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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
二章 吸血人狼~Are you a werewolf.
33/67

31 二日目(後半の前半)~Are you a werewolf.

いきなりですがこの小説のアリスの外見は、にがもん式アリスです。理由は可愛いから。異論がある人やにがもん式アリスを知らない人は『【第7回MMD杯本選】Sweet Magicを魔法使い が踊ってくれました』でアリスに悩殺されて来てください。


くどいです。すいません。この人狼ゲームはゲームとしてはあり得ません。ご容赦ください。

- second day / afternoon -


昼食が終わった後、しばらくの間精神の休息も兼ねて自由時間を取ることにした。鉱山堀りの五人はふさがった出入り口を掘りに、女性二人は家事を、先ほどなかなか面白い推理をしたクレイ君は皆の手伝いをしている。


少しの間でも元の日常生活でやっていたことをして気を紛らわそうとしているのだろう。

よそ者の俺達はこの村の中には日常なんてないから、定番となりつつあるアリスと紅茶を飲みながら話をしていた。


「それでね、大変だったのよ」


始めは誰が人狼なのかという話をするかと思っていたけどアリスに「その話はこの後に出来るから今は私と貴方について話をしましょ」と言われた。

うーん。パチュリーとならきっと誰が人狼なのかで議論が白熱しただろうけど…アリスは興味がなかったようだ。


「巫女に神社の掃除をさせられるわ、魔法使いに本を盗られたり、その師匠にメイドにさせられるし、妖怪にストーカーされて挙げ句の果てに魔法を盗まれたり………」

「………」


アリスは段々と頭を俯かせて遠い目をしていた。

アリスは自分の昔話をしていたんだけど…なんと言うか散々な話だな…。


「なんと言うか…大変だったね」


変な空気になっちゃったなぁ。悪いのはアリスに色々した奴らだけど。ひょっとしてアリスが今まで友達を作れなかったのは、こんなことがあったせいかも。

悩んでも仕方ない。どうにかこの雰囲気を変えられないものか…


「その…。よしよし」


俺はどうしていいか判らなくなってアリスの頭を撫でた。何で撫でたのかはアリスを慰めたかったからかもしれない。


指の間を流れるアリスの金髪はさらさらと柔らかくて撫で心地がいい。一回、二回撫でる度にふわっとアリスの髪からいい匂いが俺の鼻孔をくすぐった。


俯いていたアリスは突然、俺に頭を撫でられて一瞬肩をビクッと震わせた。撫でられて安心したのか、落ち着いたのか、気持ち良かったのかのどれか、もしくは全部かはわからないけど、少し顔を上げて目を瞑り、なでなでを享受する。


「………。………♪」


全く、随分と可愛くて嬉しそうな顔をするな。…パチュリーにでも見られたらどうなることやら。怒られるだけじゃ済みそうにないな。パチュリーどうしてるかなぁ。なんだかんだで会わなかった日はなかったよな。はぁ、鉱石を買って帰るのだけの簡単なお仕事のは………


