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東方魔法録~Witches fell in love with him.  作者: 枝瀬 景
二章 吸血人狼~Are you a werewolf.
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23 甘坊~Take good care of your self.

イチャイチャ成分が足りないなーと思って思い付きで書いた今回。


まさか二日連続で投稿できるとは思いませんでした。


2828パワーは凄いですね…

「はぁ、はぁ、はぁ…」


俺はベットの上で顔が赤く火照り、肩で息をしていてるパチュリーの口を開けて白い液体を口に流し込んだ。


「…!!ゲホッゲホッ!……苦い…」


パチュリーは苦しくて苦かったのか、咳をして直ぐに吐き出してしまった。ツーっと口元から白い液体が零れる。


「駄目だよ全部飲まないと」


俺は再度、白い液体を流し込む。

今度は苦々しい顔をしながらも、こくり、と飲み込んだ。


「よく頑張ったね」


俺は誉めながらパチュリーの頭を撫でた。


「むぅ、子供扱いしないで…」


口ではそう言いつつも、若干口元が緩んでるので満更でもなさそうだ。


するとドアが勢いよく開き、お使いから戻ってきた小悪魔が震えながらこちらを指差して叫んだ。


「な、な、ナニやっているんですかーーーー!!!」














「うぅ、すいません…まさかパチュリー様が寝込んでいらしたとは…」


ドアから漏れてきた声にの内容を勘違いしていたようで、お使いに行っていて事情を知らなかった小悪魔が勘違いをしたのも無理はない。パチュリーに飲ませてたものはエリー特性の風邪薬。…変な効果はないよ?エリーは店を立ち上げてからかなり評判がいい。


「だ、だって御二人の仲ですし?そろそろその…お、おかしくないなと……」

「その場合は聞かなかったことにしておくべきよ」


俺と小悪魔は椅子に座り、パチュリーはベットで寝ながら話す。


「そ、そうですね…以後気を付けます………以後?」

「パ、パチュリー。具合はどう?」


小悪魔が余計なことに気づく前に強引に話題をかえた。…その…何と言うかこっちもその話は…いや、別にパチュリーが嫌という訳じゃなくて…あーもう!この話はお仕舞い!


「ん、まだ飲んだばかりだから変わらない」

「そ、そうだよねー」

「それでパチュリー様は何で寝込んでいるんですか?」


ああ、そうか。まだ言ってなかったよね。……只、普通に教えるのは面白くないな。ここで俺の悪戯心が疼いた。


俺は顔を下にうつむき、声を重くさせ、如何にも大事のように話した。


「実はね…パチュリーは急性上気道炎を患ってしまったんだ……!」

「ええ!」


小悪魔は俺の演技と急性上気道炎の『急性』と『炎』の部分にすっかり騙されたみたいだな。クックックッ!勢いに流されて急性上気道炎の意味に気付いていないな?


「パチュリーは喘息持ちなのにその上急性上気道炎まで……!パチュリーはもう!」

「そ、そんなぁ!」

「ああ、神よ!何故ですか!?パチュリーはこんなにも苦しんでいるというのに……!!」

「うあぁ~~ん!!パチュリー様~~!!」

「そのぐらいにしておきなさい…」


見事に騙された小悪魔は泣いてしまった。

見かねたパチュリーが呆れながらやめろと言った。うーん。もうちょっと続けたいけどパチュリーが言うなら。


「小悪魔。急性上気道炎って何だか知ってる?」

「ひっく…え…?……………ああ!!!!」


急性上気道炎。世間一般には風邪と呼ばれるものの別名だ。

騙されていたことに気付いた小悪魔は泣くのをやめ、憤慨した。


「もー!パチュリー様が何か重い病気にかかって死んじゃうかと思ったじゃないですかー!」

「ははっ!まあ、仕返しってとこだね」


丁度その時、美鈴が小悪魔を呼ぶ声がした。


「あ、えっと…」

「行ってきな、パチュリーは俺が見てるから」

「あ、はい、わかりました。もし何かありましたら呼んでください」


そう言って小悪魔は部屋から出ていった。

嵐が過ぎ去ったように急に静まり返った中、パチュリーが口を開いた。


「ねぇ…」

「ん?何?」

「私、今日は甘えたい気分なの」

「う、ん?で…?」


俺は久々にパチュリーの言葉にドキマギした。


「添い寝…してくれるかしら?」


パチュリーは横にずれ、俺が寝る場所を確保してポンポンとベットを叩く。

俺がこの誘いを断るはずがなかった。


俺は空いたスペースに横になり、掛け布団の中にパチュリーと一緒にくるまった。パチュリーの熱によってかなり暑くなっており、普段の俺だったら布団をはね除けてしまうような暑さだったがそこは我慢。パチュリーの元々のいい匂いと汗の匂いがする。


