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ちょっとしたキャラの調整。


今日の気温は何時もより更に高い。

夏の苦労と言えばやはりこの体中から汗が噴き出る暑さだろう。

勿論、そんな暑さ、夏だからこそ開ける場所も存在する。

水を最大限に満喫出来る場所……、例えば海水浴場……、プール。

時和大中央地区にある『アクアランド』はウォータースライダーやライブイベント、ゲームなど沢山のアトラクションを楽しめる巨大プールだ。

俺はあまり密度が集中していない場所席にパラソルを立てから背もたれ椅子を並べ、ぐっと体を伸ばす。


「しっかし、流石都市最大のプールだな〜。人も凄いが、それ以上の面積だ」


パーカーを上から着ている俺は、辺りを見回す。あっちにはウォータースライダー、あっちには巨大水中迷路、向こうにはイベント会場が見える。今日一日で全部遊び尽くすのは無理があるんじゃないだろうか。

そんなことを考えていると、小走り気味で俺の横に立ち目をキラキラさせる幼女……少女がいた。


「ふわ〜凄いですです!これがあのアクアランドなんですですね師匠!おーしゃんびゅーです!」

「こらこら、プールサイドは走ったらダメだぞ」

「おーしゃんびゅーなのです、巨大迷路なのです!」


聞いちゃいない。

後輩であり、一応弟子の関係である祈は小学生くらいな背丈に、特徴的な長いお下げを振り乱しながらプールに関心を示していた。

苦笑しながら、座っているとまた横に立つ影が。


「海みたいに綺麗ですね〜」

「萌さんもアクアランドは初めて?」

「はい、今までは海水浴に行ってましたから」

「そっか……」


隣のクラスで、友達の萌さんは黒髪をヘアゴムでまとめてサングラスをかけている。黒いビキニタイプの水着、萌さんの健康的なボディラインを魅力的に見せていて特に足はすらっとしていてかなりの美脚だ。

流石運動部……程よい引き締まり具合いでいて少しムチっとした感じが萌さんの良さを最大限に引き出している。


「才崎は一緒じゃないのか?」

「うーん、珍しく女子更衣室に居なかったですから……ああ!!」


萌さんは何処かを見て声を張り上げる。

……視線の先にはカメラ持って、堂々と女を撮影してる眼鏡がいた。萌さんはサングラスを上げ、驚くような速さで才崎へと向かって行った。


「大変だな……萌さんも」

「師匠ー、あれなんですか!水の上を走ってます!」

「そんなバカな…………は?」


走っている、水の上を走りながら……何かから逃げている。


「「「待ってーー!そこのイケメンのお兄さん!!」」」

「しつこいな……」


……あれは、…………藤沼?

……いかにも20代前半の……大学生くらいの女性達から追いかけ回されている。

げえ!?こっち来るな!?


「上狼!……後は任せた」

「は?え!?」


いや、ちょっと待てええ!?


止まる気配すらしないんだけdーーー


「師匠!?」


……。

……藤沼……め。


「りゅーが!待ってってばー」

「ふげふ!?」

「あれ?ヒデりん?」


背中を踏んづけた女性は慌ててどき、起きるのを手伝ってくれた。

ローズピンクの髪を長いポニーテールに結んだ女性は、俺に怪我が無いことを確認してから手を合わせる。その時大きなふくらみが左右に揺れ、思わず息を飲んだ。


「ごめんねヒデりん!ほら、りゅーがも謝って!」

「……」

「……」


秋獅子流牙……。


「響にすら踏まれるとは、よほど凶運に好かれているようだな」

「俺はお前みたいに怖い目をしていないから、人が寄ってくるんだよ」

「ふん、自分を踏むような人間を呼び込むとは物好きな奴だな」

「お前こそ、わざわざアクアランドに遊びに来るなんて可愛い趣味をお持ちのようで?」


一触即発な空気になる。

……昔とは違う、 見くびっていたら後悔するぜ秋獅子!


「「くら「はいそこまで!」あだ!?」」

「……っ、響、貴様」

「プールに来てまで喧嘩しなーい。ほらほらりゅーが、サーフィンエリアに行くよ」

「ふん、響に感謝するんだな上狼」


響に引きずられながら、秋獅子はサーフィンエリアのある方へ消えて行った。

……ふう。

龍星さんが今日は元同級生の人と海水浴に行っててよかった……。秋獅子と喧嘩して、龍星さんの拳でプールサイド真っ二つなんてこともあり得たからな。


「祈、もう少し待っててくれるか?あれ?祈?」


椅子に置き手紙?


『師匠へ

我慢できないので、巨大迷路に行ってきますです!

