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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
二章 吸血人狼~Are you a werewolf.
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37 大軍~Sweet little sister.

前回の最後の言葉の誘拐を拉致に修正しました。誘拐は騙して連れ去ることで、拉致は無理矢理連れ去ることを意味します。パチュリーが『誘拐』されるのはあまり考えにくいですよね。日本語って難しい。

「は?」


拉致られた?パチュリーが?


「おっかしいな。今、パチュリーが連れ去られたって聞こえたんだけど…」

「冗談言っても仕方ありません!パチュリー様は攫われました!」

「明希…遅かったわね…」


美鈴から聞かされた言葉を頭の中で処理仕切れていないところに、ふらふらとした足取りでレミリアがやって来た。


「御嬢様!まだ安静にしていないと駄目じゃないですか!」


美鈴はレミリアに肩を貸して支えた。

俺は淡々とした声で言った。


「レミリア、パチュリーが拉致られたってどういうこと」

「…明希が出掛けて3日目の真夜中のことよ…」



















門番である美鈴がレミリアのところに駆け寄った。


「大変です御嬢様!人狼の大軍がすぐそこまで迫って来ています!」

「わかっているわ。パチュリーと小悪魔も呼びなさい。今夜は長い夜になりそうね…」


………………………………………

……………………………………

…………………………………


「大変ですパチュリー様!人狼の大軍がすぐそこまで来ているそうです!!御嬢様が呼んでいます!」

「うん…この配合が成功したら…」


パチュリーは賢者の石の研究に夢中になって上の空だった。


「賢者の石の研究をしている場合じゃないですよ~!」

「うん…」


全く反応しない主に小悪魔は小さな声で呟いた。


「明希様との愛の巣が無くなるかもしれませんよ…」ボソッ

「早く行くわよ。小悪魔」


明希のことになると変わり身の早いパチュリーに弱冠呆れつつも、本当に仲がいいなと思う小悪魔であった。


………………………………………

……………………………………

…………………………………


「遅いわよパチェ」

「まだセーフよ」


とは言うものの、戦闘こそは始まっていないが、大軍の先陣が到着した瞬間で本当にギリギリだった。

そして切り込み隊長らしき人狼がいった。


「我らのメンツの為に死んでもらうぞ吸血鬼!」

「ふん、貴様らがこの私に勝負を挑んでくるからだろうが」

「だが、お前は殺し過ぎた!皆のもの!行くぞ!」

「「「おおっ!!」」」


切り込み隊長掛け声と共におびただしい数の人狼が突進してきた。


「スピア・ザ・グングニル!」


レミリアは紅い神槍を投擲して人狼の先頭集団を蹴散らした。


「アグニレイディアンス」


パチュリーの魔法は侵掠するが火の如く、次々と人狼を焼き払っていった。


「彩雨!」


美鈴は虹色の弾幕を飛ばしてまるでパチュリーの火を消す雨のように弾幕が人狼に降り注ぐ。


「ふぇぇん!私、戦闘苦手なのに~!」


小悪魔も微力ながらも三人から少し下がったところから攻撃していた。

四人の攻撃でバタバタと人狼は倒れていくがそれでも、まだ一割も倒せていなかった。


「なんて数なの…!?ロイヤルフレア…!」


高火力の炎が人狼を襲う。


「レッドマジック!」


今のところレミリア達の攻撃で人狼達の接近攻撃を阻む事が出来ているが、何時人狼達の攻撃を負うかわからない。いくらレミリア達の攻撃力が強いと言っても、この物量差に何時まで耐えられるか。

もし、接近戦になればレミリア達の勝ち目はほぼ無い。


「くっ!地上じゃ不利ね!空で戦うわよ!」


地上での戦闘は不利になるばかりだと思ったレミリアは空中で戦うことを指示した。上空に上がったレミリアに続きパチュリー、美鈴、小悪魔も空中に移動する。


「あれ?人狼が途端に迫って来なくなりましたね」


空中に移動すると小悪魔は不思議に思った。さっきまで勢いよく迫ってきた人狼の群れが空中まで追ってこない。


「油断しちゃダメよ小悪魔」


パチュリーが注意すると同時に小悪魔の目の前に人狼が一体、いきなり現れた。


「ひぁ!」


空を飛んでいるのに突然、人狼が視界いっぱいに広がって小悪魔は驚いた。

パチュリーはすかさず弾幕を放ち人狼を吹き飛ばした。


「気をつけなさい」

「は、はいぃぃ!」


人狼はなんと、跳躍…ジャンプして空中にいるレミリア達を狙い始めた。

誰も飛ばないところを見る限り、人狼達は飛行することは出来ないようだがその脅威的な跳躍力を使ってレミリア達のところまでジャンプして攻撃しようとしている。


人狼達が次々と跳躍してロケットさながらに跳んでくる。

やはり、数が多くてその場で攻撃していても捌ききれずに攻撃を受けてしまうため、空中で移動しながらレミリア達は攻撃を放つ。人狼達は空中では自分で思うように動く事が出来ないから、レミリア達が動くと誰もいない場所に跳躍することになるのだ。


「はぁぁ!破山砲!」

「アグニシャイン上級」

「スターオブダビデ!」

「こ、来ないでください~!」


四人がバラバラに動きながら攻撃する。

だが、


「ちっ、拉致があかないわね!」


レミリアは攻撃しながら考えた。


…このままでは何時かは捌ききれずに攻撃うけるわね。多分、攻撃はそう何度も受けきれない。動きが鈍ってそこを狙われたら終わり…。同じような理由で防御も却下。止まっていては格好の的ね。現状では回避しながら攻撃が妥当。でもそれももうすぐ持たなくなる。…仕方ないこと、なのかしら…


