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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
二章 吸血人狼~Are you a werewolf.
30/67

28 二日目(前半の前半)~Are you a werewolf.

サブタイを見て「なんじゃこりゃ!?」と思うのはもっともです。


最初は(前半)と(後半)のふたつで二日目は終わらせるつもりだったんですが前半だけで前後編が出来てしまいました…


何時もは大体3000~4000字以内なのに今回は5000字だから分けた、というのもあるけど、作者としては今回はしっかりと見て推理してもらいたいからあまり長ったらしいと結果だけ見る人(実は作者もその一人)が出てくるかも知れないからあえて2500字ぐらいに短くしました。


まだしつこく言うけど、これは人狼ゲームのルールを色々犯しています。人狼ゲームじゃ反則ー!ということがあるかも知れませんがご容赦を…

- first day / night -


チャキ、パーン


- second day / morning -


生活のリズムとは恐ろしいもので、昨日あんなことがあったのにかかわらず、僕は何事も無かったかのような朝を迎えた。


「あ、おはよう。お父さん」

「おはようクレイ…」


お父さんは流石に昨日のことは応えたようで何時もの元気が無かった。

…人狼を倒すという名目でもやっぱり銃で殺すのは辛かったのかもしれない。


「クレイー…御飯配ってきて頂戴…」

「はーいお母さん」


お母さんはお父さんとは違った元気のなさでなんだか眠たげだ。昨日のことで眠れなかったのかなぁ?


家から出て、まずは何時も通りトウキお姉さんの家に向かう。

コンコンとドアをノックするがいつもの通り返事がない。まだ寝ているんだろう。しょうがないね。


僕はドアを開けてトウキお姉さんの家に入り、朝食をテーブルの上に並べてベットに寝ているトウキお姉さんを起こしに向かう。


「トウキお姉さん、朝ですよ。ほら起きて」

「ん…ふぅん……」


僕はトウキお姉さんの肩をゆさゆさと揺さぶって起こそうとする。その度にお姉さんのいい匂いがして揺れる胸を拝むことが出来るのは役得以外の何物でもない。と言うかトウキお姉さんはマイペースだなぁ。眠気には何があっても勝てないらしい。


「ふぁ…おはよう…むにゃ…」

「おはようございます。御飯はテーブルの上にありますからね」

「ふぅん…わかっ…た…」

「二度寝しちゃダメですよ。僕は他の人に御飯配ってきますね」


もうちょっとトウキお姉さんを見ていたいけど他の人達に御飯を配らないといけないからしぶしぶ次の家に向かった。


「…ここにはもう配らないでいいんだった」


習慣とは恐ろしいもので昨日あんなことがあったのに僕はトラドお爺さんの家のドアをノックしようとしていた。

僕はドアをノックしかけた手を下げて次の家に向かった。


「…また失敗した」


僕はソンチョさんの家のドアをノックしようとした手を下げた。昨日、この手でソンチョさんを埋葬したはずなのに、もしかすると僕の中では彼らはまだ生きていて僕は現実を受け止められていないのかもしれない。


「まさかね」


習慣のせいだと一人納得して次に向かった。


次に宿舎。ワールさんとレノさんとイケさんとキョウさんのところだ。この四人は、すでに作業着に着替え掘る道具を持って集まり御飯が来るのを待っていた。


「ワールさん、レノさん、イケさん、キョウさんおはようございます」

「「「「おはよう」」」」


やっぱり皆も元気が無かった。あれ?皆と比べて比較的平気な僕ってちょっと異常なのかな?


「今日も埋まった出入口を掘るんですか?」

「ああ、こんなときは無心に掘ったら少しは楽になれるかなと思ったんだ」

「それに一刻でも早く堀り終わらないと人狼から逃げられないしな…」


ワールさんとキョウさんが答えた。

僕は無心になりたがっている四人のために次の場所に向かった。


次の人は明希さん。昨日はとても落ち着いた議論していたから僕の中では株が上昇中である。


ドアをノックする事5分。ようやく現れた。その手には何故か日焼け止めが握られている。また寝惚けていたみたい。トウキお姉さんと同じで朝には弱いのかな?


「いま…寝たばかりなのに…どうした…」

「寝惚けてないでちゃんと起きてください。ほら御飯ですよ」

「おお…悪い…ふうぁ~」


明希さんは大きなあくびをした。

ホント、明希さんって何時に寝てるんだろう?


最後にアリスさん。一昨日の夜から明希さんと妙に仲が良さそうだけど何かあったのかなぁ?…彼女さんがいるっていうのに続いてこんな美人さんとまで仲良さそうなんてちょっとパルパルしいな……。おっと、また電波を受信してしまったようだ。


「アリスさんおはようございます。御飯を持ってきました」

「ねえ、クレイ君、私で最後なの?」

「そうだけど、どうかしましたか?」

「なら…人狼に殺された人はいたかしら?」

「…そういえばいないですね」


………………………………………

……………………………………

…………………………………


僕は出入口を掘りにいく四人を止めてからお父さんとお母さんを呼んでソンチョさんの家に集まった。明希さんはアリスさんが呼んだ。

ソンチョさんの家に集まったのは昨日ここで話し合ったせいで、ここが話し合いの場という認識があるからかもしれない。それと皆が集まりやすいっていうのが手助けしていた。


「誰も死んでない……ってことはソンチョさんが人狼で人狼はいなくなったってことだな!」


イケさんが喜んで言った。


「…それはちょっと違うんじゃないかな?」


- start the first half of the discussion -


「は?何が違うんだよ」

「昨晩、銃声が聞こえたんだ」


喜んでいるイケさんに明希さんが異議を申し立てた。横槍を入れられたイケさんは怪訝な顔つきをした。


「私も聞こえたわ」


アリスさんも明希さんの言ったことに同意した。


「だからなんだよ。銃声も何もハータンさんがソンチョさんを銃で撃ったじゃないか」

「いいや、それとは別に二度目の銃声が聞こえた」

「…『他のものを守るもの』ですか」

「そう、よくわかったね」


僕の答えに明希さんが誉めてくれた。

誉められるってちょっといい気分。


「伝承にある他のものを守るもの…その人がきっと人狼から誰かを守ったんだ」


猟銃で人狼から守る。なんだか嫌に近代的だなぁ。とても伝承に予知されていたようには思えないけど…。でもこの際それで正しいのだろう。伝承には夜中に住まうものが3体いるからだ。もしソンチョさんが人狼だったとしても人狼は残り2体潜んでいるはず。だったら今日、人狼による死体が出てこないのはおかしい。ということは。


「ということは人狼はまだいるってことですね」

「そういうこと」

「そ、それじゃまだ襲われる可能性があるってか…!」


イケさんの喜びはぬか喜びに変わって、顔も笑顔から恐怖に歪んだ。


ぶつ切りですが続けて29話をお読みください。

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