祈より』


……はあ。もう行ってしまったからには仕方ない。今日誘ったのは、杉崎、萌さん、秋獅子(不本意)、響、祈、藤沼、……あと2人か。

みんな自由きのまま……過ぎて疲れるな。


「お疲れ?秀久」

「あー、リーさん……んん!?」


ボインと音が鳴りそうな二つのたわわ、上を包んでいるビキニタイプは自重しない胸がゆさゆさと揺れている。下はショートパンツタイプだ……だとしてもスタイルが抜群過ぎて……その、目のやり場が。

リサ・スティーブさんことリーさんはクラスメイトにして、両親は日本人と外国人らしい。つまりハーフだけど、育ちはずっと日本だった為、英語は殆ど話せないらしい。

でも容姿は外国人のモデルにも負けないスタイル……、周りの視線も釘付けだ。


「どうかした秀久?」

「いや、まあ……リーさんが原因なんですけど」

「??」

「そうだ、藤沼がさっき女子大生と仲良く遊んでたよ」

「翔馬が!?何処に!?誰と!!詳しく教えて秀久!」


ゆさゆさと揺らされる。いや、そんなに揺らされたら目が回る!?


「リサじゃねえか、どうしたんだ」

「あ」

「翔馬!!……浮気はダメなんだよ!」

「なんのことだ!?……チッ!」

「あ、待てーー!!」


あっという間に見えなくなってしまった。

いやあ、仲睦まじいようで。


「あと1人か……」


リーさんと一緒に来ると思っていたけど、結構着替えで手こずっているのだろうか。


『おい!なんだあれ!』

『揺れてるぞ!しかも見えそうだ!』

『後ろからだと背中丸みえなんじゃないか?』


なんだか周りが騒がしい…………な"!??


「ひ、ヒーくん〜」


慌ててこちらへと向かって来る女性を回収。すぐパラソルの下まで連れて行くと、彼女は水着でなんとか隠れている胸元を押さえながら困ったように俺を見上げてくる。


「なんて、格好してんだよみなも!?」

「だ、だって……紐が中々結べなくて……、みんな行っちゃったから」

「リーさんに手伝って貰えば良かっただろ!?そんな格好で来たら注目の的だぞ!」

「ぅう、私一人で大丈夫だって言っちゃって……」


ああ、もうホント1人でやろうとするんだからなあ。


「……はあ、背中で結べばいいんだな」

「ヒーくん……、えっとじゃあお願いします」

「……(ブッ」


長い髪をずらし、みなもの背中が露わになる。

肌白!?きめ細やか!?綺麗!?その三コンボで俺の鼻からは既に赤い液体があふれていた。

……耐えろ秀久、……パートナーたるものこんなところで負けるわけには。


「ヒーくん?大丈夫?」

「こっち向くな!?」

「ご、ごめんなさい!」


あぶねえ、なんか色々とやばいものが見えかけていた……。

えと、ここで結べばいいんだよな……。


「よし、ちょっとキツめに結んでおいたから大丈夫だろ」

「ありがとうヒーくん」

「助けは早めに求めるようにし……ぶはっ!?」


みなもの水着は水色のビキニタイプでリボンがついている彼女らしいものだった。

だけど、今鼻が刺激されてる中、……彼女の大きなふくらみを目にしたら流石に耐えきれなかったようだ。リーさんにも勝るとも劣らない……、多分……Fはあるんじゃないだろうかっ。


「ひ、ヒーくん!?ヒーくん!」




ウォータースライダーで、誰が一番綺麗に流れるか勝負した。

ここのウォータースライダーはかなり振り幅が大きく、中には途中で場外のプールに落とされたりするらしい。


「……勝負するまでもない」

「いいじゃん!最初はボク達が行くね!」


先陣切って秋獅子と響ペア。

響は怪我なく流れてきて欲しいけど、秋獅子は途中場外になってしまえ。


……結果。


「いやあ、思った以上に流れ早かったよ!りゅーが回収しに行かなきゃ」

「「はははは!!だっせえ!!」」


秋獅子まさかの場外、響が密着し過ぎて剥がそうとしたら落ちたらしい。俺と才崎は声を出して笑った。


「次は私達が行くねー!夫婦の私達なら勝利間違いなしだよ!」

「いや、夫婦じゃねえし」


藤沼とリーさんペアだ。

……オチは読めた。


……結果。



「二人共場外になっちゃったね……」

「藤沼君がリーさんのホールドを避けながら立ち上がっていたのが敗因でしょうか」


なんとも複雑そうな顔で見ている女子二人。

残るは……才崎と俺か。


「ふむ、君達はパートナーとの連携が全くなっていないな。私が手本を見せてあげよう」

「……そうっすか」


いや、多分無理じゃね?


……結果。


「萌ちゃんだけが落ちて行きましたね……」

「ふむ、少しやり過ぎたか」

「お前マジで一回寺で修行してこい」


内容は伏せておく。

残るは……俺達だけか。


「みなも、もし嫌だったら突き落としていいからな?」

「……ヒーくん」


係員の指示に従い、巨大な浮き輪に乗る。

みなもは俺の上に座り、彼女が落ちないように両腕をヘソの辺りでホールドしてしっかり押さえる。

密着度がかなり高く、心臓がばくばくしている。

……深呼吸、深呼吸だ。

係員が浮き輪を押し、その勢いで俺とみなもが下へと流れ出した。


「きゃぁーー!?」


速い!?しかもめちゃくちゃ左右に振られる!

