることはしないし権利もない。警察じゃないのよ。私はその上で貴方達に幻想郷に来て欲しいの。幻想郷は全てを受け入れるわ」


それは…とても都合のいいことね。罪すら受けるなんて。

でも、長い目で見ればそこに行くしかないのも事実。このままこの地に残れば晒されるわね。表世界にも、日光にも。人間の血も確保するのが難しくなるでしょう。

一方、私にはわざわざこの地に残る理由もない。ここよりも条件が良さそうな場所があるなら、そっちに住む方がいいし、妥協で行くのも悪くない。


「貴女の判断基準は不明だけど…まあ、いいわ。最後の質問よ。幻想郷ってどんなところかしら?」


待ってましたと言わんばかりに八雲紫は破顔した。


「百聞は一見に如かず。一名様ご案内~♪」

「え……?きゃあぁぁあ!」


私は突然、大量の目玉がある気味悪い空間に放り込まれた。叫び声は屋敷の中には聞こえなかったと思う。


………………………………………

……………………………………

…………………………………


「よおこそ、幻想郷へ」

「綺麗………………」


気味悪い空間を潜り抜けると、そこには幻想的な風景が広がっていた。

まるでタイムスリップしたような近代的な建物が一切見受けられない自然。不覚にも見とれてしまった。

聖水の如く清らかな川。燃えるような夕焼け。澄んだ空気。季節のせいか残念ながら枯れているが、それでも緑の豊かさが想像できる。なんと美しい光景だろう。こんな風景は何年ぶりかしら。


…あれ?今、私おかしなことを考えなかったかしら。


―ジュッ


「あつ!」


燃えるような夕焼けって言うか私が燃えちゃう!ヤダ、太陽出てるじゃない!


「あらごめんなさい」


そう言って八雲紫は日傘の位置を調節した。どうやら日傘から少しはみ出したらしい。気味悪い空間を潜り抜けたときか八雲紫は日傘を差して私を日光から守ってくれているのね…。


「助かったわ」

「私が連れ出したから当然よ。それよりどう?幻想郷は」


自分の物を自慢するような口調で八雲紫は言った。まるで子供のようね。


「想像以上に素晴らしいわ」

「うふふ。ありがとう」


幻想郷を褒められた八雲紫はとても嬉しそうだった。この時の笑顔からは胡散臭さは消え、心の底から笑っていた。


(あ………)


その笑顔に私はただ、単純に美しいものだと思って見惚れた。同時に羨ましくも思った。私もこんな風に笑えたらなと。


「でもね、まだこの幻想郷は不完成なの。自然界で、人間の作った法律とは違った誰が決めた訳ではないルールのようなものが幻想郷に必要なの。それに閉鎖空間だから色々なものが溜まってしまう。

この楽園を計画してざっと五百年以上経つけど、もう一息で軌道に乗るの。そこで貴方にはそれを完成させる手伝いをして欲しいの。ダメかしら?」


…全く。人間との危険性を訴えられ、全てを受け入れると言われ、こんな風景を見せられて、貴女の笑顔に魅せられて………………。そんなの、


断れるわけないじゃない。


「いいわ。協力させて頂戴」

「ふふ。よろしくお願いね」


紫は嬉しさが抑えきれなかったようで、顔がニヤついていた。


………………………………………

……………………………………

…………………………………


私は再び気味悪い空間を潜り抜け私の部屋に戻ってきた。


「さて、いい返事も頂けた事だし早速引っ越しの話を詰めていきましょう」

「そうね。正直に言うと早く行きたいわ。…ん?」


私はドアの向こうに小悪魔がいるに気が付いた。ああ、そうか。明希達にも一応聞かないとね

柄にもなく舞い上がってもう幻想郷に行くことは確定してるけど明希とパチュリーはお互いと本があれば何処に居ようが代わりないでしょうけど。


「明希とパチュリーにも一応聞かないとね。一緒に来ることになるけど、二人は客人でもあるし友人でもあるから私の一存で引っ越しするわけにはいかないわ」

「ええ、でも従者には聞かなくていいのかしら?」

「美鈴は私のいるところに付いてくるから聞かなくていいのよ。小悪魔はパチュリーの使い魔だから同様に。言うだけは言っておくわ」

「では、私も準備があるからそうね…5日後にどうかしら?ああ、貴方達は何も準備しなくていいわ。私のスキマで屋敷ごと送りますから」

「屋敷ごと!?それはまた凄いわね…。じゃあまた5日後ね」


前置きにも書いたけど、ガールズラブはしません。レミリアはただ単に、心の底からの笑顔に見惚れただけです。17話にある通り、レミリアの目標?は心の底から笑うことで、それで惹き付けられただけです。ちなみに、40話タイトル訪問はアリスが訪問と紫が訪問したことも意味してます。

でもレミゆかって珍しくないですか?やりませんが。


原作ではレミリア達が紫に初めて出会うのは萃夢想以降になるけど、いいよねそんなに原作設定遵守じゃなくて。


あと、キャラ投票の方なんですが、どうやら三章でキャラが増えるからそれを待っているっていうかたがいらっしゃるようでなかなか票が集まりません。指定しなかった僕が悪いです。

そこで勝手ながら投票できるキャラは二章までに出てくるキャラにします。今のところそれで無効になる票はありません。

厚かましくて差し出がましいですが、投票をよろしくお願いいたします。

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