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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
二章 吸血人狼~Are you a werewolf.
35/67

32 二日目(後半の後半)~Are you a werewolf.

前回の前書きで13日の金曜日で番外編をやるみたいなこと言ってましたが、番外編を書いているうちに詰まらなくなったのでボツにしました。


途中まで見てみたいと思った方は活動報告に明日ぐらいには乗せておきますので興味があったり、意見があったりしたら是非感想をください。次の13日の金曜日の糧とします。

- The second half of the discussion -


「二人が霊能者だって言うならソンチョさんは白黒(人狼か人狼でないか)のどっち?」


明希さんが言った。


「言うまでもなくソンチョさんは黒だった」


先にトウキお姉さんが言った。そうだよね。占い師が黒っていってたから霊能者じゃなくても黒だって言える。もしこれで白とか言ったら…


「違う!ソンチョさんは白だった!この二人が人狼だ!皆騙されるな!」


レノさんが必死に叫んだ。


「決まりですね。どう考えてもレノさんが人狼で僕達を惑わそうとしてるんです」


占い師が本物だと認識されているこの状況で、人狼が推理を惑わそうとしているなら白と言わずに黒と言うべきだ。そうすれば、どちらの霊能者が本物か判断しづらくなる。


「大体、レノさんが本物の霊能者だったら何で朝に言わなかったんですか?普通だったら朝にcoするべきだったんです」

「そ、それは…クレイ君の話の邪魔をしちゃ悪いと思って…」


人が疑い合う中、唯一、無条件で信じることが出来るのは自分だけ。その自分の能力でソンチョさんが白だと判っているのならワールさんが偽占い師…人狼だと判るはず。だったら朝に霊能者coしてワールさんをもう一度真偽に掛けるべきだった。


「最も、占い師は本物と確定されたわけですし、朝coしなかったってことは…レノさんが人狼だってことです!」

「違う!俺は人狼じゃない!」


「そうだよクレイ君、まだレノさんを人狼だと決めつけるのは早い」


明希さんがレノさんの助け船を出すように言った。


「レノさんの必死さ…どうも本当のように見えるんだ」

「そう見せる為の罠かもしれないじゃないですか」

「罠だとしても推理を惑わすにしてもリスクが高過ぎるとは思わないか?」

「そこまでは頭が回らなかったんじゃないですか」

「ちょ、ちょっと、どういうことだ?結局どっちが人狼なんだ?」


イケさん他、数名が僕と明希さんの議論に付いていけなくなって説明を求めてきた。


「ええっと、今までの論理的な推理からレノさんが人狼であるかと、感情論でレノさんが人狼でないかと言う議論をしているんです。結果は投票で決めます。僕はイケさんに投票するつもりです」


「言い方に棘を感じるな。レノさんが人狼だったらワザワザバレるような嘘を吐いて犬死にするなんてリスクが高すぎるって言ってるじゃないか」


「事実をありのままに言っただけです」


理路整然と推理していた明希さんが今までと打って変わって『そう見えるから』と言うだけの理由で、レノさんが人狼じゃないと言う意見に僕は苛立ちを感じて少しだけ睨んでしまった。違う、貴方はそんなことで判断する人じゃないだろうと。


「……ん?」


少し睨んでいたら明希さんの見た目に違和感を感じた。何だか妙に明るさと言うか、コントラストが変な感じがする。暗さが足りないと言うか…


「どうした?俺を睨んで。そんなに俺の意見が気にくわなかったか?」

「あ、いえ…その…そうじゃなくてですね…。それはそうと、わかりましたかイケさん?」

「あ、ああ。わかった」

「いやいや、そのわかったはレノさんが人狼だと『わかった』って言う意味でしょ。だから、レノさんは人狼じゃないかもしれないって」

「これ以上は水掛け論です。埒があきません。ここで皆の意見を聞いてみましょう」


僕はちょっと強引に話題を変えて、皆の意見を聞くことにした。皆がどう思ってるか知りたいからだ。


「では…アリスさんはどう思いますか?レノさんは人狼ですよね?」

「いえ…私は明希と同じでレノさんは人狼じゃなくて霊能者だと思うわ」


む、この人も明希さんと同じか…


「次に…キョウさんはどう思いますか?今日は議論に一回も参加しなかったようですが」

「俺みたいな脳筋に意見を聞いても参考にならないと思うが…俺もレノが人狼だと思う。これだけ証拠がそれっていればな…」


「そうですか、ではトウキお姉さんは当然レノさんに投票するから、スルーするとして、イケさんは?」

「俺は…レノを信じたいが…無理だ。証拠が強力すぎるから否応なくレノが…」


「そうですか…じゃあ、お父さんはどう思う?」

「俺は…クレイの推理が正しいと思う…」


「ありがとう。お母さんは?」

「わ、私もクレイが正しいと思う」


うーん、推理小説だったら誰かの意見が事件の解決の手助けになるシーンが多いけど…そう、上手くはいかないみたいだ。


「これ以上は議論の仕様がないね。投票に入ろっか」

「ち、ちょっと待ってくれ!投票まではまだ時間があるはずだ!」


レノさんが粘った。自分の生死に関わることだから当然の反応か。


「じゃあ、時間まで思う存分弁解してみてください。恐らく、結果は変わらないでしょうが」


この後もずっとレノさんが違うといい続けてきたが残念ながら日が沈んでしまった。


「では投票としましょう。各自、自分が一番怪しんでいる人の名前を書いてください。投票者名は書かなくていいです」


そして投票の結果はレノさん5票、トウキお姉さん2票、僕1票。僕…?たぶん自分を陥れようとした僕に腹いせに入れたのかもしれない。


「投票の結果、レノさんに決まりました」

「嫌だ…嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」


レノさんは泣きわめいた。無理もない。


「俺が処刑する…もう、俺はソンチョさんを撃っちまった…。皆がわざわざ手を汚す必要はない…」


お父さんが銃を持ち、絶望に打ちひしがれているレノさんの額に銃を突き付け引き金を引いた。


チャキ、パーン!


何やら雲行きが怪しくなってきましたね。


ヒントと言うか補足として、クレイ君は嘘はついていません。それに、話中でも本人が言っている通り、クレイ君は人間です。実は嘘でしたーなんてオチはありません。

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