なるほど、手を離したら俺が飛ばされかねない。秋獅子の二の舞いになるのはゴメンだ!


「ひ、ヒーくん!」


器用にみなもがこっちを振り向き、涙が溜まった目で何かを訴えかける。ごめん、今それどころじゃない!!


「みな、も、ちゃんと掴まって……ろ!」

「は、はい!!」


一回転し、また斜面に沿って流れまた一回転。

みなもが密着し、胸が当たる。ダメだダメだ!今避ければ藤沼の二の舞だ!

次に来たのは暗いトンネルの中、何も見えない為お互いの姿もわからない。


『はーい!チャンスタイム!』


チャンスタイム!?


『今ならお連れ様を触り放題!暗い中なのでみえませんよ〜』


触り……放題!?そ、それって……(ゴクッ

い、今なら……バレない?


「師匠ー!!煩悩に負けたらダメですですよー!」


そうだ!ここで煩悩に負けたら才崎と同じだ!俺はあそこまで変態じゃない!


よしトンネルを抜けた!ラストスパート!


「ひ、ヒーくん……」

「どうしたみなも?」

「み、水着……外れちゃった……」




「よしっ!ゴール!」

「ゴールです!」


結局、勝利は俺と祈の師妹コンビだった。

戦利品のハイビスカスの花のヘアピンが祈に送られ、四人の女子は羨ましそうに見ていた。


「まさか、秀久君が浮き輪から降りてトンネルの方に向かって行くとは思いませんでしたよ」

「ヒデりん、みーちゃんの水着握って流れて来たよね〜」

「ヒーくんですから……」


そう、みなもの上が流され……俺は浮き輪から降りて自力でトンネルの方に戻って行った。

……なんとか見つけたいいものの、気合いが抜けて流され結局引き分け。

祈とは特に意識することも無かったので普通に楽しめた。


「……パートナーを差し置いて、自分の弟子とゴールするとはとんだロリコンだな」

「上狼、パートナーでの悩みがあるなら聞くぞ」

「ふむ、何故あの豊満な胸を揉まなかったかいかにも謎だな」

「黙れ脳筋主夫変態」


一触即発。

俺達四人は少し距離を取る。


「やはり、貴様らとは戦って決着をつけるしかないようだな」

「チッ、……めんどくせえ」

「ふむ、手荒な真似はしたくないのだが」

「……行くぞ!」


呆けているパートナーの方へと走り、お互いのリンクアイテムに触れる。


「「「「リンク!アームズ!」」」」


俺とみなもが一つになった赤と白のヒーロー、ファートゥムが波しぶきを立てながら水の上に着地、マフラーをなびかせる。

同時に、流牙と響の黒い鎧にオレンジのラインが走った姿のレクレール、藤沼とリーさんの青と金の姿をしたユーストゥス、才崎と萌さんの紫に銀の装飾が施されたゲネシスが現れる。


『ヒーくん!?これってどういう……』

「話は後だ!まとめてぶっ飛ばす!」


どいつもこいつも実力も性能もトップクラス……、単純なパワーを持つ秋獅子には注意しておく必要があるが藤沼のスピードは厄介だし、才崎の射撃性能も頭に入れておかなきゃいけない。だが、俺にはあいつらにないアームズチェンジがある、プールならアクアタイプで……。

……水が跳ね上がり、四人同時に動き出していた。


「はいそこまでな!」


スーツと鎧が消え、俺達はパートナーと一緒にプールに落ちた。これは確か、教師だけが使える強制権!?


「だ、誰だ!?」

「……聞いて駆けつけて見れば、お前ら一般の人を巻き込んで何やってんだ?」

「り、龍星さん……」


真紅の龍の鎧が消え、今日は居ない筈の龍星さんが険しい剣幕で見下ろしていた。

ああ………終わった……。


って、秋獅子どこ行った!?藤沼!?才崎!?


「秀久、……お前の師匠として教師として、いつも力を使うときは一般を巻き込むなと言わなかったか?」

「あははは、いや、だって、……あいつらが」



「んー!美味しいね〜このトロピカルジュース」

「スイカってあるかな?」

「リーさん、海水浴じゃないんですから……」

「私タルト作ってきたんだけど良かったらいかがですか?」

「わーい!タルトですです!」


楽しそうにガールズトークをしている女性陣。

それを遠くから眺めながら、俺達はブラシで床を掃除する。


「最悪だ……」

「上狼、手が止まってるぞ。秋獅子も才崎もサボるな」

「チッ……」

「ふむ、些か不公平ではないだろうか」

「お前らのせいだろ!」


くっそー!!楽しい一日になる筈だったのに!

……とほほ。

智「問題、涼宮君は何回ヒーくんと言ったのでしょうか」

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