「一緒に寝たのっていつ以来かしら?」

「うーん少なくとも中学のときにはしてなかったから小学生ぐらいかな?」


お互いの顔が見えるように横になり、昔の思い出を語り合う。喋る度に息がかかってくすぐったい。

俺はパチュリーの頬を撫でたり、髪をすくように撫でたりする。


「風邪って体温をあげれば早く治るらしいわね」


そう言ってパチュリーは身を寄せて俺に抱き付いてきた。パチュリーの弾力が心地よく、俺もパチュリーを抱き締める。

身をよじり、頬をすり合わせぎゅっと抱き締めるパチュリーは宣言通り、いつもに比べてとても甘えん坊だった。


そしてもっと甘えたくなったのか俺の唇を求めて口を開けてキスをした。


「…んぅ……んっ」


風邪のせいか、いつもより弱々しいキス。でも風邪で体温が上がったパチュリーの舌は熱かったが、気持ちの良いものだった。


「れろっ…ぴちゃ…んぐっ…ごく…ふぅ。~♪」


久々のディープキスに満足したのか口を離し、猫のような笑顔を浮かべ俺の胸元で埋まる。俺も頭をグリグリとパチュリーの頭にくっ付ける。


しばらくつづけていると俺の腹がグウと鳴った。


「お腹空いたの?」

「うん、飯にしよっか。ちょっとまってて、ここに運んでくるから」


………………………………………

……………………………………

…………………………………


俺が厨房に行くとそこには普段見掛けないレミリアの姿があった。


「あれ?レミリアがここにいるなんて珍しいじゃん」

「美鈴と小悪魔には用事を言ってあるわ」


レミリアは何か作業をしながらこちらを振り向かずに返事をした。よく見るとレミリアは鍋で何か作っている。


「もう少しでポトフが出来るわ。待ってなさい」


かなり失礼だか俺は衝撃を受けた。御嬢様であるレミリアが料理が出来るなんて思いもしなかった。

そんな俺の考えを見透かすかのようにレミリアが言った。


「主である私が家事ぐらい出来ないと従者に示しがつかないでしょ?」


The charisma。まさにカリスマ。ヤベェ、レミリアが輝いて見える。

俺が感心感動感謝感激している間にポトフが出来上がったようだ。


「食べる分だけ注ぎなさい。残りは私と主に美鈴と小悪魔が食べるから」


あ、やっぱり少食だから余りは殆ど美鈴と小悪魔が食べるんだね。でもあの二人なら涙を流しながら食べそう。

俺は自分の分とパチュリーの分を皿に注いだ。


「ありがとうね。レミリア」

「礼には及ばないわ。パチェに早く元気になるよう伝えておいて」

「わかった」


………………………………………

……………………………………

…………………………………


「へぇ、レミィが…」


俺は厨房での出来事を話した。パチュリーはレミリアの行動に感心していた。やっぱりそうなるよね。


「冷める前に食べよっか」

「そうね……明希、あーん」


パチュリーが餌をねだる雛鳥のように口を開けて、俺があーんするのを待つ。俺は苦笑してスプーンでスープをすくい二、三度息を吹き掛けて少しだけ冷ましてパチュリーの口に運んだ。


「ゴク…。…レミィ、やるわね…」


俺も自分の皿のポトフを食べた。どれどれ…?


「んんっ。美味しい」


いつも料理している美鈴には流石に敵わないけどそれは美鈴が上手すぎるだけで、レミリアのも十分に美味しかった。


「むぅ、私だってやれば…」

「ん?なんか言った?」

「何も言ってない」


……………………………………


それからあっという間にポトフを完食した。


「残りはリンゴがあるけど食べる?」


病気なのでいつもより量が少なかったとはいえ、病気の時はすぐに腹一杯になるときもある。だからパチュリーに食べるかどうか聞いた。

パチュリーは少しだけ考えて答えた。


「口移し…」

「え?」

「口移しで食べさせて」


口移しってあれだよね。一回俺が食べてそれをパチュリーにキスして移すやつ?まあ、別に全く問題ないんだけどね。ちょっと戸惑っただけ。

今日のパチュリーは本当に甘えん坊だなぁ。風邪のせいだろうと自己完結。


シャクっとリンゴを口に含み、二度噛んだ後にパチュリーにキスをし、舌を使ってリンゴをパチュリーの口の中に移す。リンゴと唾液でグチュグチュになるのに少しだけ背徳感を覚えた。

そしてパチュリーは満足そうにリンゴを咀嚼する。

口の端から垂れた果汁と唾液が混ざったものを俺はなめとった。


………………………………………


デザートも食べ終わり、俺は食器を厨房に戻した後、再び椅子に座っていた。

そろそろ眠くなってくる時間。パチュリーはウトウトしながら言った。


「今日はありがとう…」

「なに、当たり前の事だよ」

「もし、明希が風邪をひいたら同じことして上げる…」

「ああ、うん」


俺は生返事だった。俺は病気にかからない。転生する時に神に頼んだことだ。

実はパチュリーに俺は前世の記憶を持っていて、転生するときに願いを5つ聞いてもらったこととかを話していない。聞かれなかったからというのもあるし、話す機会もなかったから未だに黙ったままだ。いつか話す機会があったら話そう。隠し事は喧嘩の原因になるし。


「ねぇ…明希…」

「ん?何?」

「私が寝るまで手…握って…」


俺はパチュリーの手を握る。

パチュリーは安らかな顔になって目をつぶった。


「おやすみ、パチュリー」















__________________

おまけっ!そのよん


「今日も人狼が襲ってきましたね…」


「いい加減わからないんですかねぇ。ここには誰がいるか。そして歯向かえばどうなるか」


「御疲れ。小悪魔、美鈴。お腹空いたでしょ?ポトフを作ったわ」


「「え!?御嬢様手作りの!?」」


「パチュリーが風邪をひいて明希は看病、貴女達は人狼の相手。他に誰が作るのかしら?」


「御嬢様……ありがとうごさいます!!」


「パチュリー様を想っての行動。ありがとうごさいます!!」


「遠慮なく召し上がりなさい」


「「はい!いただきます!!!!!」」


レミリアがカリスマーになってましたね。


そしてさりげなくおまけ!で人狼の存在が。


あともう少しでストーリーが動きます。そして意外な原作の人物が登場します!乞うご期待!!!!

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