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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
二章 吸血人狼~Are you a werewolf.
38/67

35 解答~This is the answer.

書く内容は出来ているんですが、リアルが忙しくて中々キーボードで入力する時間がありませんでした。ごめんなさい。


そして散々言ってきたゲームじゃあり得ないことが明らかになります。

- Let's resume where we left off -


「俺はぶっちゃけ自分の推理が合っているか確かめに来ただけなんだ。一方的に話すから合ってたら正解といってくれ」


掟を気にしなくていい現状、本当なら今すぐにでもパチュリーの所に飛んで帰りたいところだけど、答え合わせをしないと気が済まないという知識欲がある。


あれかな、パチュリーの知識欲が移ったんだよ、きっと。


「…………」

「沈黙は肯定として、……まず俺達は根本的に全ての仮定が間違っていたんだ」

「根本的仮定?」


アリスは答えは解っているがそのプロセス…答えまでの筋道は解らないようだ。


「その前に結論から言う。人狼はワールさんとトウキさんの二人だ」

「それはそうかも知れないけど…伝承によると人狼は三体じゃなかったかしら?」


この場に生き残っているものは五人。俺とアリスは絶対に人狼じゃないから残りの三人の中に、または三人とも人狼の可能性がある。

この状況で騒がす、人狼であることを否定しないことは、クレイ君以外自分は人狼ですと言っているようなもの。


「そう、一つ目の根本的に間違っているものそれは伝承の『内容』だよ。伝承はなんだったっけクレイ君」

「……『夜に住まうものが村に三体現れたとき、この村に滅びをもたらす。阻止するには人狼を占うものと、死者の霊から人狼を見分けるもの、他のものを守るものそれぞれ一人ずつと、それ以外の人狼側ではないもので人狼を突き止めよ』です」


「一つ目の間違えは俺達は『夜に住まうもの』を人狼『だけ』だと勘違いしていたんだ。夜に住まうものは何も人狼だけじゃない。『吸血鬼』だって夜に住まうものだと言えない?」

「え…それじゃ!」

「そう。つまり『夜に住まうもの』は人狼の二人と吸血鬼の俺で三体なんだ」


まさか俺自身が予言の中に入っていたなんてびっくりしたよ。てっきり俺は不確定要素だとおもっていたから伝承のキーとなる数に入っているとは思わなかった。


「それに伝承の中には夜に、住まうものと人狼が区別れていることがおかしいんだよ」

「確かに…人狼を突き止めよってあるのにわざわざ夜に住まうものと言うなんて…」


でも、突き止めよ中に吸血鬼は含まれていない。まるで村人には害がないと予知されているみたいに。

現実、俺は村人を襲ってないから当たっているのだけど…。うーん。恐るべし伝承。


「人狼はワールさんとトウキさんの二人だけ。そしてクレイ君は人狼の協力者。そうだねぇ。仮に『狂人』とでもしておこう。その上で話を進めるよ。

第一の死亡者であるトラドさんは伝承を誰よりも知っている人だ。これが理由でトラドさんは殺された」

「誰もがわかることね。でもそれがどうかしたの?」


伝承を良く知っているから、正体を知られる可能性が高くなると危険視した人狼によって殺された。これはちょっと考えれば分かることだ。でもトラドさんが殺されたせいで村人側に勝ち目がほぼ無くなるなんてその時、人狼以外の誰が予想出来ただろうか。


「いいかい?トラドさんは『本物の占い師』なんだ」


これが全ての仮定が間違う原因。議論の主導権を人狼側に奪われることになった最大の原因だ。


「人狼が占い師を騙っていた以上、死んでいる人達の中に真占い師がいるのは分かるけど…どうしてトラドさんがそうだと断定出来るのかしら?」

「それを説明するには初めにワールさんが占いco(偽)した目的を話さないといけない」

「目的?」

「ワールさんが占いco(偽)をした目的は真占い師を釣ることだったんだ」


占い師は人狼にとって一番邪魔なもの。でも、その時点では人狼も誰が真占い師なのかわからない。だったら“かま”を掛けて慌てさせて釣ろうとした。


「でもその目的は果たせなかった。最後まで一人しか占いcoしなかった」

「真占い師が死んだから、ね。でも、別の人が真占い師で何らかの理由で明かさなかったと言うことは考えられない?ソンチョさんとかは?」

「ソンチョさんがもし真占い師ならばワールさんに黒と言われたら自分からcoするはずだよ。そうすれば一時は処刑されずにすむ。だから処刑されようというのに敢えて占い師だと黙っていることはあり得ない。ソンチョさんは真占い師じゃない」


黒と言われているのに占い師coすれば、怪しさ満点ではあるが一応、処刑の対象から外れやすくなる。真占い師なら必死に自分は人間だと言わずに占い師と言った方がいいに決まっている。


「じゃあ…二日目に処刑されたレノさんは…違うわね。霊能者だといっていたし。三日目に殺されたアズさんはどうかしら?」

「二日目に狩人が人狼から偽占い師のワールさんを守ったでしょ?その時から俺達はワールさんを真占い師だと決定してしまったんだ。もし、まだ真占い師が生きていたならcoしないメリットなんてない。つまり、一日目の時点でもう真占い師は死んでいた。一日目で死んでいたのはトラドさん。トラドさんが真占い師と断定出来る」