「美鈴」

「何でしょう!御嬢様!」


美鈴は主人の呼びに答えて、すぐさまレミリアの近くに移動した。


「妹を…フランドールを出しなさい」

「…!?わかりました」


レミリアから発せられる有無を言わせない圧力に美鈴は何故、どうしてなどと言った疑問を一切介さずに従った。このような場合、従者が主人の命令に疑問を持つことは許されないし、意味がない。

いちいち理由を聞く時間などないし、主人への忠誠を疑うことに繋がるからだ。


全力でフランを呼びに行った美鈴を尻目にレミリアは言った。


「美鈴がフランを呼びに行っている間、なんとしてでも持ちこたえるわよ!」


だが、美鈴が抜けたことによって三人を狙う攻撃の数が増した。

こう人狼の数が多くては、例え紅魔館の地下に向かった美鈴にも人狼が攻撃を仕掛けていたとしても、レミリア達を攻撃の数が増えるのは必須である。


「幼きデーモンロード!」

「ハイドロジェナスプロミネンス!」

「うぇぇん!こうなったらヤケクソです~!」


大、中、小、様々な色の弾幕やレーザーが飛び交い人狼を次々と倒していく。


「きゃあ!」


だが、濃密な弾幕を張っていたにも関わらず遂に小悪魔に人狼の爪が当たった。かすった程度ではあるが、段々レミリア達が圧されている証拠だ。


「弾幕薄いわよ!なにやってんの!小悪魔!」


レミリアが小悪魔を叱咤する。ごめんなさい一度言ってみたかったんです。


小悪魔が攻撃を受けたことを皮切りにして形勢が崩れ始め、捌ききれずに何度も攻撃がかすり始めた。


「しまっ…!」


撃ち漏らした人狼がパチュリー目掛けて爪を振るう…前にその人狼は蒸発した。


「…え?」


パチュリーは何が起こったのか辺りを見渡すと、七色の光と一本の炎を見た気がした。気がした、というのはパチュリーがその光が何なのか確認する前に消えたからだ。その代わりに人狼達に火がついて攻撃の手が緩むのと、美鈴が急いでこちらにやって来るのが見えた。


「危なかったですね」

「美鈴、あれってもしかして…」

「そうです。妹様です」


パチュリーは七色の光と炎の正体に薄々気付いていた。あの光はフランの羽と剣の光だと。


「助け…られたのかしら?」


パチュリーは少しわからなかった。それほどフランとは面識がないし、ましてやこの前はフランの上に雨を降らせた。フランからは嫌われていて当然。ただ単に人狼を倒すにしては出来すぎたタイミングに不思議に思った。


「妹様は優しい方なんですよ。本当は家族思いで皆を大切にしたい。でも妹様は何時もいっていました。妹様はふとしたきっかけで大切なものを壊したくて堪らない衝動に駆られてどうしようもなくなる。大切だから余計に壊したくなると。妹様が地下に幽閉されている理由の半分は妹様自身のお願いでもあるんです。自分を遠ざけることで衝動に駆られなくてすむように、そして少しずつでもいいから破壊衝動をなくしていきたいと」


パチュリーは思った。


…私はフランドールのことを勘違いしていたのかもしれない。私ははっきり言って彼女が嫌いだった。子供っぽくて浅はかな感じがして、狂っていて暴力的。何をするかわからないし、実際明希にも斬りかかっていた。


でも、言葉足らずで無邪気なだけで、実際は思慮深い。恐らく、私が雨を降らせたことだって暴走を止めるためだとわかっていて怒っていないのかもしれない。狂っているのは本心じゃなくて私達のことが好きで、自分を制御出来ないだけ。


そう思うと私は彼女のことがレミィ達と同じように好きになった。勿論、一番は明希だけど。同時に自分が惨めな気がした。彼女に比べて私はなんて愚かだろうと。彼女のことを良く知りもせずに偏見で嫌いになっていたから。


でも、自分がくよくよしていたって仕方がない。それは彼女に失礼だし、意味がない。私が彼女に対してしてあげられることはこの戦いが終わった後、彼女を労って褒めて、仲良くすることだ。そして、これからもっと彼女のことを知ろう。願わくば彼女の狂気を減らす手伝いも…















__________________

おまけっ!そのご


- second day / afternoon -


「クレイ君、鉱石を買うのすっかり忘れてた」

「あ!すいません。僕もすっかり忘れてました」

「いやいや、こんな状況だから仕方ないって」

「そう言ってくれると助かります」


俺は代金を払った。


あきは こうせき をてにいれた!

こうせき を

たいせつなもの にしまった


・メニュー

ずかん

カケラ

→バッグ

あき

レポート

せってい

とじる


・バッグ

┗たいせつなもの

あんけんさつ

→こうせき

こうちゃセット

しんだフリができるクスリ

マロウのてちょう


・こうせきをどうしますか?

→つかう

とうろく

やめる


あきは こうせき をつかった

はかせの ことば……

あき!こういうものには

つかいどきが あるぞ!


「…そんな馬鹿な」

「どうしたの?」

「いや、使い時ってなにかなーって思っただけ」


今回のおまけっ!は31 二日目(後半の前半)であった明希のミスリード?発言の本当の意味です。35 解答で出したかったんですが、忘れてて不自然だけどこの回にぶっ込みました。おまけっ!は基本何でもありです。

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