「忘れてた」

「何を忘れてたのかしら?」

「俺って何しにここに来たのか」

「何って…鉱石を…ああ」

「そう、俺ってまだ鉱石を買ってなかったんだった。危ない危ない」


鉱石を持って帰らなかったらパチュリーに怒られるとこだった。

いくら普段怒らないパチュリーでも何日も帰るのが遅れた挙げ句、目的の鉱石を忘れてたとなれば確実に怒るだろう。何をしに来たのかわからない。


「それに、そろそろまた集まる時間にもなるしね」


俺はアリスの頭から手を離した。


「……あ…」

「ん?何かいった?」

「い、いえ。何も言ってないわ」
















休憩時間も終わる直前、明希さんとアリスさんがやって来た。


「クレイ君、鉱石を買うのすっかり忘れてた」

「あ!すいません。僕もすっかり忘れてました」


明希さんは元々は鉱石を買いにこの村に訪れたのだった。今晩は遅いから明日にしてくれって言ったのは僕達の方だし、失礼なことしたなぁ。


「いやいや、こんな状況だから仕方ないって」

「そう言ってくれると助かります」


僕は鉱石があるところに明希さんを案内した。そしてそこで明希さんから代金を頂いて鉱石を売った。


「…そんな馬鹿な」


明希さんは鉱石を手にして残念そうに呟いた。そんな明希さんをアリスさんは不思議な顔をした。


「どうしたの?」

「いや、使い時ってなにかなーって思っただけ」


使い時?何のことだろ。変な明希さん。


「目的の鉱石も手に入ったし、朝の続きを始めるとしますか」


………………………………………

……………………………………

…………………………………


それから僕達は三度ソンチョさんの家に集まった。


「さて、議論を再開させよう」


- start the second half of the discussion -


「朝、聞きそびれたんですけどワールさん。昨晩は誰を占ったんですか?」


僕は始まってすぐに占い師であるワールさんに誰を占ったか聞いた。

今朝は狩人の話で、このことを聞けなかったんだよね。人狼を断言出来る数少ない有効な情報だし、早めに聞いておくべきだ。


「それは…君だ、クレイ君」

「…え?」

「結果は白だ。クレイ君は人狼じゃねぇ」

「…ふぅ、よかった。でも何で僕を占ったんですか?」

「そ、それはだなぁ、君はトラドじいさんの第一目撃者だろ?だからあやしいと思ってだな…」


ドキドキした…。僕は人狼でもなければ占い師でもないし狩人でもないし死者の霊で人狼を見分けることも出来ない人間だ。


「…ふぅん。じゃあ暫定、生き残っている人のなかでクレイ君、ワールさんが村人側、他の人はグレーってとこか。で、狩人は必ずいて、死者の霊から人狼を見分けるものはわからないと」


明希さんが情報を元に一旦現在、生き残っている人の情報整理をした。


「うーん、これだけじゃ誰が人狼か判断出来ませんね…情報が足りなさすぎます。…ここは狩人を告白……カミングアウト(以下coと略)させてグレーの人を減らしたほうがよくないですか?」


人狼でない白が僕とワールさん二人だけで、狩人が誰かわからない。これだけじゃどうやったって今日の投票までに人狼を見つけることが出来ない。

このままじゃ役職の判らないグレーの人達の中からランダムで選ぶことになる。せめて狩人をcoさせてグレーの人を減らした方が…


「いや…ここは『死者の霊から人狼を見分けるもの』をcoさせよう」


明希さんが言った。


「そうすれば昨日処刑したソンチョさんが本当に人狼かどうかもわかる」

「……でも…そうしたら『死者の霊から人狼を見分けるもの』…長いので『霊能者』と仮称しましょう。霊能者が人狼に襲われるんじゃ…。それに霊能者を詐称して人狼が騙る場合も…」


「狩人をcoさせるのは悪手だ。狩人は自分の身を守れない。人狼に襲われたら占い師を守れなくなる。その点、霊能者をcoさせたらグレーも減るし、もし人狼が騙ったとしてもそれはそれで霊能者を疑えばいい。ほら、突破口が見えてきた」


「…そうですよね…どちらにしろ襲われるのは同じだから占い師が襲われる確率が低い方を選んだ方がいいですよね」


ちょっと解説

狩人をcoさせたら確実に人狼は狩人を襲う。人狼が一番殺したいのは占い師。その占い師を守る狩人はとてもじゃまだからだ。狩人を襲い終わったら次は占い師が襲われるのは必須。

霊能者をcoさせれば人狼は霊能者を襲うか狩人をしらみ潰しに襲う。これで占い師が襲われる順番が遅くなる訳だ。


「それじゃ…霊能者の人がいたらcoしてください」


「私が…霊能者」


coしたのはトウキお姉さん。なんだってー。ミステリアスだとは思っていたけどまさか霊能者だったなんてー。


「ちょ、ちょっとまて!私が本物の霊能者だ!」


遅れてcoしたのはレノさん。慌ててるし本物とかいって如何にも胡散臭そうだ。ただし、筋肉モリモリ。鉱山堀だから当然か。


「へぇ…」


明希さんが呟いた。


「伝承には霊能者は一人…つまりこの中に俺たちを惑わそうとしている人狼がいるって言う訳だ」


後半の後半は今日中にup出来そうにありません…ごめんなさい。

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