「なるほど…って、あれ?人狼が偽占い師の人狼を襲う??」

「そこが人狼の一番の作戦なんだ」


何で皆はワールさんを真占い師だと決めたのか。それはワールさんが狩人に守られたから。でも、そこが落とし穴だったんだ。


「ワールさんがソンチョさんを黒と言ったのは、占い師の立場を利用して発言力のあるソンチョさんを排除するため。そしてクレイ君がまとめ役に出やすくするためでもあるんだ。

でも、目論み通りソンチョさんを処刑出来たはいいけど誤算が生じた。もともと占いco(偽)したのは真占い師を釣るためだけど、真占い師はcoしなかった。そして人狼にとって邪魔なのにこのまま次の日に襲われていなかったら疑われるのはcoしたワールさんだ。

そこで人狼たちは自作自演をしたんだ」


「自演…自演?」

「わざとトウキさんがワールさんを襲って狩人にワールさんを守らせるという自演自演を」

「………!!」


こうすればワールさんの疑いも晴れて、しかも真占い師だと印象付けられる。後は信用を得たことを利用してやりたい放題好き放題。


「でも…そんなのって…。狩人があらかじめワールさんを守っていないと…。それに自作自演が失敗したら襲われていないと疑われてワールさんが人狼だとバレるじゃない…」

「守る確証があったからやったんだよ。一日目の時点で嘘か本当か別として、狩人は自称占い師を護衛していたんだ」


占い師が人狼を占うように、霊能者が死んだ霊で判断するように、狩人もまた人狼から襲われる人を守る。

占い師は人狼に襲われやすいから、嘘か本当かは別として一人しかいない占い師を狩人は絶対守る。もし、占い師が本当なら襲われたら議論で人狼を見つけるのは困難になる。それを見越してワールさんをトウキさんが襲った。


「博打じゃなくて計算通りの作戦ってわけだ。そして次の日、襲われたのは占い師だからという理由でワールさんはクレイ君に決定されたんだ」


ソンチョさんの代わりにクレイ君が議論の司会者みたいになることで、議論を人狼に有利にした。

その時、クレイ君は「夜の人狼は銃じゃ殺せないけど退けさせることは出来る」とも言った(29話)。今考えると、人狼の存在を知っていたからそんなことが言えたのだろう。


「そして決定的な二日目。レノさんを処刑してしまうことで事実上、ここで村人側は負けてしまったんだ」

「トウキさんが人狼であるなら、レノさんは本物の霊能者だったのね…」


人狼に対抗するための能力者を二人も失って、残る狩人は人狼を直接探ることは出来ない。これで村人側は詰んだわけだ。


「そして狩人が誰かは、解ったわ。アズさんね」

「そう。二日目に俺はワールさんの口をふさいだ。誰が狩人か人狼に知られないように。でも、無駄だったんだ。もう人狼に狩人の正体はとっくに知られていたから。そして二日目の夜にアズさんを襲って狩人を排除した」


ついてに、占い師が襲われないという不自然さも人狼が『占い師よりも狩人を狙った』とカモフラージュすることも出来た。


「そして三日目。俺が吸血鬼であるということに気が付いたのは偶然だったけど、ハッタリで築いた発言力と俺の影がないことでロクに議論もされずに俺は処刑された」


まあ、議論したところで俺の影がないことで処刑されるのは目に見えているけど。


「後は俺は見てないけど、概ね、それっぽい理由をつけてイケさんかキョウさんを人狼に仕立てあげて処刑。残りの一人を夜に殺して今に至るわけだ。アリスが襲われなかったのは仕掛けを警戒してかな?兎も角、これが事件の全容だ」


俺は「全容だ」と言うところでビシッと人差し指でクレイ君達を指差した。

クレイ君はポツリと言った。


「……これが推理小説なら証拠はないじゃないか、と言うところですが…正解です。明希さんの推理は何一つ間違っていません。やっぱり明希さんはすごいです」


「やった。全問正解。それじゃさようなら…と言いたいところだけど、ワールさん、トウキさんの耳は、ずいぶんと大きいんだね」

「そうとも、推理がよく聞こえる様にね」

「それに目が大きくて、光っているよ?」

「それはお前をしっかり見張る試さ。油断は大敵ってね」

「それに、二人の手の大きいね。二人の手は、こんなに大きかった?」

「そうだよ。大きくなくては、お前を…」

「…お前を?」

「殺せないからさ!」


人狼はそう言うと変身して出来た鋭い爪を振りかざした。ネタを振った俺が言うのも何だけど何故に赤ずきん風。


人狼ゲームでは真占い師が最初の犠牲になることはまずありません。だってゲームにならないから。


人狼の数も本当なら最初からわかっています。


人狼が夜時間に人狼を襲うことは出来ません。


人狼ゲーム愛好者の皆様には色々とごめんなさい…

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