テスト2
そのままの意味です
夏だ。
ギラギラと太陽が一層に輝き照らし、気温も一年の内で最も高くなる。
6月は梅雨の季節で雨が降ることが多く、じめじめとした天気が続いていた。みなもも洗濯物が干せないと口を尖らせていたくらいには定期的に降っていた。
それが終わり、蝉が鳴き始める季節。
制服も夏物に変わり、ブレザーを着ている生徒は1人もいない。
今は学園から帰路についていて、暑さで薄っすら汗をかいている。隣を歩く少女はパタパタと下敷きで仰ぎながら、俺にもその風を送る。
「そんなに暑いのか?」
「はぃ、私は戦争兵器の中で唯一熱を操れるんですが、普段力をしまっていると体温調整が難しいんです」
みなもは目に✖️マークを作りそうな程暑さにやられてしまっている。
唯一の力が逆に人体に影響があるのか。ん……?
「だから毎回あんな格好で!?」
「……はい、夜は寝ちゃうので調整が効かなくなるので」
「……そうなのか、いや、別に俺はいいけど(ゴニョゴニョ」
「?」
とりあえず涼むことにした俺たちは近くの喫茶店に入った。
みなもと俺はお互いの命を共有したことで命拾いした。それは同時に彼女との仮結婚をすることになって、ある意味契約関係である意味妻だったりする……。
彼女が戦いで負傷した際に、一緒に寝ることで傷の回復を早くしているみたいでその時の彼女の格好が……。
「秀久さーん?」
「あ、いや、何でもない!」
首を傾げ、アイスクリームを食べるみなも。
頰を押さえながら幸せそうに表情を崩している。俺も自分で言うのは何だけど、かなり甘党だ。
けどみなもはそれ以上で、行きたい場所が必ず一致する。けど不思議だ、あれだけの量を食べて一体どこに栄養が……。
「あ、胸か」
「っ……、秀久さん?」
ジトッと目を細めるみなも。
やべ、何か他の話題を〜。
「そ、そうだ!みなも暑いの苦手なんだよな、じゃあプール行こうぜ!」
「プールですか?」
「ああ、実は一昨日龍星さんがレジャーランドプール玉造の運営している友人さんからチケット貰ってさ、その流れで二枚程貰ったんだ」
「わ〜〜素敵です、何時でしょうか?」
「開園日は明後日なんだけど、明日なら特別貸切にしてくれるんだってさ」
「貸切……」
「明日休みだし、折角なら行かないか?」
目を輝かせていたみなもだが、ふとスプーンを置き視線を下に向ける。
「………」
「どうした?」
「……うぅ」
どんよりと複雑な顔で自分のお腹を摘んでいるみなも。
……あ、あー。
なるほど、俺でもこれはすぐにわかる。
「大丈夫だぜみなも、プールには飲食店あるし甘いものも食べほぃだだだだだだ!?」
頰を抓るみなも。
それはもう目が白く見えるほどご立腹だ。
おかしいな!おかしいな!?違うの!?
「馬鹿っ、鈍感!私はそんなに食いしん坊じゃないです!」
「ごへん、ごへんへ、ほおにゃのひる!」
「……秀久さんには乙女心がわからないんです」
パチーンと手を離し、たまらず両方の頰を押さえる。いってえ、泣きたくなる程痛い!
「じゃあ、なんで怒ってるんだよ」
「……水着」
「ん?」
「最近食べ過ぎでぽっちゃりしてるので、水着着たら一緒にいる秀久さん笑われちゃうんじゃないかって」
恥ずかしいのか頰に朱を散らしながら、早口でそんなことを呟いた。
あ、若干涙目だ。
てか、予想以上にしょうもないことで悩んでたのかよ…。
俺はスプーンを置き、小刻みに震えているみなもの手を握る。
「大丈夫だって、全然太ってないし寧ろ綺麗だぜ?それに、笑う奴がいたら俺がぶっ飛ばしてやる」
「秀久さん……」
「だから、お前は気にせず好きな水着を着ればいいんだよ。あ、でもあんまり過激なのは勘弁な?」
「はい!頑張って考えてみます!」
グッと小さな拳を作り、ふんすと意気込む彼女。
……あわよくば天然な方向に転がらないことを祈ろう。
握っていたもう片方の手を開き、絡めるように指と指の間に自分の指を入れながら握る。柔らかく、滑らかな指を堪能しているとみなもも握り返しお互いの指と指を絡めて行く。
くすりとお互いから笑みが溢れ、カランと氷が音を鳴らした。
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